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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第2章 ファイト・ザ・オンライン

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第74話 VRのプロゲーマー

ガイアとの戦闘を終えて精神的な疲労が少し溜まっていたが、このくらいなら問題ない程度だし、目もそこまで疲れを感じていない。

やっぱりVRゲームの才能なのか?キキョウからしたら長時間の戦闘は相当疲れるらしい。俺はゲーム内ではそこまで感じたことがない。種族進化の時のレベリングの時でさえ数時間ぶっ通しでやったりしていたが、それもそこまで疲れるものでもなかった。

一体どういう理屈なのかはわからないが、俺はゲーム内において人よりも疲労を感じづらいし、圧倒的な反射速度を持っているらしい。

今は目を慣らしているだけだが、正直このスピードなら反応しきれないことはあるだろうけど、見えないなんてことはない。これが才能だというのならもしかして俺って最強なんじゃないか?

キキョウに誘われたファザオン。おそらくこれでキキョウに勝てばプロのスカウトを受けることになるだろう。おそらくキキョウも自分のチームに推薦しているだろうしな。あいつのいるチームは基本的に個人プレイメインのゲームだから、チームという感じではない。だからこそ、個人の人間性の相性や、得意分野の相性というのはあまり重視されない。

そもそも現在出ているVRゲームは3作品しかなく、プロチームというのも数チームしか存在していない。どのチームもゲーム業界への関連の有無に関わらず、大企業だ。それらのチームに所属するプロはこれまでのゲームの常識を変えるメンバーも多い。VRゲームというのは現実の体ではないものの、自身の体を動かすゲームである以上、その体の使い方を理解しているかが重要になってくる。そこでプロチームが目をつけて、最終的に現状、プロたちのプロになる以前のキャリアで最も多いのがアスリートだ。ゲームのプレイヤースキルというのはほとんど現実の運動神経に直結している。そのため、プロゲーマーは元アスリートが圧倒的に多い。

だからこそ、俺の才能は意味がわからない。現実の運動神経に直結しているはずなのに、俺は現実では相当な運動音痴だ。ゲーム内でここまで動けること自体が以上なはずだ。初期アバターがミミックだったことが関係しているのか、それとも、生まれつきのものなのかはわからない。

色々と考えてしまうけれど、これ以上考えても何にもならないな。俺が今やるべきは寝ることだ。

ファ座オンの調整はぶっ通しでやっても集中持たないだろうし、ガイアと戦って少し疲れたし、今のうちに寝ておいた方がいいだろう。キキョウには一応連絡しておこう。先に落ちるとだけ伝えて、ログアウトした。

目を開くとそこは見慣れた部屋だ。俺が16年間過ごしてきた部屋だ。生まれてすぐの頃から俺はこの部屋で育てられていたらしい。睡眠時間を除いたら今ではこの部屋よりもユーオンの中にいる方が多いかもな。

そういえば、俺が生まれた時のこととかあんまり聞いたことないんだよな。幼少期の記憶もあんまりはっきりしていないし。母さんに聞いてみるか。

リビングに行くと、母さんがソファに座ってテレビを見ていた。父さんは風呂に入っているみたいだ。


「母さん、俺って小さい時どんなだったの?」


「急にどうしたの?そうね。言い方は良くないけど不気味な子だったわね。なんだか見ている世界が違うんじゃないかってくらい不思議な発言をすることもあったし、他の子よりも成長がすごく早かったわね。言葉を話すのも早かったし。」


「そうなんだ。」


「それよりも未空、そろそろ進路決めたらどう?まだ進学かどうかさえ決めてないんでしょ?あなたの学力なら大学にも行けると思うけど。」


そう。俺は今高校2年。そろそろ進路の決定もしなければならない。


「それに関しては夏休み終わるまでには答えを出すよ。今は、VRの方でちょっと大事な大会が控えてるから。」


「ユーオンって大会とかあるの?」


「いや、恭平に押し付けられたんだけど、『ファイト・ザ・オンライン』っていうゲームの大会に勝手にエントリーされてて、ソフトも渡されたんだよね。」


「そうなのね。恭平くんは進路決まってるのかしらね。」


「あいつはもう決まってるらしい。」


「あら、早いのね。恭平くんはどうするって?」


俺と恭平は昔から一緒にいるので、お互いの家族が俺と恭平についてよく知っている。気になるのも当然だよな。


「具体的なことは俺も口止めされてるし、あんまりいえないけどスカウト受けてプロゲーマーになるってさ。今回の大会のエントリーもその伝を使ってみたいだし。」


「恭平くんらしいわね。しかもわざわざその大会に招待してくれるってことは恭平くんはあなたのことを認めてくれてるのかしら?」


「さぁ、どうだろうね。まぁ、精一杯頑張ってみるよ。各プロチームも注目してるみたいだし、有償でもできれば受験勉強せずにプロゲーマーとして生きていけるかもしれないし。」


「そのためにはまずコミュニケーション能力を鍛えないとね。」


「それは大丈夫だよ。ゲーム内だと普通に喋れるし、基本的に今のところVRゲームは個人プレイが多いから」


「そう?それならいいんじゃない。私たちは未空のしたいようにしてもらえればそれで十分だからね。」


「うん。それじゃ今日はもう寝るわ。おやすみ。」


「はい、おやすみ。」

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