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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第2章 ファイト・ザ・オンライン

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第72話 秘められた才能

エリアの外で観戦していた一人の観衆に中で戦っていた大男が激突した。

このゲーム内においては感性も完全に再現されているらしい。質量がどうなっているのかがわからないけれど、それ関係なく、時速100kmで殺意を持って激突されたら、たまったものではないだろう。


『ハルトの棄権によりパンドラの勝利!』


観衆たちも言葉を失っているが、俺たち3人はそそくさとハルトの小屋へと入って行った。


「さっきのはすごいな。あの観衆たちは俺の舎弟みたいな奴らだから、口は硬いだろうが、あんまり外で戦わない方がいいかもな。」


「戦い方がバレてしまうと初見のリアクションを見れませんもんね。」


「そうじゃねぇよ。一応ノックバック無効スキルとかもあるから、それで対策されかねない。それにスピードを上げるとダメージ量が比例して減少する。あのレベルの速度だとダメージもあんまり入らない。」


「それは大丈夫。このゲームスタミナがないでしょ?だからあの速度で攻撃し続けて削り切れるでしょ。」


「外に出てしまわないか?」


「大丈夫。あの程度ならそこまで集中しなくても大丈夫だし。なんかわからないけど、システムサポートを受けているのと同じような感覚なんだよね。」


「それ気になって聞いてみたんだけどさ、ヴァルいるだろ?」


「うん。」


「ヴァルに聞いたシステムサポートとお前に聞いたシステムサポートが違う気がするんだよな。」


「というと?」


「お前のシステムサポートってAGIに応じて動体視力の上昇と認識速度の上昇、反応速度の上昇だろ?」


「そうだね。」


「ヴァルがいうところには認識速度は上昇するけど、他の2つは上昇しないっていうんだよ。反応速度に関してはほぼ勘で動いているらしい。」


「私はシステムサポートを受けていると思っていたけれど、本当は自前のゲームスキルだと?」


「あぁ。リアルでは発揮されないけれど、フルダイブ下においてだけ発揮される圧倒的な眼。そうなんじゃないかと思ってここに呼んだんだよ。」


「なるほどね。ごめんねハルト、急に押しかけたのに私たちだけで喋っちゃって。」


「大丈夫だ。それにしても、仮にそうだとしてどういう理屈でそうなってるんだろうな?」


「それは俺もわからないけど。まぁ、これなら優勝は確定だな。」


「まぁ、気をつけながら戦うよ。ハルト、明日から調整のために通ってもいい?」


「あぁ、大丈夫だが、ユーオンの方にもログインして、動いとけよ。そっちの方が眼は鍛えられるだろうしな。」


「もちろん。それじゃ今日はこれでお暇しようかな。キキョウ行こう。」


「あぁ。俺はこのあとユーオンはいるけどどうする?」


「じゃあ私も入ろうかな。」


「じゃあ、俺も」


・・・・・・ん?


「あれ?お前ってユーオンやってるのか?」


「あぁ。パンドラってことはあのユニークなんだろ?ギルド戦ではよろしくな。俺は他のギルドに所属しているから。一応幹部級だが、名前は違う。まぁ、こっちでユーオンの話はもうなしな。それじゃまた明日。」


「うん。」


なんとなく気まずい空気になったのですぐにその場を離れてログアウトした。

そのあと、ユーオン内で再びキキョウと合流し、今後の方針を話し合っていた。


「どうする?こっちでも眼を鍛えておきたいだろ?」


「そうだね。強いモンスターと戦いたいかな。超高速でコマ割りを聴かせるってなるとダンジョンボスとかがいいかな。」


「それはそうだな。回想機能で地龍ガイアと戦ってきたらどうだ?」


「確かに。あれと物理戦闘をしたら、なかなかに練習になりそうだね。範囲攻撃の回避に爪の攻撃の回避。剣だとなかなか攻撃が通らないから時間もかかる。」


「良さそうじゃないか。」


「それじゃ行ってこようかな。」

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