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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第1章 ユートピアオンライン1

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第69話 ファイト・ザ・オンライン

ギルド『完璧』に関する情報を得た俺たちは早速メンバーたちにマスターと幹部たちの情報ををまとめて共有した。ユイユイとミルナにはちょっと難しいかもしれないが、他のメンバーたちにとってはなくてはならない情報だ。こちらの情報が外部に一切漏れていない以上、外の情報を得られるアドバンテージは大きい。

もちろん隠密による監視の目があるのかもしれないが、俺以外の情報はあまり知られていないはずだ。キキョウはユーオン内では顔が広いから、ある程度知られているだろうけど、それでも重要なところはしっかり隠しているだろう。


「なぁ、パンドラ。ちょっと相談なんだがいいか?」


「何?キキョウの頼みだったらなんでもいいけど。」


「言ったな?なんでもやるんだな?」


「言葉のあやだって。まぁ、できることだったら。」


「まず、ちょっと別ゲーの話になるんだけど、ファイト・ザ・オンラインなんだけどよ。」


「ファザオンがどうした?」


「略称知ってたのか。それで、ファザオンなんだけど、最近大会の開催が少なくなってたんだよ。前までは3ヶ月に1回くらいはやってたんだけど、ユーオンの発売前の大会がユーオン発売の2ヶ月前で、それっきりなんだよ。それで、今度次の大会の開催が発表されたんだけどさ、その大会の優勝賞品がレジェンドとの対戦権なんだよ。」


「レジェンド?」


「あのゲームは基本的に一度優勝すると大会に参加することはできないんだよ。ただ、さっき言ったユーオン発売前2ヶ月前の大会の名前が「ファイト・ザ・オンライン歴代最強決定戦」っていう歴代の優勝者全員を集めた大会で、その優勝者をレジェンドとして登録するっていう大会なんだよ。」


「そんなのあったんだ。」


「知るはずはないよな。参加プレイヤーくらいにしか告知されなかったからな。観覧も不可だったし、そもそも他のプレイヤーは通常大会をやってたからな。」


「なるほどね。」


「それで、今回発表された大会っていうのがレジェンドのお披露目も兼ねてるんだよ。そもそも俺がプロに勧誘されたのもレジェンドになったのが理由なんだよ。それでなんだけど」


「大会に出てくれとでもいうつもり?」


「よくわかってるじゃねぇか。」


「いやだよ。お金ないし。」


「ソフトは俺から渡す。というより、お前に断る権利はない。」


「どういう意味?」


「今回の大会もう締め切りは終わってるんだよ。」


「それじゃ参加できないじゃん。」


「それなんだけど、俺の所属チームの特権で、1枠取ってもらったんだよ。俺が注目しているプレイヤーがいるから見てほしいって。」


「おまえ、ほんとに勝手だよな。」


「いいだろ?それにお前のVRゲームのPSは本物だ。俺はお前とゲームをやっていきたい。」


「キキョウならそういうだろうね。まぁ、その条件ならいいよ。ただ、勝てるとは限らないから。」


「大丈夫。お前なら勝てるはずだ。」


「あっそ。それじゃゲームにも慣れたいし、最低限の準備はしたいから明日にでもソフトちょうだい。」


「あぁ。もう準備もできてるし、こっちの方は俺に任せとけ。メンバーの勧誘と、レベル上げ、指揮どりは俺がやっとく。大会の方は今日から10日後だ。明日は俺も入ってお前のサポートをするからな。」


「目立たない?」


「あのゲームはユーザー名が隠されるし、俺と似たアバターのやつは多いから大丈夫だ。アバターは男でもいいが、このゲーム内のイメージを持ち込みたいなら女の方がいいかもな。少なくともパンドラの名前でプレイするつもりなら女性アバターにしろよ。」


「わかってるよ。パンドラの名前で女性アバターにするつもりだから、大丈夫。声は自動設定?」


「アバターに合わせて自動設定だな。まぁ、本人の声だとしてもお前別に声中性的だし、どっちでも通るだろ。」


「それはそうだね。それじゃ明日学校でかな?」


「そうだな。今日はもう落ちるか?」


「そのつもり。明日からしばらくは忙しいだろうしね。ちょくちょくユーオンにも顔は出そうかな。」


「ファザオンの方の調整しっかりな。メンバーの希望者が出たら連絡だけするな。ギルドへの案内はファザオンの大会終わったくらいの日程にはするつもりだけど。」


「それでお願い。どうせキキョウは俺と同じ土俵で戦いたいんでしょ?いいよ。白黒つけよう。」


「俺はプロレベルだぞ?すごい自信だな。」


「それを認めて誘ってくれたのはお前だろ?」


「それはそうだな。それじゃ、お前と戦えるの楽しみにしてるぞ。」

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