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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第1章 ユートピアオンライン1

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第34話 最影部

ディクティオンの百穴の隠しエリア《ディクティオンの百穴・最影部》。もともと地龍ガイアがいたエリアに向かう前の細い通路を曲がり、そこをしばらく先まで進み、行き止まりに到達する。一見するとただの行き止まりなのだが、そこにある岩の影が一部だけ他と比べてわずかに黒い。そここそがこのエリアで最も影の濃い場所であり、隠しエリアへの入り口だったらしい。影のその部分に触れることで隠しエリアへと転移させられる。そこが《ディクティオンの百穴・最影部》だ。


「ゲルマ、着いたよ。とりあえず中で待機してもらってもしもの時は外に出しておとりになってもらうかもしれないからその時はお願いね。」


「まぁ、お前は死んだらそれで終わりなわけだし、全然大丈夫だ。気をつけろよ。HPは多少回復してるだろうけど、全快してるわけじゃないんだから。」


「大丈夫。危なくなったらすぐに転移して逃げるから。」


「頼むぞ。」


さて、俺が入ってもこのエリアにモンスターの気配は感じない。現状俺の予想では古代文明のエリアにある隠しエリアにはユニークプレイヤーの眷属にあたるモンスターが配置されている。

《地底王国跡地》はゴーレム、《暗黒の古城》には悪魔、《絶望の墓場》にはアンデッド、《天空王国跡地》には何か飛ぶ系統のモンスター、《龍国跡地》にはドラゴン、《虹の樹海》には植物系モンスター、そして《罠の迷宮》にはおそらく俺の眷属であるミミック系統のモンスター。そして唯一予想できないのがここ《ディクティオンの百穴》。ほかのエリアは何か特徴があったり、モンスターに関連するワードがあったりするが、ここだけは何も情報がない、唯一あるとすればたくさんの穴が開いた洞窟のエリアであるということ。キキョウが大量のモンスターに襲われたことを考えると、何か物量で押してくるような戦い方をしてくるモンスターかもしれない。

お、モンスターのお出ましか?何かの気配がしたんだが。


カンッ


何かが攻撃してきた!{不壊}は突破できなかったみたいだが、そちらの方向からの気配が尋常じゃなく膨れ上がった。なんでだ?俺のは360度すべての方向を見渡すことができる。それなのに視界には何も映っていない。ただ、攻撃した方だけでなく、このエリア内全体から尋常じゃないほどの気配を感じる。これは相当な数がいそうだ。さっきの攻撃が弾かれたのを警戒しているのか次の攻撃は来ない。

このエリアのボスが見えない以上戦いようがないな。

それにしても物量に加えてステルスってさすがに強すぎないか。ユニークプレイヤーはこれ以上となるとさすがにおかしい気がする。物量を無限に操れるのまでならまだわかるが、それ全部にステルスを付与することなんてできるのか?

そもそもこのエリア、壁がどこにあるのか、それすらも見渡せないほどに暗く、見通しが悪い。見えない位置に陣取っていると考えるのが妥当か?それならいったん気配が薄くなる、もしくは壁か何かにぶつかるまで走ってみるか。


ちょっと走ってみた。それで分かったことはただ一つ。俺の動きに合わせてこいつらも位置関係を一切変えずに移動してやがる。つまり俺はこいつらに触れることが出来ない。しかも壁もなさそうだ。1kmくらいは走ったけれど、なんにもなかった。つまりこのエリアはおそらくだが無限に広がるエリア、もしくは超広くて自分が中央からスタートしている、このどちらかだと考えるべきだろう。


相手が攻撃してこないとなると、こっちからできるのは{大地の覇者}で周囲を攻撃して一網打尽にすることを狙うくらいか。回避されたらそれまでだが、少しくらいは撃破できるだろ。


「スキル{大地の覇者}」


自身からの剣山大地。これは入っただろ!自分のログを確認してる間に攻撃されても厄介だし、ゲルマのを聞こう。


「ゲルマ、経験値は入った?」


「いや、入ってないぞ。」


え?ということはこいつは経験値をドロップしないタイプのモンスターなのか?それとも1体も倒せていない。倒したモンスターがいた場合ログが残る。ただ、ログを確認するためには腕を動かさなければならない上に隙ができる。できればやりたくないが、やるしかない。

腕を10本フルで出し、9本で自分の周囲をガードする。10本の腕のうちもともとあった2本以外の腕への攻撃はダメージ扱いにならないらしいからこれで攻撃が来ても腕で感じ取ることができる。

ログは「《ディクティオンの百穴・最影部》」以降はないか。倒せていない、この気配はモンスター扱いではない、周囲に感じるこの気配は1体のボスの一部から発されているものである。この3つのうちのどれかだろうな。

俺としては一番最初の倒せていない説が濃厚だな。しかもこのモンスター相当高度なAIが組み込まれている。その証拠に俺が腕を出して動き出した瞬間ほかの腕に攻撃が来ている。腕は霊体と同じような扱いだから攻撃は効かないけどな。

本体に高度なAIが組み込まれていてそいつが統制しているのか、それともすべての個体に同レベルのAIが組み込まれているのか。後者だとしたらここに予算をかけすぎだ。おそらく本体、もしくはボス的な個体がいる。

さてどうした者か。こちらの攻撃は無効、敵の姿は見えなくて敵の攻撃はこちらに届く。さらに敵モンスターの情報も一切ないと来た。ムリゲーじゃね。なんかムリゲーにばっかり遭遇してる気がする。いい加減もうちょっと低い難易度のクエストとかにも遭遇したいもんだな。

でもなんだろうな。こんなムリゲーなのにいつも俺の心臓の鼓動は高鳴っている。ミミックだから心臓の鼓動を感じないわけではない。感覚がシャットアウトされてるから感じないはずなのだがリアルの方の体の方の鼓動を感じる。心と体が熱くなる間隔!ゲームはこうじゃなくちゃ!

やってやろうじゃねぇか!ここまで敗走からのバグ勝利で不完全燃焼が続いてたんだ!ここは完勝してやる!

相手が見えない?近づくことができない?本体がどこにいるのかがわからない?そんなこと知ったこっちゃねぇ。絶対に何か攻略法があるはずだ。それを見つけ出してクリアしてやろうじゃぇか!

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