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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第1章 ユートピアオンライン1

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第30話 拡張

本体がいる場所とは別の方向からスキル詠唱が聞こえた。つまりこいつには首があるということだ。馬の方はないかもしれないが、少なくとも本体には首がある。

攻略の役には立ちそうなんだけど、地中なんだよな。多分さっき{大地の覇者}を使った時にどこかにあった首も巻き込まれて地中に埋まってしまったのだろう。ただ、首が地中に埋まっても普通に活動しているあたりおそらく視覚や聴覚まで首に依存しているわけでもなさそうだな。おそらく首が必要なのはスキル詠唱のみ。

首をつぶせばスキル詠唱は封じれるだろうが、それだけ封じても意味がない。ただ、何かしらのデバフ付与があるかもしれない。時間に余裕があればそれを試す時間もあるかもしれないが、たぶんそろそろ


「パンドラ、30分だ。」


だよな。だろうと思った。あと14分しかない。即死属性の付与はさすがに面倒だ。俺に有効かはわからないけど、試すことなんてできないし、そもそもあの回復力が条件なしで発動する時点でほぼ詰みだ。

相変わらず馬のAGIを利用して接近からの攻撃しかしてこない。スキルはあれしか持っていないのか?それとも条件があるのか。どちらにしろあのグラッジシャドウとかいうスキルは厄介だ。おそらく落馬して馬から一定以上の距離が開くことが条件。自身と馬がこれまで受けたダメージに応じて相手にダメージを与えるスキル。{不壊}は貫通出来ないものの馬と本体の間に距離を作っても俺が馬の近くにいたらこれで接近してしまう。かといって先に本体を狙ったところでAGIの高い馬が駆けつけてきてしまうだろう。

全く策がないわけではない。ただ、それを実現するのは少し厳しい。人間の体でならできるかもしれないけれど、今のこの体ではプレイヤースキルを十分に発揮できない。

自分でいうのもなんだが俺はプレイヤースキルが高い。これまでVRゲームをやりこんできたわけではない。ただ、リアルの方で運動神経がほかの人よりも高い。それでゲーム内でも筋肉の使い方の感覚は同じだからプレイヤースキルが高くなっている。しかも現実の体より良く動くから人間の体であれば馬の方一撃で切り刻むくらいできるかもしれない。

ただ、今の俺の体はミミックだ。だからこそできることを最大限で考える。

ちょっと待て。スキルに拡張性ってあったりしないか?{大地の覇者}みたいに明らかに完成されているスキルは別として{神速}とか{暗殺者}はもっといろいろできそうな気がする。今そんなことを考える余裕はないか。

でもシステム的な部分に拡張性を求めたっていいんじゃないか?なんたって俺はユニークプレイヤーだ。そのくらいの恩恵を求めたっていいはずだ。何かできるはずだ。今の俺の体でプレイヤースキルを最大限引き出す方法。


そうだ!できるかわからないけど試してみよう。とりあえず念じてみるか。


だめだ。できる気配もない。何かないか。Unique解説書に何か書いてなかったか。思い出せ。絶対にこの状況を打破できる何かを思い出してやる。

無理そうだ。こうなったらUnique解説書を読みながら回避行動をとるしかないか。たぶんできる。

ん?前はなかった記載があるな。「Fallen Unique command」?横にスキル詠唱らしきものが書いてあるな。これを唱えれば何か起こるとかなのかな。中の方に解説はないか?

・・・・・・・


「パンドラ、40分経過だ。行けそうか。」


「多分大丈夫。あと2分くらいで終わらせる。」


時間はかかってしまったが、これがあれば俺はこいつらを倒せるはずだ。


「UniquePlayer No.1パンドラが要請する。わが眷属を糧とし、世界に改変をもたらしたまえ!」


その瞬間俺の目の前にモニターが出現する。このコマンド、自身の眷属、すなわち自身と同じ種族のものを生贄にささげることでその数に応じて恩恵を得られるというもの。最上位種ではない俺が今回ささげることができた恩恵は最大数の1000体のミミック。そしてその恩恵はゲームシステムへの一部干渉。ただし、俺のスキルや性質を少しいじるくらいのことしかできない。

ただ、今回はそれで十分だ。

その作業が終わった瞬間、俺からは10本の腕が生えていた。

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