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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第3章 ユートピアオンライン2

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第294話 般若

超高速移動に加え、ノータイムで発動できる超高火力の魔法、さらに超高速から繰り出される一撃は{不壊}を貫通し、ユズハなら一撃で倒すほどの威力を兼ね備えている。

しかも{格闘領域(ファイティングエリア)}のクールタイムはいまだ開けておらず、{神速}もまだ使うことができない。{反撃領域(カウンターエリア)}は使えなくもないが、外に出ることができない以上ユズハに危害が及ぶ可能性がある。さらにこの後更なる形態変化を残している可能性が高いと来た。つまり、ここで切り札を切ってしまうわけにはいかない。俺のステータス開放すらされていない状態でこれを倒すなんて無謀でしかないが、新人にカッコつけたいし、やるしかないよな。

あえてスキルを使用せず次に備えてすべてのスキルを使用できる状態まで耐えつつ、スキル無しでこいつを討伐する。できる出来ないの話ではない。やるしかない。


「ユズハ!そのまま分身と結界の維持をお願い。次の形態を警戒してスキルを使わないで倒すから時間かかっちゃう!」


「わかったよ。頑張って!」


さてと、この数分で分かったがこいつの接近してからの物理攻撃は4つのパターンがある。1つ目は最初に食らった魔法発動直後背後に回って攻撃してくるパターン。これは超高速であるものの、魔法を発動されたときに背後を警戒すればそれでいい。厄介なのは魔法発動後確定でこれをやってくるわけではないってことくらいだ。2つ目は1つ目のパターンのあと、一旦距離をとってから超高速移動によるかく乱をしてからの突進攻撃。突進とはいっても鋭い爪を突き立ててくるのでこれまたなかなかに痛い。1つ目のパターンの後にこれが来るのが大体5割くらいだ。3つ目は2つ目のパターンの後さらに連撃を加えてくるパターン。2つ目のパターンでいったん切れるときは突進攻撃のあと、距離をとってまた攻撃に入るのだが、連撃につながる場合は非常に厄介だ。圧倒的な手数の多さで、俺が10本の腕すべてを展開して最高速でしのげば何とかはなるが余裕ではない。

そして最後に4つ目。魔法からつながらず直接物理攻撃をしてくるパターン。これが最も厄介で4つ目のパターンの中に無数の分岐があるといって過言ではないだろう。このパターンを引くと毎回挙動が違う。からめ手を使ったり、正面から突っ込んできたり、実に様々だ。それに高火力、超高速という2つの要素が合わさることで地獄みたいなことになっている。正直、勘で動かなければいかないことも多くなってしまう。

魔法に関しては最初に使った1種類しか使われていない。だが、まだ数分だ。条件を満たさないと2種類目以降を使わないとか、偶然乱数で引いていないだけの可能性も十分にある。

そして恐ろしいのが、般若になってからまだ4分かそこらだろうか。この4つのパターンがそれぞれ1つ目で終わるのが5回、2つ目で終わるのが4回、3つ目まで行くのが6回、4つ目のパターンが8回、魔法だけ使用したのが7回とすでに30回の攻撃を喰らっている。そして今31回目、4つ目のパターンで近接戦に持ち込まれている。

ギリギリ回避しきって反撃、と行きたいところだが、相手の攻撃の手が全く休まらないのにどうやって懐に入り込めっていうんだよ。一応当てれるときは当ててるけどまるでダメージが入ってるように感じねぇ。こっちにヘイトが向いている間は良いが、ヘイトがユズハに向かった瞬間終わりだ。

だが、勝機はなくもない。般若に変化して纏った膨大な瘴気がわずかにだが減っているような気がする。元が大きすぎて比較してみないと減っているかどうかすらわからないが、これに賭けるしかない。ダメージなのか時間経過なのかはわからないが、どうにかこの瘴気を消してしまわないとな。

次あいつがパターン2の行動に入った瞬間、すべての腕で全力で切り込む。もちろん相手の攻撃を回避するのは前提でだ。厳しいが、やるしかない。

魔法の発動、背後からの攻撃を弾く!来た!

まっすぐ突進してくる。まずは突進からの切り裂き攻撃を受け流しつつ、残りの腕で攻撃!そして距離を取ろうとするところを4本の腕でがっちりとホールド!これで抑えれるとは思っていないが、一瞬の隙でいい。全力で剣を振り回し、切り刻む。拘束できた数秒の間にその数50連撃。瘴気が一気に小さくなった。おそらくダメージを受ければ瘴気が小さくなり、瘴気が消えてしまえば撃破だろう。

いや、攻撃はもう当たっていないというのに瘴気が小さくなっている。もしかして撃破か?


ボロッ


体が崩壊していく。倒したのか?いや、まだ先が残っている可能性がある。警戒を解くな。


『エンシェントモンスター『怨霊(スピリット)【異形の面:真蛇(しんじゃ)】と遭遇しました』


どこだ!?どこにもいない・・・?いや、


「パンドラさん!上!」


「わかってるよ!」


頭上から超巨大な蛇が降ってきた。しかも飛べる。機動力も高いと来た。これはますますムリゲーに見えてくるな。ワクワクしてくるぜ。

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