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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第3章 ユートピアオンライン2

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第288話 『完璧』からの脱走者

イベントが終わり、{神の集い}とのギルド同盟を結んだ翌日、早速事件が起こった。


「みくねぇ、ちょっといい?」


「どうしたのリン?」


「ちょっとこんなチャットが来たんだけど、どうしようかな?」


「見せて。」


チャットの内容は大まかにまとめるとこうだ。

ギルド『完璧』が崩壊状態にあり、多くのプレイヤーが脱退していっている。自分もそこに所属していたのだが、脱退したく、まだギルド変更を行なっていないため自分の意思だけで変更ができるから『パンドラの箱』で受け入れてくれないか。ということだ。

そしてその差出人は・・・


「レイナ、ね・・・」


「仲はいいし、わたしは引き受けてあげたいんだけど・・・」


「前の一件があるからね、まぁ、話だけは聞いてあげようかな。ロキ1人でいってくるよ。」


「ロキで?パンドラじゃなくて?」


「うん。レイナはロキの情報をほとんど持ってないわけだし、初対面の方が探り入れやすいからね。一応ネイも読んで近くにいてもらうよ。」


話しつつネイに連絡を入れ、リンに返事を書かせた。するとすぐに返信があり、イロアの街にある喫茶店、以前話した場所に向かうとのことだった。


「イロアの街にいるってことだからいってくるよ。ネイ、近くの席が空いてたらそこで聞き耳を立てて。」


「わかったわよ。」


すでに戻ってきていたネイを連れて早速イロアの街へと向かった。もちろん顔の割れているネイには変装をしてもらっている。側から見たら獣人にしか見えないし、もはや原型もとどめていないからバレる心配もないだろう。

喫茶店につき、俺が先に入店した。ネイも仕切りを挟んだ隣の席に座ったようだ。


「初めましてロキさん。レイナといいます。」


「初めまして。ギルド『パンドラの箱』No.2のロキと申します。早速ですが本題に入りましょうか。盗み聞きするようなネズミもいないみたいですし。」


現在時刻はまだ夕方。喫茶店にはプレイヤーがほとんどいない。


「そうですね。メッセージでもお伝えしたとおり、わたしを『パンドラの箱』に加入させて欲しいんです。」


「経緯は分かってますし、むしろこっちのせいなので、受け入れてあげたいところですが、以前パンドラさんと話したことについて少し聞かせていただいてもいいですか?」


「はい。なんでしょうか?」


「嘘をついていただいても結構ですが、それは自分の身を滅ぼすと思っていてください。それでは、まずパンドラさんと話した時にリンさんのご友人という名目でありながらパンドラさんへの接触を目的として接触しましたね?」


「はい。上からの命令で。」


「『完璧』のマスターに関してもよく知っていますので、それを咎める気はありません。それを認めてくれただけでもいいでしょう。それに崩壊した『完璧』を警戒する気もありません。以前に関する話はこれだけでいいでしょう。」


ここで嘘をつかれればその時点で関わることをやめていただろう。だが、まだ信用するには早い。


「次に。多くのプレイヤーの中で私たちのギルドは魔窟と呼ばれています。多くのギルドがある中、なぜ小規模かつ魔窟などと不名誉な呼び名をつけられているうちに連絡をしたのですか?」


「凛ちゃんがいるっていうのも1つですけど、前はあんな言い方したんですけど本当は興味があったんです。」


「あんな言い方というと?」


「リンちゃんが魔窟に入ったっていうことを軽蔑するような発言です。ただ、そうでもしてないと羨ましがるような発言でもしてみればマスターの怒りに触れてしまうので。」


「なるほど。興味があったというのは?」


「パンドラさんっていう特殊な存在に加えて上位プレイヤーが集まっているギルドなんですよ?興味ないわけなくないですか?」


「まぁ、その言い分もわかります。まぁ、悪巧みの気配も感じないですし受け入れてもいいですが、まだ何か隠してますよね?」


雰囲気や口調から誠実さは伝わってきたけれど何か隠しているような気配もある。


「すみません。実は『完璧』から一緒に抜けようといっている知人が3人いるのですが、その3人も受け入れてもらえないですか?」


「ちょっとそれは厳しいですね。装備とかの準備にも時間がかかっちゃいますし。どうしてもっていうなら考えれなくもないですけどその分装備とかは結構時間かかりますよ。」


情報の統制も厳しくなる。ただ・・・


「あるいは他のギルドでいいなら紹介はできます。うちと同じ小規模でギルド同盟を結んでいるギルドがあります。」


「できれば一緒がいいんですけど、無理ですかね?」


「そうですね。少し同盟相手と相談をしてもいいですか?あとその3人を今呼べます?」


「すぐに呼びます!」


そうして呼ばれてルリ、ユズハ、ナナという3人のプレイヤーがやってきた。話をしてみた感じ3人ともレイナと同じような感じだったし、受け入れ自体は問題ないかな。あとはジャスミンと相談してみよう。


「それではみなさん、今日の21時に指定の場所まで来てください。場所はリンさんから連絡しますので。」


「わかりました。よろしくお願いします。」


ちょっと疑り深すぎたかな?まぁ、隠さないといけない情報も多いし仕方ないよな。それじゃ、早速ジャスミンに連絡しますかね。

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