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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第1章 ユートピアオンライン1

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第29話 人馬分離の策

さて、とりあえずはどうやったら分離できるかを考えようか。多少回復されても1mよりも離してしまえばそれ以上回復されることはない。その後合流しないように馬の方を撃破すればいい。

問題はその方法だな。相手は2体とはいえあいつらの動きは完全に統制されている。多少離すくらいではAGI特化の馬を主人の基に返さずに葬るのは難しい。それにデュラハン本体の方も剣術のレベルは高い。魔法は使わないみたいだけど剣術だけでも十分に厄介だ。馬でAGIをカバーして自身は高いSTRを生かした攻撃で敵を葬る。そして長時間戦闘を続けていると、即死効果が付与されてさらにムリゲーになる。

多少距離をとれてもすぐに接近されてしまう。おそらくあの馬のAGIは今の俺よりも断然高い。{大物殺し}で俺のステータスは10%増しになっている。つまりAGIは1000を超えている。それでも相手の方が速いとなると、相当な速さだ。{虐殺者}ならどうにかできたかもしれないけど、あれはクールタイム中で使用できない。{大地の覇者(アーススプリーム)}ではおそらく有効打にはならない。馬と隔離して本体に直接叩き込まないと大したダメージにならないだろう。それに馬にダメージを入れれてもその上には本体が乗っているのですぐに回復されて無意味になってしまう。

{神速}と{暗殺者}は馬が近くにいる限り物理無効なので完全に無意味だ。

もしあのデュラハンの本体に物理攻撃による物理法則が適応されるなら話は変わっていたかもしれない。馬の脚を落として回復しきる前に本体を殴り飛ばすことができるかもしれない。ただ、このデュラハン、無効化した攻撃に関しては完全になかったものにされているという表現が正しいだろう。効いていないのではなく、こいつに命中する物理攻撃が存在しないという表現が正しい。

馬に乗って駆けている姿を見ると、物理法則そのものが無効化されているわけではないようだ。多少慣性の影響は受けているみたいだし無効化するのはあくまでも物理攻撃による物理法則。もしかしたらあれならうまくいくかもしれない。


俺はデュラハンが剣を振り下ろすタイミングで最高速まで一気に加速、それからスキルを発動!


「スキル{大地の覇者(アーススプリーム)}」


その効果で地震が発生。ただ、環境の影響を受けないのか馬は高速でこちらに向かってくる。ただ、デュラハンは剣を振り下ろした直後、走り出すまでにわずかにラグが生じる。そして俺の基にたどり着く前に{大地の覇者}の2段階目の効果剣山大地が発動。

それと同時に俺はデュラハンに一気に接近。

剣山大地によって馬はくし刺しにされ、効果が切れるまでは行動不能。ただ、高速で移動する馬が急停止するとその上に乗っていたデュラハンはどうなる?

そう、進行方向に投げ飛ばされる。俺はその進行方向からわずかにそれた位置に待機、そしてデュラハンが来たタイミングでデュラハンを馬とは反対方向へ殴り飛ばす。物理法則が有効になっているらしく、かなりの距離飛んで行った。ただ、このタイミングで剣山大地の効果が終了、馬が動き出す。ただ、馬と本体の間には俺がいる。さぁ、どう動く?

やっぱり俺を避けて主人の方に向かうよな。俺だってそうするさ。だから先に回り込むことが出来る!

何とか速度に食らいつき、足を1本切り落とす。足の先の方しか切れていないものの、さっきの跳躍力を見る限りここから飛んでも本体までは少し距離がある。このまま攻撃を叩き込めば倒し切れる!

今度は対角線上にある脚!

よし、うまく切り落とせた。これで動くことは出来ないだろう!本体がこっちまでくる前に片をつけなければ。でないとすぐに回復されて、スキルを晒しただけになってしまう。


ん?なんだ?背後にいる本体が不気味な動きをしている。なぜ、愛馬がピンチなのにあんなにも動きが遅い。剣を振る速度からしてあんなに動きが遅いほどAGIも低くはないはずだ。なんだ?とてつもなく胸騒ぎがする。


「{グラッジ・シャドウ}」


スキル発動!?あいつスキルを使用できるのか!しかもこれは本体のスキル。早くしないと何をされるかわからない。先に馬にトドメを!


は?後ろに意識を飛ばしていて気が付かなかったのか?いや考えすぎていた?違う。あいつがこの一瞬で俺の目の前まで移動してきたんだ。どうやって?あいつの姿は直前まで背後の離れた位置にあった。グラッジシャドウといったか。シャドウってことは影を移動してきたと考えるのが妥当か。つまり、影を移動して来て自身が受けた攻撃に応じた攻撃をするといったところか。グラッジは確か恨むとかいう意味だったはずだ。

攻撃が来る前に完全に動きは止めた。{不壊}が発動している。俺に攻撃は通せないはずだ。大丈夫。自分を信じろ!

デュラハンが拳を俺にたたきつけてくる。もちろん俺にダメージは入らない。そう思われた。だが現実は違った。俺に与えられたのはダメージがない時特有の痛みを伴わない振動ではなく、痛みを伴う振動。それも{不屈}が発動するほどのダメージ。つまり一撃必殺のダメージだ。

俺は慌ててその場を離れる。まさか本体だけでなく、馬のダメージまで概算してその恨みをダメージとしてぶつけるってのか?幸い箱は破損してないけど、このままだとやられるな。攻撃をかわすこと自体は簡単だが、今のに関してはなぜか回避行動に移れなかった。次これを使われたら終わりだな。けど、逃げるわけにもいかないよな。こいつがここのボスとしてはびこっているのも俺が原因なわけだし。

けど、こっちのスキルを全部晒した上に合流して回復されちまった。ここからどうするか。正直俺に切れる手札は残っていない。

でも、一つだけ気が付いたことがある。こいつは口がないことでスキル詠唱はできないはずだ。つまり、どこかに首があってそいつがスキルを発動させている。しかもその首の在処の見当がついた。さっきのスキル詠唱、背後にいたはずの本体が放ったように感じたが、よく思い出してみると違う。あの声が聞こえてきたのは前後左右どの方向でもない。

下だ!

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