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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第3章 ユートピアオンライン2

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第284話 ロキVSロキ

ジャスミンがコピーできるのは俺のスキル、それに関する知識、身に着けた防具・アクセサリー類の3つはずだ。その証拠に向こうがダークサイスを取り出す様子はない。ただ、向こうは向こうで戸惑っているはずだ。通常近接戦の武器を扱う場合それ専用のスキルを習得する。例えばネイの扱う刀などは{刀術}というスキルが存在しており、それを習得するだけで、最低限刀を扱えるようになる。

各武器種にこのような基礎スキルが存在していて、これはパッシブスキルなので、常時発動する。そしてこれの問題な部分が、相手に能力を見破るようなスキルがあった時に武器を隠していても何を使うのかバレてしまうこと、そしてこれがないと最低限の扱いすら難しいことだ。

{刀術}を例に出すと、その辺の一般人が{刀術}スキルをとった状態と、リアルの方で日本刀の師範的な人が{刀術}スキル無しで戦ったとしても互角程度ということだ。もちろん後者が{刀術}スキルをとればさらに動きがよくなり強くなるわけだが・・・

そして最も大事なのはここからだ。ネイはいろんな武器を扱う以上様々な武器の基礎スキルを持っている。そして俺も双剣、杖、鎌と3種の武器を扱うわけだが、俺が持っているスキルは双剣を扱えるようになる{双剣術}スキルと魔法系統スキルを扱えるようになる{魔術}スキルの2つだけだ。

ゲームをスタートするにあたって1つは自分で選んだ初期の武器に合わせて勝手に付与され、あとから足していく分にはいくらでも足していくことができる。だからこそ複数の武器を扱うプレイヤーは情報戦においてそれをブラフに使うことができる。

早とちりしたジャスミンは自身の双剣を取り出す。そして俺が取り出すのはもちろん・・・


「え・・・?」


「そんなに驚いてどうしたの?」


「いえ、まさか鎌を使ってくるとは思ってなかったからね。あんたのとこの実力者は剣の系統だからね。」


「まぁ、これが一番得意だとしか言えないかな。ほら、行くよ!」


俺が取り出したのはダークサイス、それも大鎌の状態のものだ。ダークサイスの禍々しい見た目にロキのアバターについている角としっぽ。まるで死神と悪魔を足したかのような姿だ。

ただ、対人戦でこれを出すのは初めてだ。かなり練度を上げてきたつもりだが、初見殺し込みでどこまで対応できるか・・・


「スキル{霞流連斬}」


なるほど、大鎌使いなら確かにそれはクリティカルに刺さる攻撃だね。でも・・・


「スキル{神速}」


AGIを上昇させ相手の間合いから脱した。だが、さすがだ。俺のスキルの中からあっという間にクリティカルに刺さるものを選んでこちらの動きを見てそこからさらに研究し、確実な一撃を刺しに来るだろう。

これは、俺が負けたら終わりだな。ロキにあいつらで勝てるわけがない。


「やっぱりそう出るよね。それならスキル{轟炎の呪}」


俺ですらまだ出していないスキルを使ってくるなよ。{轟炎の呪}は専用の紙に魔力を流し燃やすことで発動可能になるスキル。{召雷の呪}同様高威力なスキルだ。俺の防具に炎系統の無効化がないからこれを選択したのだろう。魔力消費が激しく、通常の魔法使いなら連打出来ないこのスキルも{魔神化}の影響でお互い打ち放題だ。

だが、{轟炎の呪}以外に効果的な魔法スキルはないはずだ。残りの魔法はすべて防具やアクセサリで対策済みだ。そして{轟炎の呪}に必要な紙は所持アイテムな分相手が使えるのは装備品に忍ばせていた3枚のみのはずだ。

{神速}状態の俺が回避できないわけもないが、ステルス状態の俺を炙り出すためだろうな。大胆な作戦だ。


「そこね!{神速}」


向こうも{神速}だ。そりゃそう来るよな。だってそうでもしないと近接戦闘が成り立たないんだから。


だが、ステルス状態で敵の位置がわからなくなった程度で負ける俺ではない。だが、これ以上パンドラと共通のスキルを出すのは控えたい。向こうもわかってくれているはずだ。だからこそこっちの秘密を隠して弱みを握ろうとしているのだろう。

だからここはこちらのステルス解除と同時に止まってあえて{反撃領域}の雰囲気を演じる。それだけで突っ込んでくるか、いったん止まるかの2択を迫られる。どちらにしてもジャスミンにとっては自分に利のない選択だ。

一旦静止・・・

突っ込んでくる!向こうは双剣、それを踏まえたうえで到達直前でこちらも鎌を分裂させる!タイミングは勘が全てだ。




今だ!


キィィィィィィィィン


刃がぶつかり合う音がする。それと同時に相手の姿が現れる。そして少し打ち合ってる間にこちらの速度上昇の効果時間が切れる。


「さぁ、{神速}が切れてどう戦う?」


「まぁ、この程度なら捌けるし。それより{反撃領域}は出さないで。これ以上あれと共通のスキルがバレたくない。」


「でしょうね。使っても問題ないならさっき使ってるものね。乗ってあげる。その代わり後でお話しましょ。」


「もちろん。弱みを握られてるのも嫌だしね。」


裏の会話は小声のため配信には映ってないはずだ。


「それにしてもくこれを捌き切るね!こっちの{神速}も切れたことだし、さらに火力を上げるよ!スキル{双龍剣術・昇龍の舞(のぼりりゅうのまい)}」


知らないスキルだ!この状態で自分のスキルまで使えんのかよ。しかも流派を持つ剣術スキルだ。これは対処法も知らない上に入手難易度が高い分通常の剣術スキルに比べて威力の桁が違う。比較的入手がしやすい{霞流連斬}でもあの威力だ。それよりも入手難易度も高いとなると・・・


まるで舞を舞うような動きの中とてつもない連撃が襲い掛かってくる。これは捌くだけで精いっぱいだ。危険はあるがあれをやるしかないか。

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