第271話 最強の姉弟
それぞれ使用感からスキルを決めようということになり、スキルが確定しているルナと戦闘メインではないハンス以外は闘技場のモンスターで新しい武器を試すことになった。まずはレントルだ。
「それじゃ召喚するね。」
レントルが指定したのは群れで襲ってくるグレーウルフだ。
レントルが弓を放つと普通の弓と比べてやが圧倒的に速い。風の魔法を併用することで加速させてるのか。あれは反射神経じゃよけれないな。
そしてレントル自身の技術もすごいな。かなりの高速射撃な上全部当てている。20体いたグレーウルフもあっという間に全滅してしまった。グレーウルフはそれなりに耐久自体はあるはずだが、全部1発で仕留める火力まであるとは。
「すみません。ロックビーストを召喚してもらえますか?」
「オッケー」
ロックビーストはグレーウルフとは比較にならないほど高い耐久力を持っており、基本的には魔法で攻略するモンスターだ。レントルの弓は魔法をまとっているが、ロックビーストに効果は薄いはずだ。的は大きいし動きは鈍いから負けることはないだろうけど。
シュッ ゴン サァァァァ
弓の弦が空を切る音が聞こえた直後衝撃音に加え何かが崩れるような音がした。ロックビーストを見ると岩でできたその体が崩れ去っていく。まさか一撃で倒したのか!?
「うん、やっぱりすごい威力ですね。」
「ほんとすごいね。ロックビーストには魔法がこもっていても物理攻撃は効果が薄いはずなのに。」
「本当にゲルマさんの作ってくれる武器はすごいものばっかりですね。ゲルマさん、{生成}のスキルの護符はありますか?」
「あるぞ。{生成}をつけるのか?」
「はい。魔力を消費して矢を作り出せればさらに速く撃てるようになると思うので。」
「確かにな。ほら。これだ。」
レントルは護符を受け取ると早速武器に{生成}のスキルを付与した。魔力を流し、スキルを発動させることで自動的に矢が生成される。クールタイムはなく魔力があれば無限に使える上に魔力消費も1で5本生成できるため大した量ではない。
「次は私ね!」
ユイユイがモンスターに対峙する。ユイユイもレン取ると同じくグレーウルフだ。倒したらロックビーストも召喚するよう頼まれている。
「スキル{多重詠唱}{魔力弾}」
おぉ!次に発動する魔法を多重使用できるスキルに元々10発の追尾効果持ちの魔力弾を発射するスキルを合わせてグレーウルフを1発で殲滅するとは!さすがユイユイ、潜在能力は高いね。さて、ロックビーストはどう処理する?
「スキル{多重詠唱}{石弾}{硬度圧縮}発射!」
おぉ!!さっきの{多重詠唱}に加えて魔法で生成された岩の弾丸を{硬度圧縮}で2つの席弾を合わせた上でさらに圧縮して威力を数倍に跳ね上げて一撃で貫くとは・・・
やっぱりこの姉弟バケモンレベルに強いかもな。もちろん単純な強さなら神化を持っているプレイヤーに勝てないだろうけど、頭の回転も速いし、スキルを完全に使いこなしてる。多分大規模ギルドの幹部レベルでも2,30人くらいなら2人で倒し切れるだろうな。




