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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第3章 ユートピアオンライン2

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第256.5話 運営の苦難

時は少し遡りパンドラたちがドルドワロウを討伐してサイリアの街に向かった頃。ドルドワロウが撃破された場所に2人のプレイヤーが現れた。男女2人組。そのうち男の方の名はガラルドラ。ユートピアオンラインを運営するシルクゲームズのユートピアオンラインにおけるゲーム調整の責任者。女の方はこの世界そのものを作り出したシルクゲームズの中でも最もユートピアオンラインに関する実権を握っているといっても過言ではない。名はヴィオレイル。


「どうやら本当に倒したみたいだな。」


「信じられないわね。この私が作った最強のボスのうちの1体よ。ユニークプレイヤーとはいえ無茶苦茶よ。」


「その原因になる{虐殺者}とかいうスキルを作ったのはどこの誰だったやら。」


「もちろんそれで倒せないように作ったわよ。でも外の魂を全部倒し切るなんて思わないじゃない!」


「まぁ、わからんでもないが、バグやグリッジを使用していない正式な撃破だ。報酬はどうする?あれを今取られるのはまずいんじゃないか?」


「仕方ないでしょ。報酬を運ぶNPCを今更止めることなんてできないんだし。」


「それもそうか。で、お前の見解を知りたい。俺たちの元にあるのは会話を除いたこの戦いにおける全データ、そこからあのプレイヤーたちが何者であるか。」


「ネイはプロプレイヤー高橋寧々なのは分かってるけど、問題はパンドラよね。他のゲームで聞き覚えは?」


「ちょっと前にファザオンでレジェンドプレイヤーが増えたらしいんだよ。」


「へぇ。キキョウがレジェンドプレイヤーになったとこまでしか知らなかったわ。」


「それで、そのレジェンドプレイヤーがパンドラと名乗ったらしい。それもキキョウの推薦で出場したと。」


「となるとあの2人はファザオンのレジェンドプレイヤーで間違いなさそうね。あとはゲルマとかいう狂人と{獣神化}を獲得したリンっていうプレイヤーね。」


「{獣神化}にしろ他の”神化”にしろ簡単に撮れるものではないし、そもそもその系統のスキルに関する情報を出してさえいない。それは今回のアップデートで大々的に公開する予定だったものだしな。」


「そう。それなのにあのギルドは”神化”を4人がそして神術まで取られてる。」


「まさか本当にDEX極振りするようなプレイヤーが現れるとは想定がだろ?」


「まぁそうね。さらに厄介なのがSTR極振りのプレイヤーとの親交がある様子なとこ。あれもそのうち神化を獲得することになるだろうし。ほんとパンドラの箱は問題しか起こさないわね。」


「ギルド武器も無法な性能だし、流石にそろそろ何か調整を入れるべきじゃないか?」


「そんなことできるわけないってあんたも分かってんでしょ。私たちにできるのは彼らに悪用されないようゲーム調整をすることくらいだよ。」


「まぁ、そうだな。で、何か企んでる様子だがどうするんだ?」


「そうね。ちょっと見に行ってみましょうか。報酬を届けるために用意したNPCを一旦停止させたわ。せっかくだし、情報収集も兼ねてNPCのフリで届けに行ってくるわ。」


「そんな無理やり止めて大丈夫か?まぁ、バレないようにな。」


「誰にいってんのよ。」

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