第256話 天災討伐の報酬
依頼人であるNPCへの報告は意外とすんなり終わった。何か特別なリアクションを取るでもなくドルドワロウの消滅が確認できたこと、報酬はこのあと1時間以内にギルドホームまで送ってきてくれることを説明された。
「意外とあっさりだったな。」
「だね。でも報酬ってなんだろ?いくらでも弾むっていってた割には事前に準備されてた感じでなんか妙だよね。」
「まぁ、仕方ないんじゃない?ゲームである以上報酬を自由に設定できたらバランス崩壊だし、それにドルドワロウ関連の話を作り込みすぎててクリア後のNPC挙動まで手が回ってないって感じだったし。」
「高度なAIを組み込んでるっぽかったけど、ある程度は指示がないと動けないみたいだね。」
「そもそもクリアできるように作られたクエストなのか?普通のプレイヤーなら外側のアレを剥がすだけでも数千人集まってやっとできるかってとこだろ?」
「だね。パンドラの高速攻撃とゲルマの結界がなければ負けてただろうしね。」
「まぁ実際のところどうかなんてわからないけど、勝てたからいいじゃん。」
「それもそうだな。」
「そうね。それじゃ戻って報酬とやらを待ちましょうか。」
ギルドホームに転移すると先に戻っていた先生とリン、そしてさっき入ってきたところだというヴァルとミルナが談笑していた。
「おかえりー。倒せたみたいでよかったよ。」
「大体の話は2人から聞いたが、そんな化け物を倒した報酬ってなんだったんだ?」
「それがさー、1時間以内にここに持ってくるっていってたんだよね。」
「なんだそりゃ。まぁ、気になるし俺は一緒に待たせてもらおうかな。ミルナはどうする?」
「それじゃ私もそうしようかな。」
そんな会話をしてからみんなで喋りながら40分ほどが経過した頃ギルドホームの扉が叩かれた。




