第249話 ドルドワロウの結界
『グォォォォォォォォォォォォ』
なんだ!?ドルドワロウか!?
「なんだ今の咆哮!?」
「わかんないけど、何かありそうね。」
ドルドワロウの動きが完全に止まっている。これまではそこまで速くないとは言え動いていたのに。
「止まってるけど、倒したって感じじゃなさそうだね。」
「どうするのみくねぇ?」
どうするって聞かれてもな。こいつがどう動くかがわからない。
「一旦攻撃の手を止めて様子を伺おう。死なないようにね。」
「賢明だね。こいつの強さがわからない以上無理はしないほうがいい。」
現状まだ動きはない。ただ、少しずつだが姿が変わってきている。ドス黒いスライムのような見た目だったのがその黒い瘴気のようなものが徐々に剥がれていき、中身が見えてきている。
「おいおいこれ倒せるのかよ・・・」
その姿を表したドルドワロウ。それは最大サイズの地底の遺物とほぼ同じ大きさの羽の生えたドス黒い化け物だ。顔のようなものもあるがその大半が禍々しい口でできており、目らしいものは見当たらない。腕は4本あり、腕と足の爪はかなり鋭い。今のネイとリンの装備じゃ一撃だろう。
そして何よりもやばそうなのがその胴体、心臓部だ。禍々しい紫色の光を放ち、ビームでも撃ってきそうだがそこは結界で覆われている。
「弱点は心臓だね。」
「ぽいね。あの結界をどうにかしないと干渉もさせてくれなさそうだね。ネイ、あれお願い」
「はいはい。スキル{虐殺者}」
パンドラの箱の効果によって発動されたスキル{虐殺者}結果は・・・
「ダメみたいだね。スキルの使用自体ができていないからあの結界に阻まれて魂の認識ができてないんだと思う。」
「ってことはあの結界は外部からの一切の干渉を拒んで、内部から外部への干渉は発生しないと言ったとこかな?」
「それやばいんじゃないの?」
「リンのいう通りだ。こいつはやべぇ。正直俺は逃げ出したい。」
「キキョウが受けた依頼でしょ。弱音吐いてないでやるよ。まずは結界に攻撃してみるよ。みんなはやられないように回避と外部から見て何か情報がないか観察してて!」
言い残して結界に接近し、攻撃を加える。予想通りではあるが、結界に攻撃は弾かれ傷一つつけることができない。結界にヒビくらいはいると思ってたけど、そんなに甘くはないみたいだ。この様子だと魔法でも意味がない。そして神化をした現状と通常の状態にステータスの変動はない。ただ、ステータスを解放したとして攻撃が通るようにも見えない。おそらく何かこの結界を構成するカラクリがあるんだろう。
なんだ?結界内部が光って・・・
!?本当にビーム飛んできやがった!全く、回避できてなかったら死んでたかもな。威力が半端ない。次は一旦ビームに気をつけつつ、むき出しの肉体を攻めてみるか!




