第244話 助っ人
「これ本当に倒せるんだよな?」
「そんなのこっちが聞きたいよ。あんたが受けたクエストでしょ。文句言わずに殴るしかないでしょ。」
「そうだけどよー」
「キキョウが文句言いたい気持ちもわかるけど、運営はクリアできると見込んだ上でこのクエストを作ってるし、キキョウに受注させたんでしょ?じゃあその期待には応えないと。」
「それもそうか。でも俺の攻撃意味あるか?」
「なさそうだよね。」
「あんまはっきり言ったらキキョウが可哀想でしょ。それにネイと私は高速戦闘が得意だからこうやって高速撃破できてるだけなんだから。」
「でも私サシならこいつに負けないけど。」
「まぁ、認めたくはないが、相性が良くないからな。」
「そもそも武器性能がダンチじゃん。それで比較しても意味ないでしょ。」
ピロン
「誰?」
「先生から。今ヴァルに弾丸預けたからすぐ着くだろうってさ。」
「流石ゲルマ、速いね」
「結構な量の鉄持って行ったんだけどな。」
「どのくらい?」
「弾丸に換算すると20万発だな。」
「それをこの短時間で作るって、やっぱゲルマも大概だよね。」
「まぁ、あれでもこのゲーム唯一の神術スキル持ちだからね。」
「本当他の神術スキルがあるとして自分に取れるとは思えないもの。」
「それは確かに。そもそも極フリが戦っていけるゲームじゃないしね。」
「本当エグい化け物と戦ってんな。」
「私たちも手伝おっか?」
「ヴァル!ミルナも一緒だったんだね。とりあえずキキョウに渡してヴァルは手伝って欲しいかな。ミルナは後方支援とキキョウとガトリングの制御をお願い。」
「俺は戦力外扱いかよ。」
「仕方ないじゃん。相性悪いんだから。」
不服そうな顔をしながらもミルナとガトリングの方へ向かって言った。
「で、これはなんなんだ?」
「キキョウを指名のクエストだね。クリア条件はこいつを倒すことで、こいつは無数の魂の集合体って感じ。1回殴ってみて。」
「分かった。」
「なるほど。一撃ごとに撃破リザルトが3つ出るものの状況は変わらない。魂の集合体であるならば魂1つを撃破したって感じか?撃破リザルトの表記も記号的だし。」
「多分それで合ってる。で、この巨体を倒しきらなきゃいけないって感じ。」
「ちなみに今何回ぐらい倒してるんだ?」
「私は2万くらいかな。」
「私は大体40万だね。」
「相変わらずバグってんな。どうせ最初の写真とかあるんだろ?見せてくれ。」
「はいこれ。」
「今で大体3割いってるかどうかって感じか。となると150万ってとこか?」
「そのくらいじゃないかな。まぁ、1時間ちょっとでこれだけ削れてるし、ヴァルもきてくれたし、ガトリングもあるからちょっと時間かかるけど終わるよ。」
「まぁ、頑張るか。この結界は?」
「さっき殴った時撃破リザルト3つ出てたでしょ?あれ元々1つなのを結界で変えてるんだ。」
「そういうことだったのか。でもお前の{反撃領域}とは相性悪くないか?詳しくないけど確かあれ結界扱いだろ?」
「そうだけど、そうじゃないね。{反撃領域}って結界扱いではあるんだけど、外部の影響を遮断する効果がないんだよ。むしろ逆で外からの攻撃を誘い込んで反撃するスキルだから。」
「それじゃ外からの結界効果も有効なのか?」
「そゆこと。」
「ますます化け物になっていくな。ちなみに1回で何回ヒットするんだ?」
「攻撃回数が3万回だから9万だね。」
「えぐ。ってか腕10本で3万ってことは腕1本につき1秒あたり1回攻撃してるのか。」
「大体そうなるね。」
「ほんとに末恐ろしいよ。お前が敵じゃなくて良かったと心から思うよ。」




