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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第1章 ユートピアオンライン1

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第24話 4・5人目のギルドメンバー

「ギルド?あぁ、イベントの報酬で先行実装されてるんだっけ?」


「そうなの?それじゃ、もうギルドを作ってるってこと?」


「うん。知り合いも少ないし、今のところ3人しかいないんだけどね。最低でも5人は集めたかったんだけど、気楽に話せる人がいいなって思ってたのと、私がミミックっていうので集まらないんだよね。」


「ギルドに入ると何か特典的なものがあるのか?」


「もちろん。まず、拠点が固定される。どこで死んでもリスポーンポイントはギルドホームになる。あと、ダンジョン内とか、一部の戦闘を除いた戦闘中でも使用可能な転移ポータルが使えるようになるかな。転移先はギルドホームだけなんだけど、それでも危険な時に退避できるっていうのはでかいんじゃない?このゲームデスペナルティ重いし」


「確かにそれは魅力的だな。ギルドホーム内では戦闘もできないからくつろぐスペースもできる。ギルドホームの場所は?」


「それは入ってくれるのを確約してくれないと教えられないよ。今私から教えられる情報はあと一つだけ。」


「それは?」


「ギルドメンバー全員に個室が用意されているってこと。ほかのホームがどうなってるのかはわからないけど、私たちのホームには個室が準備されてる。それも人数分の個室がね。」


「それは確かにありがたいな。ゲーム内にもプライベートの空間ができる。」


「確かにすごくうれしいかも。私も個室は欲しいな。」


「ミルナは賛成か。俺も賛成したいところではあるが・・・」


ヴァルがこっちを見つめてくる。何か品定めでもしているような顔だ。少しして大きなため息をつくと


「最後に1つ確認をしておきたい。お前は何者だ?ごく普通のプレイヤーがユニークになったというには少し無理がある。まるでもプロでも相手にしてるような気分だ。」


「ヴァル君、それってどういう意味?」


「そのままの意味だよ。パンドラと話していると、まるでプロゲーマーを相手にしているような感覚になるんだ。」


「何でそう思ったの?」


純粋に気になった俺はその理由を尋ねてみる。答えてくれるかはわからないけれど。


「単純な話だ。あんた交渉があまりにもうまい。ミルナは気づいてないみたいだけど、これで俺たちがギルドに加入したら、あんたは俺たちの町の案内や門番からの救出を実質タダでしてもらったことになる。それどころかおつりがくるレベルだろ?あんたのギルドは戦力を増し、あんたから教わった情報はギルドの役にも立つ。いくら何でも交渉術が慣れているゲーマーのそれだ。しかもそこまでの流れがあまりにも完璧すぎる。」


「すごいね。そこまで気づくってことはヴァルもそれほどのゲーマーってことだね。確かに私はゲームが好き。だけど、MMO系のゲームは久々だし、プロでもないよ。ただの高校生。それだけだよ。」


「キキョウと一緒にいたってことは同じタイプか?」


「まぁ、似てるかもね。違うのは私はしばらくゲームを離れてたってこと。キキョウとはリアルでも仲いいんだよ。」


「なるほどな。引っかかるところはあるけど、まぁいいや。ギルドに入らせてもらうよ。」


「私もヴァル君についていくよ!パンドラさんとももっと仲良くなりたいし。」


「よろしくね、ミルナ、ヴァル。ギルドホームに案内したいんだけど、ちょっと待ってね。先にキキョウに連絡するから」


『ギルメンが2人増えた。俺がイベントの時に知り合ったカップルらしき2人。2人ともそれなりにやれると思う。』


『資金集めはどこへやら。まぁ、メンバーが増えるのは良いことだし、案内しといてくれよ。俺もあと10分くらいで戻るわ。』


キキョウの方はこれでオッケーかな。


「よし、それじゃギルドホームへ向かいましょ。ヴァルさん。座標転移でディクティオンの百穴まで行けます?」


「いけるけど、あの付近なのか?」


「そう。いけるんだったら私もパーティー登録して一緒に飛んでほしいんだけど。私座標転移使えないから。」


「そりゃ不便だな。いいぜ。それじゃとりあえず会計だけよろしく。」


そういって飲食の請求画面を俺に押し付けてきた。まぁ奢る約束だしな。


「支払いおっけー。それじゃ外出ようか。」


全員で外に出てディクティオン前まで転移した。


「相変わらず不気味だな。前来たときは理不尽ボスにやられたんだよな。」


「ガイアと戦ったんだ。私今あれのスキル使えるよ。あの地面からとげがいっぱい出てくる奴。」


「マジかよ。とんだ化け物だな。ってことはあいつ倒したのかよ。」


「うん。それじゃ中入ろっか。」


「ちょっと待った、ホームってディクティオンのなかなのか?」


「それってモンスターとか大丈夫なの?」


「大丈夫だよ。ボス部屋付近にモンスターはスポーンしないし侵入してこないでしょ?それと一緒。ほら行くよ。」


2人はしぶしぶついてきていたが、しばらくしてヴァルが話しかけてきた。


「なぁ、ほんとにギルドホームに向かってるんだよな。地龍ガイアのところに向かってるんじゃなくて。」


「そうだよ。というかこの洞窟内に地龍ガイアはもういないよ。」


「いない?どういうことだ?ボスとはいえ一度倒されたくらいじゃ消滅はしないだろ?」


「そうなんだけど、ガイアのいた部屋がギルドホームとして登録できたんだよね。だから最深部に向かってるってわけ。家具とかいろいろ揃えてるから個室以外は思ってるより快適だと思うよ。個室の家具はリスポーン用のベッド以外は自分で準備してね。」


「そんなところにもギルドホームってあるんだな。どうやったら見つけられるんだよ。」


「いやー、人型になれなくなったのと、新しいスキルを試したいのとでガイアと戦って倒したらギルドホームの内覧表示が出たんだよねー。」


「それは運がいいというかなんというか。っていうかその話が本当ならそこを曲がったらギルドホームにつくんじゃないか?」


「そうだね。ホームにつけば転移ポータルが使えるようになるから。申請の承認は済ませてあるから、もうギルドメンバーとしては登録されてるんだけど、このシステムだけが面倒なんだよね。」


「そうだな。一度ギルドホームまでたどり着かないと転移ポータルもリスポーンもできないとか結構面倒だよな。」


「私はそうでもないよ。初めての場所だからちょっとワクワクしてるよ。」


「初めてだとそうかもね。ほら着いたよ。キキョウも戻ってきてる。」


「あれがキキョウか。会うのは初めてだな。


「おーい!パンドラー」

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