第234話 近接戦闘
結局新人か?みたいなやり取りを繰り返して夜遅くになってしまった。全員と話せたし、まぁ、よかったかな。この姿の時は呼び方もロキで統一することにした。みんなこんなに協力してくれて、感謝だな。
「で、これからどうするの?」
「アップデートまでは人型での戦闘練習かな。これまで使ってたスキルを使っちゃうと同一人物だってバレちゃうからしばらくは近接戦の練習かな。ステータス制限の状態で人型で戦ったことないし。」
「それもそっか。どんな感じで戦うつもり?」
「まぁ、いつも通りかな。ステータス制限状態でもAGIは他のプレイヤーと比べても高い方だし、高速近接戦かな。」
「まぁ、それがいいね。」
「リンが前回麻痺の双爪だけで戦ってたでしょ?今回の対抗戦からはいつもの武器で戦ってもらって、私が麻痺の双爪を使った格闘家系の戦い方をしようと思ってる。」
「格闘ね。まぁ、ファザオンのレジェンドだもんね。」
「まぁね。ただ、本格的な近接格闘戦っていうのはあんまりやったことないからちょっと練習しないと。」
「高速なことが取り柄って感じだもんね。今回ので速さとスキルだけでは足りないこともあるって思い知らされちゃったし。」
「ネイに言われると余計負い目を感じちゃうんだけど。まぁ、その通りなんだよね。いろんな戦い方と合わせてプレイヤースキルも鍛えていかないと。」
「一戦やる?パンドラが装備つけずに私がAGI強化装備をフルでつければ一応AGIはほぼ同じになると思うけど。」
「いいの?」
「もちろん。まぁ、最近格ゲーやってないから鈍っちゃってるかもだけど。」
「それじゃお願いしようかな。」
ネイは準備を整え、ディクティオンの方のギルドホームへ向かう。あっちなら広さもあるし、多少壊しても問題ないからね。
「それじゃこのコインが落ちたらスタートね。私は殺してもいいけど、パンドラはギブの時は言ってよ。あと{不壊}は発動しないようにね。」
「わかってるよ。」
見た目だけだと圧倒的にネイが有利だ。俺は防具を一切つけていない。ネイはフル装備だ。ただ、これでようやくAGIと防御系ステータスが俺より少し低いくらいだ。攻撃やHPなどは向こうに分があるがこちらはDEXが高い分近接戦闘ではそこの差が少しだが出てくる。
つまりこの状態でようやく五分というわけだ。
コトン
「行くよ!」




