第216話 4種の精霊
{精霊神化}をしたネイの姿は元の服装から少し露出が増え、水色を基調とした服に水のような透明感のある羽衣を纏っている。
「すごくかわいいね。モデルはウィンディーネかな?」
「多分そうね。他にも何種類か姿があるみたいね。」
「見せてもらってもいい?」
「もちろん。それじゃ次は・・・」
ネイがウィンドウを操作するでも何か言葉を発するでもなく姿が変わり始めた。本人の意思がそのままスキルに反映されてる感じかな?
今度は全身に炎を纏った姿。服の布面積はほぼ0だが、その代わりに炎を纏っているような感じだ。
「今度はサラマンダーかな?」
「みたいね。これ服がないからちょっと恥ずかしいかも。」
「まぁ、側から見たら炎の服を着てる感じだけどね。」
「まぁ、そうかしらね。で次ね。」
今度は淡い薄緑色の服を纏った姿だ。服の印象もふわっとしていて、服の印象もそうだが近くにいると優しい風を感じる。
「シルフィード?だっけ?」
「多分そうね。シルフィードとかシルフとか言われるけど、風の精霊ね。」
「ってことは次は・・・」
「多分予想通りね。」
次の姿は肌の色が褐色になり、肌の露出しているところには数ヶ所オレンジ色の塗料で紋様が浮かんでいる。服もオレンジ色を基調とした感じで、ウィンディーネ同様少し露出が多めの衣装だ。
「やっぱりノームだね。」
「えぇ。それぞれ何かに干渉できるとか言ったわけじゃないけどね。」
「でも、シルフィードの時はちょっとだけ風を感じたよ。」
「だな。俺も感じた」
「そう?周囲にちょっとだけ影響を与えたりするのかな?」
「かもね。」
「にしても回った神殿のエリアと関連のある精霊ばかりね。」
「そうなの?」
「えぇ。最初に行ったのが火山の神殿、次が天樹の神殿、3ヶ所目が地底の神殿、で最後がパンドラに手伝ってもらった湖畔の神殿ね。」
「確かに火山はサラマンダー、天樹はシルフィード、地底はノーム、湖畔はウィンディーネだね。もしかしたら他にも精霊神関連の神殿があって姿を増やしたりできるのかもね。」
「それは楽しみかも。それに姿が複数あるってことはスキル効果が追加されるとしたら。」
「戦闘の幅がさらに広がる。それに姿を変える時に何か宣言する必要もウィンドウをいじる必要もないから。」
「相手の攻撃に対して急に姿を変えて属性相性を良くすることができるってことか。」
「そう。《向日葵之紅刀》と合わせるとさらに強力になりそうだね。」
「その分脳への負荷がきつそうだけどね。」
「ネイなら大丈夫でしょ?」
「さぁね。ここまで思考に頼った戦い方をしたことはないからね。」
「まぁ、いざ使うって時には私も一緒にいるから。」
「お願いね。」
「それにしても運営がこれだけ神化スキルを小出しにしてるってことは他にも獲得してるプレイヤーがいるかもな。」
「だね。でも1種につき1人だろうし大丈夫じゃない?」




