第211話 無理ゲー
レガシースケルトン強かったな。
それにしてもこれまでのエクストラに比べたら地味ではある。地底の遺物はもっとエリアに沿ったストーリー性を感じたし、シャドウマリオネットは名前通りの強さと能力をしていた。それに比べるとなんだか物足りなく感じてしまうな。
ただ、攻撃の威力だけじゃなく、数の暴力に初見殺し、そしてなによりアイテム使用不可という圧倒的な制限。強いモンスターメイクがなされているのは事実だな。
それにアンデッドモンスターにも関わらず弱点が魔法ではなく物理攻撃ときた。しかも魔力を帯びた剣でダメージが入らなかったのを見るに魔力そのものを阻害していると考えるべきだろう。
相手が骨だから斬撃も大して意味をなさない。ダメージが入ってないことはないみたいだが、骨を断ち切りでもしない限り大したダメージではなさそうだ。やっぱり弱点は殴打系の武器だろう。大抵のアニメとかマンガでもスケルトン系統に有効な物理攻撃は殴打系だと相場が決まっている。ユーオンのスケルトン系統のモンスターもその例に漏れない。一部の霊体属性を持つ、用は物理攻撃無効のスケルトンを除くと特殊属性を持たないスケルトン系モンスターの弱点は殴打と炎だ。
炎はアイテムが使用できず魔法が効かない状態で発生させることはできない。ただ、殴打ならどうとでもなる。問題はその方法と武器種だな。
殴打系となると棍棒、素手くらいしかないか。一応斧も使えないことはないが、人型の俺の体は小柄だから斧との相性は良くない。やっぱりナックル系の装備をつけて素手で殴りにいくのが一番か。
考えてるとキリがないな。まぁ、また明日恭平達と話すか。
「お疲れ。どうかしたか?」
「例のやつに関してどうやったら倒せるかなーって思っててさ。」
「あぁ。お前のことだ。どうせ考えすぎて寝不足だろ?」
「まぁ、あながち間違えじゃないけど。そんなことはどうでも良くて。何か考えない?」
「俺は戦ってないからわからんけど、正直無理ゲーじゃないか?{不壊}を貫通しないはずの攻撃で貫通してきたんだろ?んなもんバグみたいなもんだし、対策なんてできないだろ?」
「それなんだよね。{不壊}で防げるならいくらかやり用はあるんだけど、不可視の遠距離攻撃で{不壊}を貫通してくるし。」
「ちょっとまて。不可視なのか?」
「モノによるけど、不可視のものもあったね。」
「本当に無理ゲーじゃねぇか。」
「魔力を無効する能力もありそうだったから神聖魔法でも無理だろうし。」
「聞けば聞くほど無理ゲーだな。ただ、そこまで完全無欠だと何か弱点もありそうだな。」
「それはそうあってほしいけどね。これまでのエクストラの強さから考えると能力が普通なんだよね。」
「どこがだよ。」
「いや、なんていうか。突飛な能力がないんだよね。」
「言われてみればそうなのか?」
「地底の遺物はエリア全体を操ってたし、シャドウマリオネットは大量のモンスターと影を操ってた。でもレガシー・スケルトンは現状アイテムを封じるくらい。多分まだ何か隠し持ってるんじゃないかな?」
「そんだけの情報がある上でまだか?それだと本当に無理ゲーじゃないか?」
「でもさ、このゲームの運営って・・・」




