第203話 エクストラモンスター
「よし、そしたらなんでわざわざみんなに来てもらったか話そうか。ほんとはユーオンでも良かったんだけどな。」
「ん?何か事情でもあったの?」
「まぁ、お前らと話したいっていうのも本音ではあったんだが、本当の理由はこっちだな。」
「パンドラとキキョウ、あとはネイにも聞いてほしいな。他のみんなはちょっと自由にしててくれ。」
俺たち3人はヴァルとミルナに別室に連れて行かれた。
「で、話って何?」
「ちょっとユーオン関連で相談というか情報というか。」
「歯切れ悪いわね。何かあったのミルナ?」
「えーっとね。みんながギルド戦争だった日あったでしょ?あれの1週間くらい前かな?ヴァルくんと2人でウィザードスケルトンが時々落とす宝石が欲しくて絶望の墓場の探索をしてたんだけど、そこで隠しエリアみたいなとこに入って瞬殺されちゃったんだよね。」
「もしかして・・・」
「あぁ。エクストラモンスターだ。一瞬しか見えなかったが見た目は骨。ただ、まるでどこかの国王とでもいうかのような服に宝石があしらわれた装飾品を大量に身につけていた。名前はレガシー・スケルトン。エリア名までは把握できなかった。すまない。」
「それだけの情報を持って帰ってこれれば十分だよ。古代文明から生き続けているスケルトンの王様ってところかな?隠しエリアに入る条件はわかる?」
「さっぱりだ。何か特別なことをしていたわけでもないしな。」
「私たちはスケルトン系のモンスターを狩って行ってただけなんだよね。」
「メイジだけじゃないのか?」
「まぁ、数が多くてひたすら捌いていたって方がいいな。ちょっとスケルトンキングに敵対されてな。」
「あぁ、あのレアエネミーね。あれ厄介よね。」
「ネイ、戦ったことあるの?」
「えぇ。大量のスケルトン系モンスターを召喚するスケルトンの王様ね。滅多に遭遇することはないし、ドロップ品も大したことないから厄介でしかないのよね。私は接敵した時はスケルトンの数が増える前に倒しちゃったんだけど。」
「俺たちは少し離れたところで敵対されて近づくまで気づかなかったんだよな。」
「でも、そいつに遭遇してかつヴァル達と同じような状況になってるプレイヤーは他にもいるでしょ?」
「多分いるだろうな。だから他に何か条件があると思うんだが。」
「今の所情報は無しって感じだね。まぁ、エクストラモンスターに関する情報が増えるのはいいことだよ。今回見つけてくれたんだし、せっかくだから2人にはエクストラモンスターの調査を頼みたいんだけどいいかな?」
「俺はいいけどミルナはいいか?」
「いいよー。私たちに任せて!」
「それじゃある程度調査が終わったら定期的に話聞かせて。とりあえずは天空王国跡地かな。」
「あそこか。別の場所にできないか?実は俺たち2人とも高いところ苦手でさ。」
「いいよそれじゃ龍国跡地はどう?」
「わかった。俺たちもまだ行ったことないし、確かドラゴン系のモンスターが出現する場所だよな?」
「だね。特にワイバーンの出現率が高いらしいから滞空モンスターへの備えはしっかりね。ドラゴン系統となると魔法も効きづらいし。」
「わかってるさ。それじゃ絶望の墓場の件はそっちに任せてもいいか?」
「うん。一応こっちでも調査してみるよ。いいよね?」
「私は構わないわよ。」
「俺ももちろんだ。」
「それじゃ決まりだね。そっちもしっかり頼むよ。情報だけでも持ち帰ってくれればいいから。多分今のプレイヤーの状況だと先生みたいに特殊な状態にでもならないと勝てないとは思うけど、戦闘になったらできるだけ頑張ってくれると嬉しいな。」
「頑張りはするさ。な、ミルナ」
「私はヴァルくんについて行くよ」
「それじゃよろしくね。」




