第198話 拠点崩壊と未だ残る敵
「まさかマスターを倒してくるとは思いませんでした。それもユニークプレイヤー抜きで。」
「そうか?うちにはあんたらのとこの元幹部がいるからな。あんたのとこのマスターくらい余裕だっつうの。」
「そうですか。ですが、これだけの人数に囲まれて対処できるんですか?」
なんかイラつくな。一応こいつらをまとめてるやつみたいだけど。
「周りを見てみなよ。」
他の雑魚はこの会話のうちにほとんどすでにネイが撃破済みだ。一瞬なのによくやるぜ。
「何ですかこれは!?」
「だからネイがやったんだって。あんたも気をつけたほうがいいんじゃない?もう命に手がかかってるぜ。」
「は?」
その瞬間ネイが後ろから切り裂く。
「流石だな。一瞬で全滅とは。」
「ただ、終わってないとこを見るにパンドラたちの方が終わってないか、どこかに潜んでいるのかな?」
「気配は感じないけどな。向こうも勝てないこと分かってるだろうし、降伏するだろ。」
「終わったけど、キキョウたちがまだなのかな?」
「向こうは拠点まで落とす算段なんでしょ?もうちょっとかかるんじゃない?」
「でも{反撃領域}で5分は経ってるし、そろそろじゃない?」
『終わったが、そっちはどうだ?』
「キキョウたちも終わったみたいだね。ってことは隠密がいるね。」
「しかも降伏しないつもりって感じじゃない?」
「だね。多分毒霧対策はされてるし、どうしようかな。」
「みくねぇの{毒霧}って植物も枯らすんでしょ?それなら{毒霧}で枯らしちゃったら?」
「確かに。それが一番楽かな。それじゃスキル{毒霧}」
「あいつ{毒霧}使いやがったな。」
「まぁ、多分相手も対策してるでしょうし。それを分かった上でじゃないですか?」
「どういうことだ?」
「パンドラさんの{毒霧}は植物も全て枯らし尽くすでしょう?」
「それで相手の隠れ場所を奪うってことね。」
「おそらくはそうでしょう。」
「リン、何か見える?」
「いや、今のところは。」
「だよね。」
植物を枯らし尽くしたものの、人影らしきものは見えない。そこまで広いフィールドでもないのにそんなことあるか?
「人影が見えないな。」
「だね。向こうから見えてるのかな?」
「だったらもう死んでるだろうし、そもそもあいつの性格だ。とどめは俺たちの誰かにささせてくれるだろ。」
「確かにそうですね。では、向こうでも捕捉できていないのでしょう。」
「何か身を隠すスキルでも持ってるのかもね。一旦合流しましょうか。」
「一旦合流してみんなで探そっか。」
「うん。」




