第194話 リンの悩みと脅迫
「せんせーい」
「話はまとまったのか?」
「一応ね。状態異常の種類は麻痺になったよ。種類は決めてないけど。」
「それならこの間実験で作ったこれのマヒを採用したらどうだ?」
「この剣は?」
「電気系モンスターの持つ麻痺効果と麻痺蠍の持つ痺れ毒を掛け合わせて作ったオリジナルの麻痺効果が付与された剣だ。これなら現状の素材だけでもできるし、量産のための素材も大したものが必要ない。」
「新しい麻痺ってさすがというかなんというか。」
「まぁ、それはいいとして鉤爪で形状としては手袋で自由に出し入れすることができる。さっきの麻痺効果をつける。あとは破壊されないようにする。くらいか?」
「かな。お願いしていい?」
「もちろんだ。明日には試作品を完成させるから見にきてくれ。」
「ありがとね。それじゃ私は一旦落ちようかな。」
「ゆっくり休みな。ギルド戦争の準備に多少気を張ってるだろうが、気楽にな。」
こういうところはどこまでいっても先生なんだよな。
「ありがと。それじゃまた明日ね。」
そういえば今日は凛見なかったな。もしかしてインしてなかったか?
「みくにぃ、今いい?」
「どうしたー?」
「よかったー。ユーオンに入ってるかと思ってたんだけど、ゲルマさんに聞いたらちょうど入れ違いだったって言われてさ。」
「ごめんごめん。それで、何か用事?」
「ちょっとギルド戦争についてね。」
「友達のいるギルドなわけだし、気は進まないよな。」
「いや、そうじゃないんだけど・・・」
「何か言いづらいこと?無理しなくてもいいけど。」
「いや、うちが負けたら強引に向こうのギルドに引き抜くって向こうのマスターが言ってたっていわれて。」
「なるほどね。大丈夫だよ。今回のギルド戦争に参加するのはリン、キキョウ、ネイ、ハンスだけじゃないんだから。」
「そうなの?」
「もちろんだよ。みんなにもしものことがあった時のために俺だって後ろに控えてる。それにヴァルにも念のため来てもらうつもりだからさ。だからそんなことは気にせずに精一杯を出しなよ。今の凛の全力なら向こうのマスターくらい倒せると思うし。」
「そうかな?」
「そうだよ。だから自信を持って。パンドラの箱に敗北はない。ユニークプレイヤー:パンドラの名に誓うよ。」
「なんだかみくにぃらしいね。悩んでたのがバカみたい。ありがとね。」
「凛が吹っ切れてくれたなら何よりだよ。」
「あと、普通に相談なんだけど。」
「うん、どうした?」
「みくにぃってゲーム内じゃものすごく動けるしプレイヤースキル高いじゃん?」
「だね。」
「それって何かコツとかあるのかなって。」
「これに関してはフルダイブVRっていう環境が自分に合うかどうかってことと、慣れだからね。でも俺視点、凛はうちの中でも十分にやっていけるくらいに才能もあるし、慣れるのも早いと思うよ。うちのギルドに異常者が集まってるだけだから。」
「そうかな?」
「そうだよ。凛はもっと自信を持たないと。」
「うん!わかった。ありがとね。」




