第193話 麻痺とパンドラの腕
「鉤爪ですか?」
「そう。レントルとヴァルにも意見をもらいたいなーって思って。」
「俺は賛成だな。戦闘の幅が広がりそうだし。」
「僕も基本的には賛成なんですけど、お姉ちゃんとかミルナさんみたいな魔法を使うメンバーがどうかですね。」
「正直なところそっちのメンバーのサポートがメインなんだよね。」
「そうなんですか?」
「そうそう。接近戦に持ち込まれた時に一撃入れるだけで状態異常を入れて隙を作るためのものって感じかな。」
「なるほど。それなら魔法使いにも使いやすく、かつ使い勝手もいいですね。接近戦が得意なみなさんもデバフ武器として使えば戦闘の幅が広がりそうですね。」
「うん。それで、どんな状態異常がいいかなって思ってね。魔法使い組よりも遠距離物理がメインのレントルに聞きたいと思ってさ。あと、鉤爪と相性が良さそうなヴァルにもね。」
「確かに、俺の戦闘スタイルと状態異常は合うし、短剣を使っている以上相性はいいだろうな。」
「ですね。僕としては毒対策はされていると見て麻痺か弱化、鈍化あたりがいいかなと思うんですけど。」
「俺も同感だな。麻痺はスキルによって特性も変わるし、対策が難しいから麻痺がいいんじゃないか?」
確かに麻痺の状態異常は使用モンスターの性質によって特性も対策も違う。その分低性能のものが多く、高性能のものを使うモンスターはボス級のものしかいない。
「それじゃ麻痺がいいかな。種類としては高性能かつ珍しいものがいいかな。」
「だな。そうなると素材集めが大変そうだが・・・」
「それは私とキキョウでやるからいいよ。」
「それと一つ気になったんですけどいいですか?」
「いいよー。意見はたくさんあった方がいいからね。」
「意見というか、疑問なんですけど、パンドラさんが装備したらどうなるんですか?」
「確かに。気になるな。」
「えーっとね。多分だけど、腕が10本あって装備スロットは人型の状態が参照されてて両手の2つしかないんだよね。で、私の腕って元々あった2本と拡張した8本に分かれてるから元々あった2本に装備されるんじゃないかな。武器を持つことはどの腕でもできるんだけどね。」
「そういえばそもそも当たり判定がないんだったな。」
「だね。だから防具類はつけれないと思うよ。仮につけれたら指輪が他の人の5倍つけれることになるし。」
「確かにそれだと無法ですもんね。」
「確かにな。」
「それじゃ私はちょっと素材とかを確認したいから先生に話してくるよ。」
「おう。完成を楽しみにしてるぜ。」
「うん。キキョウとネイと先生以外はまだ知らないから秘密にしといてね。」
「はい。」
「おう。」




