第181話 注意とお茶会
「おかえりー。どのくらい上がった?」
「1時間半くらいやったんだけど、いくつだっけ?」
「35だね。」
「結構上がったね。それで、何をやらかしたらそんな表情になるのやら。」
「ちょっとね。」
「話してみなさいな。」
「ネイにしては珍しく優しいね。」
ギルドホームに戻るとネイが声をかけてきたが、リンの表情の曇りに気がついたようだ。さすがだな。
「うるさいわね。それで、何があったの?」
「ちょっとりんの友達と会ってきたんだけど、明らかにこっちに接触してこようとしてる感じだったんだよね。それを話したら」
「わざわざリンちゃんに言わなくてもいいじゃないの。気遣いできないの?」
「反省してます。」
「まぁ、今後その子に情報を抜かれないようにっていうことなんでしょ?リンちゃんには酷だけど、ユーオン内ではその子のこと警戒しといた方がいいかもね。で、パンドラが警戒してる理由を聞かせて」
「一つはリンの友達だっていうのに私をみた途端リンを無視して私とばかり話してたこと。」
「確かに不自然ではあるし多少警戒することではあるけど、他には?」
「『完璧』のメンバーだった。」
「そういうことね。例のピアスつけてたってわけだ。」
「うん。紙で隠れててほぼ見えなかったけど、髪が揺れた時に一瞬ピアスが見えた。色とかデザインはパッとみただけだけど、かなり似てたね。」
「それはほぼ確定だろうね。あれに似たデザインのピアスって市販品にないし。」
「ね。流石にこのタイミングの『完璧』のメンバーの接触は避けたいでしょ?」
「情報渡してないでしょうね。」
「リンがうちのメンバーっていうことと、話した時点でりんのレベルが25だってこと、あとは見た目からわかる情報くらいかな?」
「だね。それ以外は特に話してないと思うよ。」
「2人がそういうならいいけど、今後はできるだけ接触されないように気をつけてね。」
「だね。あと、リン、ネイ、キキョウ、私の4人しかうちのメンバーって知られてないから外での接触を図るならこの4人が行くべきだね。」
「ちょっと待って。その4人ってことはうちのギルドと戦うギルドって接近対策してこない?」
「まぁ、だろうね。うちに魔法を使えるメンバーがいないっていうブラフにもなるし、凛の存在が知れるのはいいんじゃない?外では妹だってバレないように振る舞ってもらってるし。」
「それならいいね。他の子達にも気をつけるよう言っとくよ。」
「私からも言っとくね。先生以外のメンバーは外に出ることも多いし。」
「『完璧』に狙われるかもだからリンちゃんはしばらくみくねぇと一緒に外に出るようにね。」
「うん。ずっと一緒だね。みくねぇ。」
「それはいいんだけど、ネイからのみくねぇは嫌だからやめてよ。」
「えーいいじゃん。っていうか、もっとリンちゃんとお話ししたいし、3人でお茶しない?」
「リンはいい?」
「もちろんだよ。私もネイさんと話したいし」
「それじゃ決まりね。」




