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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第3章 ユートピアオンライン2

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第180話 レイナと『完璧』

「やっほー。ってパンドラさんじゃん!」


喫茶店に着くとリンが待ち合わせをしていたという子も来ていた。俺が実の兄であるということはもちろん伏せるよう言いつけてあるし、大丈夫だろう。


「どうもー。」


「レイナはこっちでも変わらないねー。」


「リンこそ。ってかリンってあの魔窟に入ったんだ。」


「ウチを魔窟呼ばわりしないでもらえる。」


「あぁ、ごめんなさい。ほとんどのプレイヤーがパンドラの箱のことを魔窟って呼んでるので。」


「なんで?うちのメンバーってほとんど知られてなくない?」


「まぁ、上位プレイヤー2人とユニークプレイヤーがいてたった8人でギルド戦を制したとなるとね。」


「なるほどね。納得かも。上位プレイヤーっていうのはキキョウとネイのことかな?」


「はい。ネイさんも有名のプレイヤーですし、完璧から脱退したって騒ぎにもなってましたし。」


「エクストラ倒しちゃってうちにいることバレちゃったからうちも今大変なんだよ。まぁ、誰が向かってきても返り討ちにするけどね。」


「パンドラさんの戦い見たことありますけど、すごいですもんね。」


「そうかな?そう言ってもらえると嬉しいけど。」


「で、リンと待ち合わせしてたみたいだけど何か用事なんじゃないの?」


「いや、ちょっと話したいなーっていうのと、ギルマスと一緒にいるっていうからどこにいるのか気になって。」


「まぁ、リンに関してはいることバレても困らないしね。他の秘匿メンバーは能力がバレたら困るプレイヤーもいるけどね。まぁ、それはどこのギルドも一緒か。」


「ですね。私のいるとこも、上の人たちが必死に情報隠してますもん。」


「大変だよねー。人数が多ければ情報統制もしなきゃだし。」


「2人で話してないで、私もいいかな?」


「ごめんごめん。まさかパンドラさんと会えると思わなくてつい。」


「ごめんね、リン。」


「それで、レイナは今レベル幾つ?」


「えーっとね、45だね。」


「始めたのはいつくらい?」


「2週間くらい前かな?レベル上げって時間かかるんだよね。手伝ってもらってはいるんだけど。そういうリンは」


リンがこっちを見て聞いていいか確認してきたのでうなづいて許可する。別にリンに関して情報を出すことで、うちのギルドが脳筋ばかりだって錯覚するだろうし。情報が出てるプレイヤーが全員物理戦闘タイプだし。


「25まで上がったよ。」


「ちょっと待って。始めたの昨日って言ってなかった?」


「そうだけど?」


「いくらなんでも速過ぎない?」


「パンドラさんが手伝ってくれてるからね。モンスターの群れにもよく出会うし、それもパンドラさんが一瞬で倒してくれるし。」


「そんなに群れって出会えなくない?LCKで遭遇率が計算されるらしいし。」


「それは私のLCKが高いからだろうね。レベルカンストだし、LCKはちょっと高めのステ振りだから。」


「そうなんですね。ちなみにレベリングはどのくらいの時間やったんですか?」


「さっき1時間くらいかな。まぁ、30くらいまでなら一瞬だよ。エクストラモンスターを倒したんだし、その辺のモンスターは相手にならないよ。」


「すごいですね!羨ましいなー。パンドラの箱に入れるなんて。」


「リンは運が良かったからね。私とキキョウで昨日始まりの街を新メンバーを求めて散策してた時にあったんだよね。」


「いいなー。」


「申し訳ないけど、これ以上メンバー増やすつもりはないから入れてあげられないなー。」


「そうですかー。あっ、レベリング手伝ってくれてる人に呼び出されたので行きますね。」


「うん。またねレイナ。」


「またね、リン。パンドラさんもまたお話ししましょ。」


「うん。」



玲奈がさっていった後も俺とリンは少し話をしていた。


「あの子すごいね。演技が上手いよ。」


「演技?」


「多分リンに対する会話は本音で話してるだろうけど、私に対しては全部演技だよ。このゲーム始めて2週間っていうのも嘘じゃないかな?多分リンをホームに連れて行く時にリンがうちにいることがバレて速攻で接触を図ってきたって感じかな。偶然にも友人を抱えていたギルドから。」


「そんなことあるの?」


「あるね。大規模ギルドなら人数も多いし、それにあの子の装備相当いいものだよ。初めて2週間のプレイヤーが持つものじゃない。レベルもカンストしててもおかしくないかな。わざわざ諜報要員として駆り出されてることを考えるとただ友人っていうだけじゃなくて普段から諜報要員として活動してる幹部かもね。」


「・・・・・・・・」


「あくまでも憶測だけどね。ただ一つ気がかりなのはあの子がいるギルドってさっき話にも出てきたギルド『完璧』なんだよね。」


「?」


「このゲームってさギルド武器って言ってギルドごとに武器とか装備を作成することができるんだけど、『完璧』のギルド装備を持ってたんだよね。あのギルドはピアスだからつけてても見えないと思ったんだろうけど、髪が揺れた時にあのギルドのピアスが見えたし。レイナのことを疑えとは言わないけど、ゲーム内での接触はちょっと気をつけたほうがいいかもね。本人の意思関係なくあそこのギルマスクズだから。」


「わかった。気をつけるよ。」


「お願いね。うちのギルド、バレたらまずいこと多いから。ごめんね気を遣わせることになっちゃって。」


「いやいや、みくねぇがいなかったら騙されちゃうから。ありがとね。」


「あれは仕方ないよ。彼女相当ゲーム慣れしてるんじゃない?」


「そうなのかな?」


「だと思うよ。私もあの系の会話術とか交渉術は得意なんだけど、ちょっとだけ気になるところがあるから疑ってるだけで、それがなかったら疑うこともないよ。」


「そんなになんだ。気になるところっていうのは?」


「一つはさっきも言ったけど、ギルド武器。もう一つはリンの友達のはずなのに以上な程に私と話たがってたところ。いくら私が特別でも友達を無視して話すなんて考えられないよね。」


「確かに。言われてみればそうかも。」


「多分ネイに聞いても同じこというと思うよ。その辺はネイの方が詳しいからネイにも色々聞いてみると面白いと思うよ。」


「うん。今後のためにもまた聞いてみるよ。」

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