第179話 レベリング
「みくねぇって普段どんな感じで戦ってるの?」
結局呼び方はみくねぇと言うことで落ち着いた。本名はほぼバレてるようなもんだし、いいかと言うことになった。
「そうだね。ソロかパーティーかにもよるけど、スキル頼りって感じかな。スキルを使わない時は高速移動からの暗殺が得意だね。そうだ、これつけて。」
そういってネックレスを手渡す。中には小さな宝石が埋め込まれていて、見た目も綺麗だ。
「これは?」
「私が作ったネックレス。いつもは先生に頼んでるんだけど、最近ずっとユーオンにいたお詫びにね。メンバーみんな毒無効の効果を持った装備をつけてるんだけど、これにも毒無効の効果がついてるから。」
「ありがとう。大切にするね。」
「うん。ずっとつけててね。急に毒撒くかもだから。」
「毒撒くって?」
「私のスキルに{毒霧}っていうのがあってこれ毒無効じゃないと防げないんだよね。だから、私がいつでもこれを使えるように、みんなにつけてもらってるんだ。」
「そうなんだ。みくねぇが戦ってるとこ見てみたいな。」
「ちょうどいいじゃん。ほら。」
視線の先にはコボルトの群れだ。群れといっても10匹程度しかいない。
「どうしよっかな。どんなのがみたい?スキルを駆使した戦い方かいつも私がやってる戦い方か、あとは毒でもいいよ。」
「それじゃいつもの戦い方がいい!」
「オッケー。一瞬だから見逃さないでね。」
「うん。」
手を2本展開し、その手にパンドラの双剣を装備。
「ちょっと見えなくなるよ。スキル{神速}」
ステルス状態になり、まだこちらに敵対していないコボルトの群れに突っ込む!
そしていつもの如く切り裂き、あっという間に群れの全個体を殲滅する。
「ざっとこんなもんかな。」
「すごい!かっこいいよみくねぇ。」
「そう?それは嬉しいね。」
「見えなくなったのはどんなスキルなの?」
「{神速}って言って、発動から20秒の間、姿をがみえなくなるステルスっていう状態になって、1分間AGIが倍になるスキルだね。私のステータスAGIとDEX高めだから倍になると結構速くなるんだよね。」
「みてて思ったよ。だって一瞬で全部いなくなったんだもん。」
「体感時間はちょっと違うかもだけど。キキョウたちも言ってたように仮想空間になると私ちょっとおかしくなるみたい。」
「そんなみくねぇもリアルのみくねぇも大好きなことに変わりはないよ。」
「ありがと。それじゃどんどんやるよ!ここからはリンにもちょっと戦ってもらうからね。戦い方も覚えないと。」
「うん!頑張るよ!」
リンも相当気合が入っていたらしくたった1時間でレベル25に到達した。そしてちょっと休憩しようとイロアの街に入り、リンが友達から聞いてきたという喫茶店に向かうことになった。




