第178話 リンの装備
「みんな集まったね。ってことで、昨日うちに来た新しいメンバーだよ。」
「みくリンです。」
「何人かは昨日会ってると思うけど、ユイユイとキキョウ以外の男性陣は初対面かな?」
「だな。俺は昨日あってるけど、ヴァルたちは初対面だな。」
「軽く説明しとくと、リンは私の妹ね。キキョウとはあんまり仲良くないからできるだけこの2人と自分だけとか言う状態にならないようにね。収拾つかないから。」
「そんなにか?」
「そんなになんだよ。レベリングは私が一緒に行くからみんなはそれぞれやりたいことやってていいよ。ただ、エクストラに関する情報を話せとか言われたら何も言わずにギルド転移で逃げてくること。うちのメンバーだって知られてるメンバーは特にね。キキョウとネイは情報を他のメンバーよりも持ってるんだからより慎重にね。」
「言われなくてもわかってるよ。」
「私も。今日は1人で街をふらつこうと思ってたところだし、気をつけるよ。」
「それじゃ解散!先生だけちょっとお願いがあるから、いいかな?」
「いいぞ。」
「ルナの防具できたばっかりで申し訳ないんだけど、リンの防具もお願いできる?」
「もちろんいいぞ。どんなのが希望だ?」
「まぁ、職業が重戦士だし防御に重きを置いた鎧と盾かな?」
「うーん。ちょっと軽めにしてもらって機動性も欲しいかも。」
「だって。それでお願いできる。」
「わかった。キキョウほどがっつりしたものじゃなくてもう少し軽めの鎧な。それならフルプレートじゃないほうがいいか?」
「うん。それでお願いします。」
「初対面だもんな。そんな敬語使わなくてもいいぞ。みんな仲良くって言うのがうちのマスターの方針だからさ。」
「うん。」
「それじゃ、露出はなく隙がないかつ、機動性を持った鎧だな。それなら素材は革系の方がいいかもな。ちょっといいものがないんだけど、パンドラ、何か持ってないか?」
「そうだね。銀狼の毛皮なんてどう?」
「いいの持ってるじゃねぇか。銀狼の毛皮は他の獣系モンスターに比べて伸縮性に優れているおかげで無理な動きをしても耐久が減りづらい。それにその辺のモンスターの攻撃程度は簡単に弾くからな。」
「あれ結構強いもんね。」
「俺は戦えないから知らんが、らしいな。」
「それじゃ、それで鎧とあと武器は剣かな?」
「うん。」
「片手で振るえるサイズのちょっと重めの剣と盾をお願い。片手サイズのと大盾も」
「おう。それぞれ何か効果を付与するか?」
「そうだね。何かある、リン?」
「えーっとね、剣の方はシンプルに攻撃力を高く、盾は両方とも何かカウンター効果を持ってて欲しいかな。」
「それじゃ普通の盾にはニードル系の効果をつけて、大盾は何ができるかな?」
「防御系のステータスを低めに作れば割となんでもできるな。」
「それじゃ魔法吸収とかにしよっか。リンがMP消費系のスキルをとればそのMPを補填できるし。」
「たしかにそれがいいな。重戦士ならMPにステータスを振りたくないだろうしな。」
「それじゃ、それでお願いします。」
「わかった。それじゃ、お前はちゃんと妹ちゃんを守ってやれよ。」
「わかってるって。それじゃお願いね先生。」
「任された。防具と盾は明日には完成させとくから、明日インしたら工房に来てくれ。」
前は広間の端に設けていた先生の鍛冶場は別で独立させてホーム内に工房ができている。その方が作業にも集中できるらしい。それに物で溢れることも無くなるし、一石二鳥だ。
「それじゃ、リン。早速レベル上げに行こうか。」
「うん!」




