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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第3章 ユートピアオンライン2

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第177話 神術スキル

「聞こえるー?」


「聞こえてるよー。」


「俺も聞こえてる。」


「私も聞こえてるよ。」


「みんな聞こえてるみたいだね。凛ちゃんもくるって聞いてちょっとびっくりしちゃったけど。」


「急でごめんな。」


「いいって。私も話したかったし。」


「俺は嫌だけどな。」


「お前は黙ってろ。」


「「そうだそうだー。」」


「みんな揃ってなんだよ。それで、凛もいるけど、例の話でいいのか?」


「だね。凛にもちょっとは話してあるし。」


「それじゃ早速本題に入ろうか。《地底の遺物》を倒したわけだけど、現状私と恭平の元に来ているのは私に来ているギルド『完璧』からの鬼のようなメールだけ。これは無視しててもいいと思うよ。」


「だね。私のところにきてるかがわからないけど、多分イグザミナからきてるんじゃないかな?」


「だろうね。あのギルド情報があるとなればどこだろうと嗅ぎつけるし、あれだけ大々的に出た情報だしね。」


「だな。俺のとこにはギルド結成前のフレンドから何人かメールが来たけど、他に所属してる奴らだし、情報を渡すつもりもないし、会うつもりもない。」


「そっか。それなら大丈夫そうかな。」


「みくにぃの言うとおりだね。意地でも情報が欲しいといってもみくにぃに勝てるわけないし、交渉をするようなら向こうが支払えないような対価を要求すればいいだけだもんね。」


「そう。凛って賢いね。この話だけでここまで頭が回るなんて。ゲーマーじゃないなら普通交渉のことまで考えないって。」


「頭の回転だけなら俺よりも速いからな。まぁ、仮想空間なら俺のほうが上かもだけど。」


「凛をよく言うのは嫌だけど、それはズルだろ。仮想空間内のお前バグだもん。」


「ね。頭の回転も反射速度も全部バグレベルに速いもんね。」


「そうなのみくにぃ?」


「まぁ、そうだね。反射速度とかに関してはこの間のファザオンのイベント映像とかみたらわかると思うぞ。あとで見せてやるよ。」


「やったー。」


「本当に未空のことが好きなんだね。」


「だろ?いつもみてて腹立たしいんだよ。」


「微笑ましいじゃん。あんたと違って2人ともいい子なんだし。」


「こいつらが?冗談だろ。」


「そうでしょ?あんた性格悪すぎだし。」


「そうそう。私こいつ大っ嫌いだもん。」


「わかるー。」


「2人ともそんなに恭平をいじめないでやってくれよ。流石に可哀想だって。」


恭平以外の3人で一通り笑ったあと、本題に戻る。


「それで、運営からの情報何かわかったことはある?」


「えーっとね、チームの人たちに確認してもらったんだけど、これまでモンスターのあまりの多さから開拓が進んでなかったカリオルト湿地帯はモンスターの数が他の人間の支配領域と同等まで下がってたっていってたよ。その辺のダンジョンよりずっと安全みたい。」


「そうなると、エクストラモンスターを倒すことでユニークプレイヤーたちは行動範囲がどんどん狭くなり、最終的に1箇所に集められる。」


「多分そうだろうね。そこから総力戦をしてあの世界は勝者の支配領域になるってとこかな?」


「だな。そうなると、プレイヤー側にも数がいればユニークプレイヤーに立ち向かうことができる何かしらのアップデートがあると考えていいだろうな。」


「これまで出てきた詳細が出てきていないワードだろうね。」


「今のところ明確に確認できているのは神っていうワードだけか。」


「それは確実ではないけど、わかってることがあるんだよね。みんなには話してないんだけど、先生の{鍛治神}っていうスキルあるじゃん?あれに伴って種族も鍛治神って表示になったみたい。」


「それじゃ神術スキルを獲得することでその神に分類されるようになるってこと?」


「多分そうだと思う。」


「なるほどな。ただ、神術スキルって多分どれも相当条件厳しいよな。」


「だね。あとは{鬼神化}だね。」


「なにそれ?」


「恭平が持ってるスキル。厳密に言えばギルド戦の時に宝箱から出てきたんだけど、ちょっと特殊なんだよね。多分あのイベント中1つしか出ないようになってったんじゃないかな?神の名を冠してるし。」


「確かに。それで効果は?」


「姿が鬼神になる。」


「それだけ?」


「今のところは。」


「何かあるかもね。」


「ゲルマさんってどうやって神術スキルっていうの獲得したの?」


「凛も気になる?それじゃみんなに話そうかな。先生の場合はDEX極振りの状態でレベル99まで到達、かつ鍛治による装備作成を100回以上行う。っていってたね。」


「それは確かにほぼ無理だね。でも、話に聞く限りその分のリターンが返ってきてるんでしょ?」


「だね。何かわかりそう?」


「絶対とは言えないけど、ちょっと思いついたことは色々あるかな。」


「たとえば?」


「鍛治を司る神がいるならいろんなことを司る神がいるはずでしょ?そう考えると戦を好む神様とか、ゲルマさんと同じような極振りで行けば防御系のステータスに極振りするとか、あとは一系統の魔法しか使わずにそれを極めるとか。」


「確かに。それぞれ条件はわからないし、厳しそうだけど、あり得そうだな。」


「でしょ?あと思いついたんだけど、とにかく死にまくるとか?」


「なんで?」


「なんとなく。ってことで恭平、実験台になってよ。」


「なんで俺だよ。自分でやれよ。」


「嫌だよ。女の子にそんなこと言うなんてサイテー。」


「なんでそうなるんだよ。」


「まぁまぁ、恭平は{鬼神化}と合わさるとどう作用するかがわからないし、なしかな。かといってうちのギルド前衛がいないんだよね。」


「でもさ、アンデッドとかその系の絡みの可能性もあるし、ヴァルと相性良さそうじゃない?」


「確かに。頼んでみよっか。」


「だね。って、もう結構遅いけど、学生たち大丈夫?」


「そろそろ寝よっかな。凛も眠いでしょ?」


「みくにぃが起きてるんだったら私も起きてるよ。」


「健康に悪いからダメだって。それじゃ詳細はまた話そう。また明日ー。」


「うん。明日ねー。」

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