第169話 案内
みんなについて少しだけ話しつつ、あっという間にイロアの街までついた。
「ここは?」
「ここはイロアの街。結構多くのプレイヤーが拠点にしてる街だね。うちも買い物とかじゃよく使うから大体の場所覚えといてね。」
「はーい。」
「それじゃさっさと街を出て拠点に向かおっか。」
「うん!」
「それにしてもいつもより楽しそうだな。」
「ねぇねと一緒だからね。」
「そんなにうれしい?最近ユーオンばっかで構ってあげられてなかったけどさ。友達とかと遊ばないの?」
「友達と遊ぶくらいならねぇねと一緒にいた方が楽しいもん。」
「そうか・・・。まぁ、これからはこっちでも会えるし、こっちならリアル以上に構ってあげれるからね。こっちのクエストで何か困ったこととかあれば遠慮なく頼ってね」
「もちろんだよ。あと、みんなレベリングとかしてるの?」
「まぁ、してるけど、今は瑠奈さんのレベリングをしてもらってるし、手が空いてるメンバーがいないんじゃないかな?いなくもないけど、ちょっとレベリングをしてもらうには頼りないから今日の用事終わらせて、明日から私と一緒にやろっか。」
「本当!?」
「ほんとだよ。最近構ってあげられてなかったのも申し訳ないしね。私以外だとお姉さんがいるけど、どっちがいい?」
「ねぇね一択だね。」
「だよね。それじゃ明日からレベリングしよっか。ただ、人目のないとこでね。今うちのメンバーだって知られてるのってキキョウとさっき言ったお姉さんだけだからさ。」
「わざわざ名前で呼ばないのなんでだろって思ったけど、そっか。今街中だもんね。」
「うん。正直今も情報が漏れてるようなもんだけどね。」
「仕方ないよ。可愛い妹のためでしょ?」
「まぁ、そうだね。ほら、そろそろ街の出口だよ。」
「だね。ここからどのくらい?」
「1時間もかからないと思うよ。」
「オッケー。」
そして街を出て再びメンバーの話に入る。
「そういえば武器とかはゲルマさんが作ってくれてるの?」
「そうだね。これとかも先生が作ってくれたものだね。」
そう言いつつパンドラの双剣を見せる。
「そうなんだ。っていうかそんな感じで腕生えるんだ。」
「慣れてねー。最大これが10本だから。」
「すご。10本腕ってどんな感じなの?」
「なんか操れるって感じ。なんとなーく頭の中でイメージした動きをちゃんとしてくれるんだよね。」
「ってか、すごい大変そうだよね。」
「慣れればそうでもないよ。」
「へー。私も色々できるようになるのかな?」
「なるよ。先生だって特別な存在になれたんだし。」
「私だってこのゲームで伝説を残してみせるから。ねぇねには負けないよ!」
「私に勝てるかな?」
そんな話をしつつ、あっという間にディクティオンの百穴、そしてギルドホームの前まで来た。




