第159話 寧々と瑠奈
「おー!あなたがネイちゃん?」
「うん。瑠奈!初めまして!」
「リアルでは初めましてだね。私は如月瑠奈。」
「私は高橋寧々。」
「寧々ちゃんか〜。うちの愚弟がよくお世話になっているようで。」
「いやいや、私はそこまで関わってないよ。まぁ、未空の関係で、 今後関わることは増えるかもだけど。」
「この辺来たら連絡してよ。仕事休みだったら会いにくるからさ!」
「もちろんだよ。」
「なぁ、俺たちを空気にしないでくれよ。」
「あんたは黙っててよ。未空なら喋ってもいいけど。」
「うんうん。みっくんはいいけど、あんたは黙ってな。」
「辛辣だね。まぁ、日頃の行いか。」
しゅんとしてる恭平を慰めながら、3人で雑談をする。
「ってか、せっかくカラオケなんだし何か歌おー!」
「だね。」
そう言って2人が歌い始めたので、飲み物を取りに行くついでに恭平を連れ出した。
「寧々っていい人だね。」
「俺以外に対してはな。」
「それはお前が悪いから自業自得だろ。」
「ぐぅの音もでねぇよ。」
「でしょ?」
「それにしても姉貴とあんなに仲良かったんだな」
「最初ギルドホームに連れてくる時に一緒だったしね。。」
「そういえばそうだったな。」
「恭平は俺以外に誰か仲良い人いないのか?」
「ユーオンでか?ギルドのみんな以外に知り合いは結構いるけど、そんなすごく仲良い奴ってのはいないな。」
「そっか。もっとみんなで色々楽しまないとね。」
「だな。俺たちの居場所はあのギルドだけなんだし。」
「ね。」
「そんなことを言うためだけに連れ出したのか?」
「うん。寧々に対してトラウマ持ってるみたいだったけど、リアルの方でも仲良く楽しく過ごして欲しいなってね。」
「ほんと、ユーオン始めてからのお前はお前らしくないな。」
「そう?」
「そうだよ。なんか、男女問わずにモテてるわけがわかった気がするよ。」
「?」
「そう言う前向きだし、いい感じの雰囲気が人を惹きつけるって話だよ。ほら、早く戻らないと寧々たちに文句言われるぞ。」
「だね。」
恭平の言うことはよくわからないし、俺がモテてると言う実感もない。ただ、そうである以上、俺がパンドラであると言う事実はこれまで以上に人に知られては行けなくなったな。もう学校も行かずにユーオンに入っていたいよ。
「おかえりー。」
「ほい。これでいいか?」
「うん、あってる。それじゃはい。次あんた歌って。」
「え、俺?」
「ほら、なんでもいいからいれなよ。」
「それじゃ」
そう言って恭平にマイクを持たせる寧々。瑠奈さんの若干顔が引き攣っている。それも仕方ない。こいつは・・・




