第156話 Unique Weapon
UniqueWeapon:緋緋色金之大刀
スキル:{不壊}{所有者登録}{名変}{吸血}{可変技能}
STR(攻撃力) 1
DBL(耐久値) 1
「ステータスおかしくない?まぁ、それは置いといて、これってどんなスキル?」
「{不壊}はパンドラのものと同じだ。刀は自身の意思で動くことがないから壊れることはない。そしてネイはわかると思うが、{所有者登録}はその装備の所有者を登録することで、特定の権能などを所有者以外に使用させないように知ることができる。この刀の場合は{不壊}以外の全てのスキルが使えなくなる。」
「他は?私も聞いたことないレベルなんだけど。」
「まず、{名変}。これは一度だけ使用可能なスキルで、登録した所有者が名前を変更できる。」
「それは嬉しいかも。このゲーム、武器の名前が素材と武器の特徴のものばっかりだし。」
「次に{吸血}。ステータスがおかしいのはこれのせいなんだが、モンスターだろうと人間だろうとキルすることでこの刀は血を吸う。そして血を吸うごとにSTRが上昇していく。」
「ってことは理論上無限?」
「だな。」
「すごいね。私の主武器モーニングスターだったんだけど、これになりそうだね。」
「そして最後が一番すごい。おそらくこれがユニークになった原因だ。」
「ユニークになった原因?」
「あぁ。{可変技能}。このスキルは様々なスキルに変質することができる。今の段階では変質不可だが、STRが上昇するごとにスキルが解放されていく。このスキルを発動する時に使用したいスキルを指定することでそのスキルを使用できる。」
「ってことはこれも実質無限?」
「だな。まぁ、スキル獲得はSTR200までは50ごと、それ以降は200ごとだがな。」
「なんのスキルが使えるかはわからないけど、威力も上がりつつ、スキルまで増えていくのはえぐいね。」
「気をつけなければいけないのはその刀で倒した敵の数分しかSTRはアップしないし、ボス系のモンスター以外はどれだけ強力な敵でもSTRは1しか上昇しないことだな。」
「それでも私の戦闘スタイルに合うんだよね。だって、いろんなスキルがあればより応用も効くし。」
「だな。まぁ、ちょっと癖が強いし最初はSTRが低すぎて今までの武器と使い勝手が違うだろうから気をつけろよ。」
「うんありがと。」
「それにしても能力もだし、素材もすごいね。今後どんなのを作ってくれるか今から楽しみだよ。」
「頑張るよ。まずは、ネイとルナの装備を揃えないとな。ネイの防具は一通りできたぞ。あらゆる状態異常への耐性と動きやすさ重視の軽装防具だ。」
「ありがとー!」
ネイが早速装備を変更する。防具としての性能もそれなりにあるが、本質は動きやすさ。さすが先生、完璧だね。
「あと、ルナの防具もできてるぞ。槍はちょっと待ってくれ。杖の役割も果たせる槍を作ってるんだが、ちょっと満足いく出来のものができなくてな。できるまでとりあえずこれを使ってくれ。」
そう言ってルナに先生が渡したのは街で売っているのを見たことがある魔槍だ。珍しいものだから売っていること自体珍しいけど、たまたま見かけたことがある。確か・・・
「ありがとー!ゲルマ。すっごい手に馴染むし、ゲルマが満足するまではこれで全然いいよ。」
「ねぇ、先生。これってめっちゃすごくない?街で前に売ってるの見たことあるけど、すっごい高かった気がするんだけど。」
「まぁ、魔槍自体かなりDEXがないと作れないしな。」
「そういうレベルじゃないでしょ!ルナは変に気を使わないと思うからいうけど、4000万だよ!」
「まじで?」
「まじ。ほら、ルナでもこんな反応になるレベルだよ」
「まぁ、俺からしたら素材費も考えて20万くらいで売っても利益率結構高いくらいなものだしな。」
「本当に規格外になったね。」
「まぁ、ユニークプレイヤー以外だと唯一の特殊なプレイヤーだしな。」
「そうだけど。もう何言っても無駄かな。」
「だろ。今に始まったことじゃないし。」
「だね。私はここに来た時点でこれだったからもう慣れたよ。」
「ネイは適応早いね。とりあえずルナの魔槍ができたらみんなの武器も新調してもらっていい?今のところ次回イベントの告知来てないけど、いつ来るかわからないし、備えはしとかないとね。」
「あなたがいるだけで、このギルドは最強格だと思うけどね。」
「まぁね。それでも備えは大事だから。私だって1回死んでるんだし。」
「そーなんだ。なんで生きてんの?」
「なんかデスペナなしってアナウンスがされたからそのまま戦って負けちゃった。」
「もしかして第3回イベント?」
「うん。最後の方になると無理ゲーだったし、仕方ないかな。今でも悔しいけどね。」




