第148話 銃の扱いは難しい
「決闘とか関係なしにちょっと興味が湧くね。射撃精度は何に依存しているのか。射撃においてシステムサポートがつくのかとかね。」
「それはこれから実験しようと思ってたし、ネイにも教えるよ。これは量産できるアイテムだし、ネイとヴァルにはちょうどいいアイテムでしょ?」
「だね。それじゃ私はその実験台に使われると。」
「まぁ、そうなるね。」
「いいよ、ほら撃ちなよ。」
「威力もわからないし、一撃で殺しちゃったらごめんね。」
「その時はキキョウを実験台にすればいいでしょ。」
「そうだね。それじゃ行くよ。」
拳銃を構える。視界に何か表示されたり、システムのサポートがつく様子はない。形は拳銃だけど、連射できるようにはなってるみたいだな。他には・・・今のところわかることはないな。
所有者が引き金を引くことで弾丸を打ち出すことができて、所有者に設定されてないプレイヤーが引き金を引いても何も起こらないって先生は言ってたけど。
「サポート的なのは特にないね。先生が言うには所有者設定をしてないと引き金を引いても何も起こんないんだって。試しにやってみてよ。」
そういいながらネイに拳銃を渡す。
「オッケー。」
拳銃を受け取ったネイは間髪入れずにこっちに銃を向けて引き金を引く。
「何も起こらないね。」
「だね。」
「それじゃ返して。」
「ほい。」
「あとは、撃つときに補正か何かかかるのか。それとも何もないのか。」
「そうだね。それがあるかないかで射撃練習が必要か否かがわかるからね。」
「そうだね。これまでのVRMMOに銃系統のアイテムは存在してないもんね。」
「うん。だから、私とかヴァルが使う時も初めての射撃だからね。」
「それじゃ2人に合わせてこれを使おうかな。ゼウスのローブ、効果発動」
ゼウスのローブの効果で人型に変身する。
「へー。それがパンドラの本気の姿ってわけね。」
「うん。このローブの効果で1日に5分間だけ本来の姿とステータスを解放できるんだよね。」
「それはすごいね。」
「でしょ。それじゃ行くよ。」
正直、サバゲーの銃さえ持ったこともないし、銃の持ち方とか、色々あってるかわからない。とりあえず撃ってみるか。
引き金に指をかけ、ネイに銃を向け右足を狙って放つ!
銃声と共にネイの呻き声が聞こえる。当たったのか?
「ちゃんと当たったね。」
苦しそうにそう言いつつ、ポーションを振りかけて治癒をしている。
「そうだね。でも狙ったのはもっと下、足の甲あたりなんだよね。今のは発砲の衝撃で銃がずれたんだと思う。命中したのはただの偶然じゃないかな?」
「そうなの?」
「うん。もしサポートがつくとしてもどう言うふうについてるのかとかわからないし、射撃練習自体はみんなしないとだね。私は特に人型の状態でね。多分普段の状態なら安定して撃てると思うんだよね。腕に実態がないおかげで衝撃も伝わらないし。」
「そうだろうね。いやー、せっかくゲルマに新しい武器頼んだのにこれも練習しないといけないのかー。」
「みんなで頑張ろ。」
「だねー。それじゃ最後に見たいものがあるんだけど。」
「なんでもいいよ。」
「今のあなたの最大のスピードを見たいんだよね。」
「それくらいお安い御用だよ。覚悟はいい?」
「もちろん。いつでもどうぞ。」




