第145話 ネイVSキキョウ
「お疲れー。」
「お疲れ。」
「流石パンドラって感じだね。」
「私はパンドラちゃんが戦ってるのちゃんと見るの初めてだけど本当にすごいのね。」
「ネイとルナもきてたんだ。っていうか全員揃ってるね。」
ハンスも先に入ってきていたようで全員が揃っていた。
「先ほど自己紹介が終わったところです。」
「そっか。ハンスだけは今あったばっかりだもんね。」
「はい。」
「で、私から一つ聞きたいんだけど、なんでハンスまでここにいるの?ファザオンの観戦しよーって見るなが言いはじめてみてたらみんなハンスとパンドラが戦ってるって盛り上がってるんだもん。」
「もしかして2人って知り合い?」
「直接話したことはなかったですが、お互いにファザオンの方で認知していたって感じですね。」
「そんな感じ。でさっき入ってきて全然雰囲気違うからびっくりしちゃったよ。」
「ね。私も向こうでのハンス初めてみたけど、びっくりしたもん。」
「私はそのゲームらしいキャラメイクが好きなのです。ファザオンは格闘ゲームなのでそこに重点を置いたキャラメイク。まぁ、スキルに関しては初めの方に獲得したものが強かったのでそっちにシフトしたのですが。そしてユーオンはファンタジーということで魔法使い職、その中でも色んな人のお役に立てそうな僧侶を選んだのですよ。」
「へー。それで、一応みんなと話したんだけどさ、もう呆れるよね。」
「どうして?」
「ヴァルとミルナ、ルナは昨日話したし、まぁわかってたんだけどさ、ユイユイとレントルなんて2人とも相当強そうだし、ゲルマなんてチートの極みじゃん。ハンスは普通に僧侶って感じだけど。」
「まぁ、そう言われたらそうかも。それにしても話すだけでユイユイとレントルの凄さがわかるんだ。」
「わかるでしょ。特にレントルはわかりやすいじゃん。話してて子供だと思えないくらい頭が切れるし。ユイユイはなんかすごい違和感っていうか、なんだろうね。やばいってことはわかった。」
「キキョウはわからなかったのにね。」
「うっせぇ。」
「いや、私も違和感レベルだし、よっぽど人を観察できないとわからないよ。まぁ、一緒に戦えばわかることがあるのかもしれないけど。」
「2人揃って煽りやがって。」
「私はともかく、ネイにはいつも自分がやってることでしょ。」
「ぐぅの音もでねぇよ。」
「それじゃみんなどうする?いつもより早い時間に集まったけど。」
「俺はネイとルナに頼まれた装備を作る。」
「お願い。」
「俺とミルナはルナのレベリングにつきそうつもりだ。」
「いいの?」
「あぁ。2人が波長があったみたいだし。」
「なるほどね。ユイユイたちは?」
「僕たちはイベント前に見つけていたクエストがあるので、それを終わらせます。ハンスさん手伝ってもらってもいいですか?アンデッド系が多いみたいで。」
「もちろんです。」
「それじゃ残りは私とキキョウとネイか。」
「とりあえず、こいつキルしたいんだけどいい?」
「そうだね。とりあえずそうしよっか。私は観戦させてもらうね。」
「おい、俺を見捨てるなよ。」
みんなそれぞれ出て行き、先生は奥の鍛冶場に篭った。
「それじゃ早速やろっか?」
そう言いつつネイが決闘の申し込みをキキョウに送る。
「わかったよ。だが、こっちも全力で行くぜ。」
「今のあんた如きで私に勝てるといいけどね。」
「軽口叩いてられるのも今のうちだろうぜ。」
そう言いつつ承認ボタンを押すと2人は決闘のフィールドへ。俺は観覧席に転移した。
「それじゃ早速行かせてもらうよ!」
「臨むところだ!」
全身フルプレートに両手剣を装備したキキョウに対して、軽装で左手にモーニングスターを装備したネイ。モーニングスターであれば射程距離が剣とは比べ物にならない。しかし、キキョウの防具と防御を貫通してダメージを入れるのは厳しいだろう。
「それじゃ行くよ!」
ネイがモーニングスターをキキョウの顔面に叩きつける。キキョウは剣で弾くことなくフルプレートによる防御で受け切る。しかしそれが間違いだった。
顔面にモーニングスターが接近し、それがキキョウの元を離れるまでのそのほんの数秒、キキョウの視界は遮られる。それを見逃すほどネイはバカではない。
その一瞬の隙を利用して一気にキキョウに接近、フルプレートの唯一の弱点視界を確保するための目元の穴に向かって両手剣を本気で叩きつける。
モーニングスターを左手で持っていたのはより力をこめやすい右手に両手剣を持って攻撃するためだったのか。流石だな。ユーオン専門のプロなだけあって戦い慣れてるし、戦闘の組み立て方が完璧だ。




