第143話 スキルコントローラー
「さすがと言うべきなのかな?とりあえず、周囲のプレイヤーは片付けたけど。」
周りにいたプレイヤーは一掃し、目の前に残るのはハンスとキキョウが相手をしているプレイヤーだけだ。キキョウは正面からやってるから少し時間がかかっているけど、あの様子ならやられることはなさそうだね。
「さて、私の攻撃を唯一防いだわけだけど、どうする?正面からやり合いたい?」
はっきり言って誰にも回避されないと思ってたし、まさかハンスが弾いてくるなんて予想外だ。正直パンドラの箱のメンバーでもトップクラスにプレイヤースキルが低いと思っていた。ここまでの反射神経を持ってるのに何で僧侶なんだ?なにかありそうだな
「そうですね。私としては本気でやり合いたいですね。」
「それなら私は250にしようかな。そっちと同じ条件だよね?」
「パンドラさんはスシテムサポートを受けられてないんですもんね?」
「もちろん。私にそんなものは不要だからね。」
「パンドラさんらしいですね。それでは私も。やったことないので怖いですが。」
「ちなみにこれまではどこまで?」
「せいぜい85ですね。」
そう言いつつ最大まで振り切る。俺も250に調整する。
「さぁ、これで同条件だね。お先にどうぞ。」
「いえ、先手は譲ります。私が先に動いても自爆するだけなんでね。」
「そう?それじゃお言葉に甘えて」
とりあえずジャブとして急接近からの殴りつけ。これはさっき同様防がれる。やっぱりこの速度が見えてるんだな。
「流石の速さですね。ですが、見えてます!」
「一体どうやってこの速度を見てるんだか。」
「パンドラさんだって見えてるでしょ?」
「そうだね。でも流石にハンスのがプレイヤースキルじゃないことはわかる。スキルかな?」
「よくわかりますね。そうですね。あまり詳しくは言えないですけど、私はスキルでパンドラさんの速度をし人できている。それに過ぎません。」
「じゃあ、その速度だと相当動きづらいんじゃない?」
「そうですね。下手に動いたら死にますね。」
「だよね。これは簡単に扱えるものじゃないからね。」
「これ以上を扱うあなたが恐ろしいですよ。」
「そう?いつものことじゃん。」
「そうでしたね。それでは今度はこちらから行かせてもらいます!」
「いつでもどうぞ。」
集中を高めたハンスがこちらに突っ込んでくる。もちろん回避し、カウンターを決める!
「流石ですね。」
「驚いたや。このゲームでスキルに頼った戦い方をするなんて。」
俺がカウンターを決めたはずのハンスの姿はその場になく、横の方から気配と声を聞いた。
「私はいろんなスキルをいろんな情報網で仕入れて獲得しています。それさえあればあなたとも渡り合えますよね?」
「だろうね。まさか全力のカウンターをノーダメージで越えられると思わなかったしね。」
「でしょうね。私もあれをノーダメージで受けるなんてあのスキルがないと無理ですもん。」
「まさか『スキルコントローラー』の二つ名で呼ばれてるのがハンスだったなんてね。」
「ご存知でしたか。」
「もちろん。それにしても厄介だね。」
「それは私が一番理解してますとも」




