第134話 {巨獣化}と{大地の覇者}
「{大地の覇者}」
射程内に敵が入ってきた段階でスキルを発動したまではよかった。ただ、そのスキルも巨大化しているらしく、効果範囲内に巨大地震が発生する。俺も例外ではなく、中もかなり揺れているようだ。
「おい、なんだよこれ!」
「ごめん、{大地の覇者}の地震も巨大になってるみたい。頑張って耐えて。」
「ごめんじゃねぇよ。なんユイユイはこの状況で寝れるんだよ!」
「お姉ちゃん一回寝るとなかなか起きないので。」
「そういうレベルじゃねぇだろ!」
「もうちょっとの辛抱だから。」
話しているうちに10秒が経過、地震は収まり、剣山大地が発動する。
「やっと収まったか。」
「ごめん、ここまで酷いとは思わなくて。」
「流石にやばかったね。」
「外はもっと酷いけどね。」
「どういうことですか?」
「いや、地割れが起こったり剣山大地で岩が大量に出たせいで森が消えたりしてるね。」
「まじか。」
「マジだね。多分これじゃ他のプレイヤーは近づくこともできないんじゃない?あと、誰が拠点の中か確認してきてくれる?リスポーンできないと困るし、中が安全かだけでも」
「仕方ないし行ってくるよ。」
「ありがとキキョウ。」
中を調査に行ったキキョウはすぐに戻ってきた。
「何事もない感じだったな。」
「多分ゲームシステムで保護されてるんだろ。そうでもないと説明つかないし、そもそも洞窟が崩落したらメンバー全員が窒息死するなんてゲームとして崩壊してるからな。」
「先生のいう通りだろうね。それじゃ、次の強制ログアウトまでゆっくりしてて。また何かあったら報告するから。」
「あぁ。今度はあれは無しで頼む。」
「分かってるよ。心配しなくていいから。」
それから雑談しながら時間を潰し、強制ログアウトまで攻め込んでくるギルドはなかった。そもそもスキル効果範囲の境界が地割れして渡るの自体大変みたいだ。
イベントも残り6時間ここからはヴァルに入ってもらってユイユイが休憩に行く。30分ごとで区切って休憩に行ったメンバーが戻ってきたら次のメンバーが休憩という形でお昼休憩を取る。ユイユイ→レントル→キキョウ→ミルナ→俺→先生の順で休憩して先生はそのまま少し休んでもらう。他のメンバーが休憩が不要ならば次の強制ログアウトの時間まで休んでもらう。
最後の3時間はせっかくなので全員でインする予定だ。
あれ?そういえば・・・・・・
再度インした俺は少し気になっていたことを尋ねた。
「そういえば私も先生も忘れてるけど、みんなに渡した先生お手製のヘルメット誰も使ってないよね。」
「そういえば作ったな。別にあれなくても連絡は取れるし、いいだろ。」
「そういえばありましたね。あまりにも慌ただしく動いてたので忘れてました。」
「戦闘中に連絡取れればもっと楽なんだけどな。片耳押さえないと連絡取れないしな。」
「ずっと連絡できてもうるさいでしょ?文句言わないの。」
「そうだけどさ。」
「まぁ、おいおいもっと便利なもの作るよ。それよりもさっさと籠る準備をしようぜ。」
「そうだねあと3分くらいだし、外に出とくね。一応カメラで確認しておいて。」
監視カメラのモニターは拠点に残してある。この強制ログアウトとの合間のわずかな時間での襲撃を防ぐためにも必要だ。それに俺が{巨獣化}を使った後は俺が監視できるから不要だしな。




