第133話 {巨獣化}と強制ログアウト
{巨獣化}のスキルを使用してからは敵が攻め込んでくることもなく、次の強制ログアウトの時間になった。ヴァルとハンスにそのまま休憩してもらって、俺たちが継続してインしておく予定だ。
とりあえず軽い休憩を済ませて再度インする。
「やっぱり、全員こっちに戻ってきてたな。」
俺が入るや否やキキョウがそう言ってきた。確かに全員が拠点の中にリスポーンしている。
「すぐに{巨獣化}するね。中がどうなってるか次第だけど、さっきから元の状態に戻ってればさっきの手順で、戻ってなければすぐに中に入って。スキルの使用自体は休憩時間終了にならないと使えないから。」
「それだけがネックだな。この5分の間に近づいて一気に攻め込まれると困るしな。」
「大丈夫でしょ。この周囲のギルドは全滅させてるし、ここから半径1kmはさっきまで{毒霧}の範囲内だったんだから」
「それもそうか。」
そうして休憩時間が終了し、即座にスキルで巨大化する。
「みんなどうなってる?」
「中はそのままだ。後ろ側の穴と扉もそのままついてる。」
「それはよかったよ。それじゃそのまま中で待機してて。」
「ほんと楽だな。これなら中で寝ててもいいしな。ユイユイ、寝てていいぞ。」
「確かにさっきから眠そうだったしね。次の休憩前には起こすから寝てていいよ。」
「お姉ちゃん、戦う時に役に立たないといけないし、ここは寝ておいた方がいいよ。」
「はーい。おやすみー」
キキョウ、ミルナ、レントルに勧められ、ベッドに横になると速攻で寝息を立て始めた。
「すごいね。こんなすぐねれるなんて。」
「ですね。リアルの方でもこんな感じです。」
「そっか。みんなはゲームでもして時間潰してたら?私は動けないからどうしようもないけど、みんなくつろいでていいよ。なんなら私が起こすからみんな寝ててもいいよ。」
「いや、それよりも少し話したいことがあるんだけどさ。」
「どうしたの?改まって。」
「いや、ちょっとどうしても聞きたいことがあってさ。」
「だから何?」
「本当に休憩取らなくて大丈夫なのか?お前が心配というより、明日の俺の負担が心配なんだが。」
「大丈夫だって。明日までは持たせるから。そんなこと気にするくらいならちょっと休みな。」
「お前がそういうなら。それじゃちょっとゆっくりさせてもらうとするか。でもすることないしな。ずっとオセロとトランプとかしても暇だしな。」
「そうだね。どうしよっか?」
「ごめん、くつろいでてって言った割にすぐなんだけど、そこそこな人数が近づいてくるね。まだ遠いからどのギルドかはわからないけど、{毒霧}ではやられてないね。」
「この状態のお前に攻撃は通せんだろ。」
「まぁ、そうだけど、後ろ側を爆破して内部に侵入とかなると厄介だから射程に入ったら{大地の覇者}打つね。」
「頼むぞー。」
「人のやる気を削ぐような言い方しないでよね。まぁ、負けたくないからやるけどさ。」




