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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第3章 ユートピアオンライン2

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第128話 ゲルマの秘策

ハンスが先生を起こしてきて全員でモニターを確認する。


「どこかのギルドの軍ですかね?」


「レントルさんのいう通りでしょう。あれだけの軍が連合である可能性は低いでしょうし。」


確かに連合軍では統率が難しくこう言ったイベントでは特に内乱を防ぐために2つ以上のギルドが手を組むことは少ない。


「いや、あれは連合軍だね。ギルド『究極騎士団』と『青藍の薔薇』数は少ないけど『完璧』のメンバーもいるね。でもやばいのはそこじゃなくて『暗殺師団』のメンバーが相当な数いることだね。」


「なんでわかるの?」


「主要なギルドのギルド武器の情報は仕入れてたし、全部覚えてきたからね。」


「それはすごいですね。それにしても『暗殺師団』は少々厄介ですね」


「何が厄介なのー?」


「『暗殺師団』といえば通常時でもプレイヤーキルをしまくっていることで有名なプレイヤーたちが所属するギルドだ。ギルドマスターが得たスキルの効果でメンバー全員がプレイヤーキルのデメリットをなくしているらしい。全員が対人戦に慣れている非常に戦いづらい連中だ。」


「先生の言ってくれたままかな。それに潜伏系のスキル、技術も持ってるみたいだから、気づかないうちに中に入られるかも。」


「それはまずいですね。」


「映っているのはここから50mのとこにあるカメラだね。私が出て倒してもいいけど、万が一のことを考えると全員一緒に行動したいところだね。」


「50mの地点で待機してるってことはアレを持ち込んでそうだな。」


先生の言うアレとはリスポーン地点を一度だけ変更できる今回イベント限定のポーションだ。使用するとその次の強制ログアウトの後、再ログインするとポーションを服用した地点にスポーンする。


「ってことは準備を整えて強制ログアウトの直後に仕掛けてきそうだね。」


「それなら間に合いそうだな。」


「何か策でもあるの?」


「あぁ。キキョウもそろそろくるだろうし、強制ログアウトまで後40分くらいだ。多分間に合う。申し訳ないけど、ハンスも残って手伝ってくれ。」


「はい。もちろんです。」


「それで策っていうのは?」


「俺が用意したトラップがここにある。」


そう言ってサッカーボールくらいの大きさの球体に棘がいくつか生えた物体を見せてくる。


「このトラップを拠点の外周全体に仕込む。もちろん外に出てしまってはバレるだろうから地面を掘って地上からギリギリ見えない位置に仕込んでもらう。地面を掘るのはパンドラに頼む。これを使ってくれれば早いはずだ。」


そう言って普通のスコップを渡される。


「これは?」


「地面を掘ることだけに特化したことで他のステータスが大幅に欠如したスコップだ。もちろん早々壊れることはないから大丈夫だ。予備もある。そしてこれで地上との距離を見ながら掘ってくれ。トラップ自体は天井にくっつくように設置できるし、どう設置しても上の地面を歩けばちゃんと機能するから大丈夫だ。」


「このレーダーの数値が地面までの距離って感じ?」


「そうだ。とにかくパンドラには地表近くまでの地面を掘ってもらう。拠点との距離もレーダーに表示されるからそれを見ながら拠点から5mくらいの位置を掘ってくれ。お前のAGIなら20分くらいで行けるはずだ。ただ、慎重にな。地表から見えてバレたら元も子もない。トラップの可動範囲も多少はあるからとにかく地表から見えないようにだけ気をつけてくれ。」


「わかったよ。で他のみんなはトラップの設置って感じ?」


「そうだな。ただ、地面のトラップはいいんだが、飛び越えられてこっちに来られても困る。その時のために壁にも一面トラップを仕掛けたい。こっちは俺が指示するからその通りに仕掛けてもらう。ユイユイとレントルがこっちで、残りのメンバーはパンドラ側の設置を頼む。」


「誤爆はないですよね?」


「トラップはこのボタンを押している間しか起動しないようになっている。あと、トラップの可動範囲は1m×1mだから念の為を考えても大体1.5m間隔くらいで設置してくれ。」


「わかりました。」


「それじゃ急いでやろうか!キキョウはどうする?」


「こっちを手伝わせるからそっちはそっちで3人で頼む。設置と地面が沈まないように埋めるのまで含めても30分くらいで終わらせてくれると助かる。」


「わかったよ。それじゃまた後で。」


スコップで地面を掘り先生と一旦別れる。地下に入って地上から数センチのところまでひたすら掘る。掘った土は後で埋めるのに使うから先生の作ってくれたバッグに詰める。このバッグは1種類のアイテムであればどれだけの量でも収納できる優れものだ。

後ろからはミルナとハンスがトラップを設置しながらついてきている。先生に渡されたスコップは思っていた以上に使いやすく、あっという間にギルドの外周を掘り終え、トラップの設置を確認しつつ、地面を埋め立てた。20分くらいで終わった感覚だったのだが、思っていた以上に時間が経過していたようで、35分で作業が終わった。拠点に戻るとキキョウもインしてきていて無事壁の方も仕掛け終わったらしい。この壁のトラップは外から入ろうとした時ではなく中に入ってきてしまった時用のものらしい。


「このトラップってどんなトラップなの?」


「まぁ、見てのお楽しみさ。あの5分もすれば休憩時間だ。みんな15分後ギリギリじゃなくて少し早めに戻ってきてくれよ。」


「ハンスはそのまま休憩ね。」


「ありがとうございます。」

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