第123話 就寝
「相変わらずとんでもないスピードだな。」
「でしょ?まだ数分は人型だけどこっちに襲撃とかが来ても困るから遠くのギルドに襲撃をかけるつもりはないけど。」
「そうしてくれるとありがたいです。」
「ヴァルが対処してくれるとはいえハンスじゃちょっと先生を守り切るの厳しいかもだしね。」
「ですね。ちなみにどのくらいの範囲を対処してきたのですか?」
「だいたい半径5kmって感じかな。」
「さすがだな。俺じゃ反応できないよ。」
「だろうね。ヴァルレベルのPSだと無理だよね。」
「なんだ?喧嘩売ってんのか?」
「冗談だよ。そもそもユニークプレイヤーの力がないとここまでのPSは発揮できないだろうし。」
「だろうな。」
「そうだ。みんなさ、明日終わったらゆっくりする感じ?」
「俺はそうだな。」
「私もそうです。」
「俺も同じくだ。」
「それじゃさ、月曜日にあるファザオンのイベントみんなで観戦してよ。多分私とキキョウの共闘が観れると思うし、なかなかいいものがみれると思うよ。」
「まぁ、祝日だしいいけど。」
「私はせっかくですが、観戦はできません。」
「俺は観戦するつもりだったが、ヴァルは暇そうだからわかるけど、ハンスはどうしてだ?」
「いや、実は私ファザオンをやってた時期もあったのでせっかくならファザオンのイベントに参加しようと思いまして。」
「マジで?それは楽しみだね。まぁ、イベント形式がレジェンドプレイヤー2人vs他の参加者全員みたいだし、こっちからは認識できないかもしれないけど。」
「頑張って序盤を生き残ってお二人の前に立って見せますよ。ちなみに名前はこっちと同じハンスです。」
「それじゃ楽しみだね。」
「ユイユイたちは俺たちと観戦だろうな。」
「だろうね。それじゃちょっと寝るから襲撃が来たとかモニターに明らかに怪しいプレイヤーが写ったりしたら起こしてね。あと、強制ログアウトの5分前には起こして。」
正直、インした状態での睡眠は避けたかった。実際の肉体も睡眠に近い状態にはなるが、いちばんの問題は自が出てしまわないかどうかだった。寝起きでぼーっとしていて普段の口調が出てしまって性別バレなんてことはあってはならない。
そんなことがあってしまっては俺は立ち上がれる自信はない。しかし、流石に睡眠時間を少しでも確保しないときつい。それに明日のイベントで体力が持つ自信もないしな。




