第113話 {巨獣化}と外部艤装
「それじゃ早速試してみるね。」
俺とヴァルは早速スキルスクロールを使用し、その効果を確認することにした。
まずは俺の{巨獣化}だ。そもそも俺自身に使用することが可能なのかが重要だ。使用できなくても用途は色々とあるだろうけど。
「スキル{巨獣化}」
スキルを俺を対象にして発動させる。するとみるみると視点が高くなり、横幅も広くなっていく。成功みたいだ。念のため洞窟の外に出てからやったのだが、成功だったかもしれない。洞窟の中の空間よりも大きくなってそうだ。
「めちゃくちゃデカくなったな。」
「そうだね。効果時間は無制限で使用者が解除すればすぐに解除されるらしいね。一定以上のダメージを受けるか破損をするかしても解除はされるみたい。」
「なぁ、それなら拠点なんて構えずにお前の中にいれば安全じゃないか?その大きさなら全員入れるだろうし。」
「それはそうかもだけど、もし縮んだ時に中にいた人がどうなるかわからないし、圧死する可能性もないから、それはやめとこうかな。」
そう言いつつ俺はスキルを解除する。
「それじゃ、またちょっと出てくるよ。今ので私がここにいることはバレただろうし、一人で探索をしていたことにしないとだからさ。キキョウは拠点に隠れてて。」
「そういえばそんな心配もしないとだったな。すぐに入り口を隠して隠れとくよ。万が一襲撃を受けたらチャットするからすぐに見れるようにしといてくれよ。」
「もちろん。それじゃ言ってくるね。」
そう言い残して俺はギルドから少し離れたところをうろうろしていた。他のギルドの探索班にも出くわしたがもちろん撃退し、しばらくは外で戦っていた。他のギルドの拠点の近くに構えておくことでこちらのギルドの拠点の場所にブラフを張るのも忘れない。現状うちのギルドで顔が割れているのは俺とキキョウだけだ。もしかしたらヴァルも知っている人がいるかもしれないけれど、2人がいなくても疑問には思わないだろう。
今潜んでいる場所の近くのギルドは俺が残り人数をうちより4人少ない残り4人まで減らしている。つまり、俺、キキョウ、ヴァルを知っていてもいないだけという可能性を考えるだろう。実際俺はここに潜んでいるし、残りの2人も出払っていると考えると残っているのが4人というのは全く持っておかしな話ではない。
場所での艤装もバッチリだし、ここはさっきの場所からもそこそこ近いから俺がここでスキルの実験をしたと考えても不思議ではない。実際さっき実験をしたうちの拠点の入り口から近い位置にあるギルドはここしかないし、上手く騙されてくれればいいけど。




