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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第3章 ユートピアオンライン2

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第105話 ギルド戦対策

「すみません、遅れました。」


他の全員が揃うギルドに最後にやって来たのはハンスだ。


「今日もお仕事終わりですか?」


「はい。最近は少し忙しくて。ギルド戦の有給のためにも頑張らないとですね。」


「ほどほどに頑張ってください。体を壊したら元も子もないですし。」


「はい。」


「ハンスにはいっつも優しいよな。俺の扱いは雑なのに。俺だって社会人だぜ。」


ヴァルがそう嫌味を言ってくる。


「だってヴァルは根っからのゲーマーじゃん。ハンスがゲーマーじゃないとは言わないけど、ヴァルはゲーマーに振り切ってる感じあるし。」


「あっそ。それで、ギルド戦についての話だろ?」


「もちろん。特にレントルとヴァルには意見を聞きたいと思ってたんだよね。」


「まだ内容は見てないんだがどんな感じなんだ?」


「僕は見ましたけど、なんというか少人数が圧倒的に不利なイベント内容でしたよね。」


「そうだね。まぁ、そうでもしないとうちの圧勝になるって運営もわかってるんでしょ。うち以外に人数が一桁のギルドなんてないし。」


「まぁ、そこの対策はしてくるよな。パンドラのステータスは解放されるのか?」


「いや、されないね。スキルで解放するしかないね。」


「それは残念だな。それで内容は?」


「キキョウ、お願い。」


そうキキョウに声をかけるとキキョウは今回のギルド戦についてすごくわかりやすく解説したスライドを表示しながらみんなに説明をした。ここまですれば1発でわかるし、何よりユイユイやミルナにもわかりやすいだろう。


「これ、少人数が不利とかいう次元じゃないだろ?」


「あと、さっき追加で告知されたんだけど、内容に不備があったらしくて4時間以上インしていたプレイヤーの生存数ではなくて4時間以上インしているかつイベント終了10分前にイベントに参加しているプレイヤーが対象らしいね。じゃないとどうにか4時間生き残らせてあとはアウトすればいいだけになっちゃうしね。」


「確かにそうだな。この内容になると深夜帯が大変だな。それに俺たちは少人数だからバラけてしまうと確実に誰かしらやられるな。」


「うん。だから基本的には全員で行動かつホーム付近での行動って感じにしようと思う。偵察はするだろうけど、原則拠点の位置は自分たちにしか通知されないから拠点が一番安全だし、ログイン時のリスポーン地点だからね。」


「そうだな。問題は大人数での襲撃か。」


「それは心配いらないでしょ。ね、ヴァル?」


「なんで俺だよ。いくらキキョウが発言してキキョウに同意を求めれないからって。」


「ヴァルくん!その言い方は良くないよ。」


「いいよ、別に。それに違うよ。1ギルドくらいの人数なら私とヴァルで殲滅できるでしょ。現状通常のプレイヤーのステータスで一番早いのは私、多分2番目はヴァルだし、念の為先生にAGI関連の装備とかアイテムを用意してもらうから。いいよね先生?」


「大丈夫だ。」


「確かにそれならお二人で倒せそうですね。ただ、問題は複数ギルドが手を組んで襲撃して来た場合ですね。」


「その時は私がステータスを解放して潰しにかかるしかないかな。向こうも一枚岩ではないはずだしどうにかしてみせるよ。」


「どっちにしても今回のギルド戦で一番大事なのはゲルマさんということですね。」


ハンスがものすごく的確なことを言った。もしかしてさっきヴァルの引き合いに出したこと気にしてる?


「なんでー?」


急に間延びした声が聞こえた。そういえばユイユイはずっとおやつ食べてたな。一応話は聞いていたのか。


「今回の拠点は外の様子を見れる防犯カメラ的なのを先生に作ってもらう予定なのと、AGIの強化、それにその他必要なアイテムがたくさんあるんだけど、その全てを先生に作ってもらうからかな。ポーションとかは私も手伝うけど。」


「外で購入したらわずかとはいえ情報が漏れますもんね。」


「そう、レントルのいう通り!情報を少しでも漏らさず、かつ確実に勝ちに行くよ!」

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