第103話 キキョウとパンドラとギルド戦
「今日はどうする?」
「俺もすることないんだよな。パンドラは?」
ユーオン内で再び合流した俺とキキョウは今日どうするかを話していた。イベントへの挑戦が終わった以上することがほとんどない。レベルも今回のイベントでカンストまで上昇した。まだステ振りはレベル1桁の時から変わっていないが、それはおいおいやっていく。
「ギルド戦の対策でも考える?と言ってもギルド戦の詳細は出てないわけだけど。」
「そーいや、FASTGAMESの面談日っていつにしてたんだっけ?」
「ギルド戦の5日後だね。ギルド戦が8月21日で面談日が26日だね。」
「で、22日がファザオンのイベント参加日だよな。」
「そういえばそうだったね。こうやって具体的に日程を考えてみると相当忙しいね。」
「まぁ、今のうちに宿題やっといて正解だな。多分あと3日くらいあれば終わるだろ?」
「キキョウ次第だけどね。こっち担当分は頑張れば明日にも終わりそうだし。」
「マジかよ。まぁ、ここにきてまで宿題のことは考えたくないし、ギルド戦について考えよう。」
「そうだね。確か金曜夜から土曜夜にかけてのリアルでの24時間。正直相当な人数がいるギルドが圧倒的有利になるイベントだね。」
「シフト制にすれば常にそれなりの人数を確保できるだろうしな。」
「それに対してパンドラの箱は現状たったの8人。ユイユイとレントルは深夜帯は戦力外だから実質深夜は最大6人で回さなきゃいけない。全員翌日の休みは取ってるみたいだから頑張って徹夜してもらうしかないかな。」
「そうだな。こればっかりは仕方ないよな。一応3時間に1回15分間安全になる時間があるんだろ?」
「そうそう。ギルド戦参加者全員が強制ログアウトされるみたいだね。10分後に再ログイン可能みたい。だからその間にどれだけ休憩できるかが大事だね。正直ヴァル、ミルナ、ハンスには申し訳ないけどね。」
「先生には申し訳なく思わないのかよ。」
「いやー、生徒のわがままってことでね?」
「ね?じゃねぇよ。ギルド戦の内容にもよるけど、陣取り系とか拠点を構えて潰しあうようなものだと相当厳しいよな?」
「そうだね。ただ、ユーオンのゲームデザイン的に拠点を構えそうな気がするんだよね。」
「同感だ。そうなるとどうやって拠点の防衛をするかだな。」
「まぁ、システム次第だね。もし拠点に置かれたアイテムを防衛して奪い合うのなら私が残って、ヴァルを中心に他のギルドに攻めて行って貰った方がいいだろうし、メンバーの生存率を競ったり、直接潰しあうのが中心のイベントなら私が前線に出たほうがいいだろうしね。」
「直接潰しあうのはないんじゃないか?バトルロイヤルイベントをやったくらいだし。」
「確かに。そう考えるとオブジェクトの奪い合いが一番濃厚かな。そうなると一番大事なのは休憩時間だね。正直3時間に1回じゃ足りないだろうし、1人ずつ入れ替わりで休憩はしたほうがいいだろうね。」
「確かに。ユイユイとレントルがいる時間はいいが、深夜帯が相当大変そうだな。」
「ただ、深夜帯は他も手薄になるだろうから攻めに出るギルド自体は少ないはず。だから私があえて攻めに出るのもありかも。一徹くらいならどうってことないし。」
「それならそうしてもらうことになるだろうな。正直ミルナとヴァルとハンスにはそこまで無理をしてもらいたくないし、深夜帯は3時間以外のところで適宜休憩をとってもらうようにしようか。」
「全員翌日の休みがあるから、こっちでシフト的な感じで決めちゃっていいかな?」
「いいんじゃないか?お前に任せるわ。ただ、俺は日中でいいから1回休憩をくれ。」
「わかった。多分12時間の休憩後そのままちょっと休んでもらうようにすると思う。」
「そうか。ヴァルたちには深夜に休んでもらって、深夜ずっと入ってる予定の俺、先生、パンドラは昼に休憩を取るって感じだな?」
「いや、私は3時間毎の休憩以外で休憩する気ないよ。」
「マジかよ。俺でも24時間はきついのに。ほんとによくやるよな。昔っから何かにのめり込むと身を削るのは変わらないのな。」
「まぁ、このくらいだったら多分大丈夫。もし本当にやばかったら最後の方で休憩もらうから。」
「あぁ。体崩すなよ。翌日ファザオンのイベントがあるってことも忘れずにな。」
「そうだったね。気をつけるよ。」




