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ユートピアオンライン~ミミックのアバターを強制された俺はなんだかんだでゲームライフを謳歌する~  作者: 雲英侑李
第3章 ユートピアオンライン2

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第101話 見えない戦い

目が覚めると視界の目の前に俺の顔を覗き込むメンバーの姿があった。どうやらリスポーン地点が自室ではなくギルドホームの大広間に設定されていたらしい。ユイユイ、レントル、先生ヴァル、ミルナもいつも間にかホームに来ていたらしい。キキョウの頬に涙の跡があるように見える。


「ごめん、心配させたみたいだね。」


「本当だよ!まさかリタイアせずにあのまま死ぬなんて!」


「キキョウ、感情が揺れすぎだよ。MMOでそれは悪手でしかないでしょ?」


「今そんなこと言ってる場合かよ。」


不貞腐れながらもそういうキキョウ。まぁ、心配かけたのは事実だし、一応謝っとこうか。


「ゴメンって。一応あの戦いの前に負けてもペナルティなしで復活できるっていうアナウンスがあったからひたすらに戦ったんだよ。それに最後の方は見えなかったでしょ?私もリタイアできるほど余裕なかったんだって。」


「それくらいはわかるけどよ。っていうかあれなんなんだよ。後半もはや何が起こってたのかわからなかったんだが。」


「まぁまぁ、パンドラも疲れてるだろうし、キキョウ、そんなに焦るな。」


先生がそう言って帰郷を宥めてくれる。


「先生ありがと。とりあえず誰かお茶だけもらってもいい?理由はわからないけど、死んでから人型みたいだし、紅茶が飲みたい。」


「人型だったのでパンドラさんの分も用意してありますよ。みなさんお茶を飲みながらパンドラさんの話を聞きましょう?」


ハンスがそう言ってテーブルにお茶を並べていく。


「ありがと、ハンス。さすが気がきくね。」


「このくらい当然ですよ。ほらみなさん。席に着いてください。」


ハンスに促され、皆が席につく。


「それで、あれはなんだったんだ?」


今度はキキョウではなくヴァルが聞いてきた。


「そうだね。どこから話せばいいかな?キキョウは最初から見てただろうけど、みんなは最初からではないだろうし。」


「あの悪魔みたいなのが消えたくらいに全員が集まったと思うよ。」


ミルナが答えてくれる。


「そう。それじゃ、その前の状況を知らないだろうし、そこから話そうかな。まず、あの2体はレジェンドゴッドっていう存在らしくてモンスターとは違う扱いみたい。」


「ゴッド、神ですか。しかも{虐殺者}が無効だということは生物として扱われないということですよね。」


「さすがレントル、鋭いね。その通りだよ。だから私も苦戦してね。そもそもの強さが尋常じゃなかったし。」


「俺は見てたから知ってるが両方ともイカれてたよな。」


「うん。魔法系の攻撃とかスキルが無効ってわかったらすぐに物理攻撃にシフトしたし、あのレベルのが連携をとってきたから相当厄介だった。悪魔の方が究極悪魔神、狼の方が獣神っていう名前だったんだけど、獣神に関してはおそらくいろんな獣型モンスターの特徴をコピーできるんだと思う。」


「そうなのか?俺たちはあの姿しか見てないが。」


「ヴァルの言う通り後半はずっとあれだったからね。前半は九尾の姿だったんだよ。」


「確かにそっちの方が獣神って感じがするかも。」


ミルナも納得している。ただ一人、ユイユイだけは話を聞かずお茶菓子を頬張っている。こう言うのを見ると日常を感じて落ち着けるよね。


「で、あの姿になってから、究極悪魔神が纏った闘気を獣神にスキルで移譲したらしくて、そのせいで攻撃が{不壊}を貫通するようになっちゃって。{反撃領域}で応戦してたんだけど、向こうのAGIも無限だったみたいでそこから見えなかったんだと思う。多分みんな揃ったってことは究極悪魔神が死ぬ前にも誰か見てたんでしょ?」


「俺とミルナとキキョウだな」


「じゃあわかると思うけど、{反撃領域}使ったくらいから見えなくなったでしょ?」


「そうだな。」


「そこからAGI無限の戦いだったから、目視できなかったんだと思う。AGI無限ってバフかデバフがどちらかにかかっていれば優先度は変わるけど、原則両プレイヤーが1フレームごとに好きな位置に移動できるんだよね。」


「そうらしいな。」


「それで、先生の作ってくれた剣でデバフをかけながら戦ってて、明確にこっちに傾き始めた時に究極悪魔神がスキルで消滅して獣神にバフをかけたんだよね。」


「その内容は?その状況から推されるお前じゃないだろ?」


キキョウがさも当たり前のように聞いてくる。


「いや、負けたよ。だって、AGIに対するデバフの禁止、かつ20秒ごとにAGIが10加算されていくって言うバフだよ。他のステータスも負けてるのにAGIを取られたら無理だよ。{反撃領域}使ってたからほぼ動けなかったし。」


「それで{虐殺者}を使ったものの生物扱いじゃなくて効果がなかったって言うことですか。それは災難でしたね。」


「本当だよ。1位報酬に関しては多分先着だから他のユニークプレイヤーたちに渡るかな」


「案外そうでもないんじゃないか?」


「ん?どう言うこと?キキョウ。」


「何も告知がないんだろ?仮に1組にしか渡らないとしても少人数でクリアしたお前に渡る可能性も十分にあるだろ。」


「それは確かにそうかもね。まぁ、もらえないと考えとくよ。もらえると考えててもらえないよりもらえないと考えててもらえた方が嬉しいし。」


「それはそうだな。それじゃこっちの方でやってたことの報告もしていいか?」


「今から?何かやってるとは思ってたけど、ちょっと流石に疲れてるから、頭使うならまた今度のほうがいい案を出せるかも。」


「そうか、それならまた今度にするな。あとで話があるからリアルの方で連絡するな。」


「それはいいよ。それじゃみんな特に何もなければ各々解散!」

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