第100話 死
『対象が生物でないため{虐殺者}がキャンセルされました。』
は?対象が生物ではない?どう見ても生物だろ?獣の神だぞ。神は生物ではないさらに上位の存在とでもいうつもりなのか?
流石にまずい。これではAGIでの差を広げられていつか必ず捌ききれなくなる。獣神がオープンしたステータスによると究極悪魔神の残した呪いそして闘気武装は共に残り5分で消滅するらしい。
それまで生き残れるか?全ての攻撃が{不壊}を貫通し、20秒ごとにAGIが上昇する。
もはや無理ゲーでしかないが、これは流石に他のユニークプレイヤーたちが負けたのも頷けるな。ただ、俺は意地でも生き残ってやるぞ。
相手はこちらのスキルに警戒しているのか状況を理解していないのか一旦距離をとっている。しかしこのまま何もしなければ襲ってくるだろう。現にいつでも動けるように構えている。向こうのAGIが上である以上、{反撃領域}の外に出られない俺に勝ち目はない。それでもどうにかして生き残れないものか。
やばい!もう襲いかかってきた。一旦宝箱の姿になり、腕10本で応戦する。数で優位であったためなんとか初撃破防ぐことができた。ただ、その後の攻撃は・・・
気がつくと俺の宝箱の外郭は破壊され、俺のHPが全損していた。
どんどん視界が黒くなっていく。そして目の前に立つ獣神が元の九尾の姿になるのを最後に俺の視界は失われた。
ユートピアオンラインをプレイし、初めて俺は死を味わったのだ。




