わたしのなまえ
貴方との秘密が増えた
目をそらしても
耳をふさいでも
消えない貴方との秘密
貴方との秘密が増えた
耳元でそっと
ささやかれて
脳髄に流れ込む秘密
わたしのなまえを暗号に変えて
「誰にも分からないように」と
貴方はわたしのなまえを
呼ばなくなった
わたしは暗号になった
わたしのなまえは暗号になった
貴方が独り占めするから
わたしは暗号になった
わたしは膝を抱えて
震えながら耐える
いつか貴方のこころが
離れていく恐怖に
貴方との約束を破った
その手を離しても
また捕らえられても
証明したかったわたしの存在
積み上げた貴方との秘密
一途に貴方を思えたなら、
きれいに輝いてみえたのに
わたしは記号になった
わたしのなまえは記号になった
貴方のこころが届かなくなったから、
わたしのなまえは記号になった
「わたし」を表す記号ができた
貴方の声が無機質に響く
わたしのなまえは、
何のためにあるのだろう
他のひとと区別するため?
そっと呼んで欲しかった
くすぐったくなるような
その感覚が欲しかった
そっと呼んで欲しかった
貴方との秘密が増えた
目をそらしても
耳をふさいでも
消えない貴方との秘密
貴方はわたしのなまえを
呼ばなくなった
わたしは暗号になった
わたしのなまえは暗号になった
貴方が独り占めするから
わたしは暗号になった
わたしは膝を抱えて
震えながら耐える
貴方がわたしのなまえを
忘れたかもしれない
という恐怖に
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
最初と最後の詩以外は、自分で作詞作曲するという音楽の授業のときに考えたものです(思い出せなかったくらいずっと前)。
結局、グループですることになったので使うことはありませんでしたが、またここで掘り返しました。
拙い文章でしたが、何か心に残れば幸いです。
わたしの内側で眠っていた、ひどくありふれた言葉を拾って下さり、ありがとうございました。
それでは。