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序章
「はぁ……はぁ…クソッ!何なんだよ!」
路地裏で一人の男は走りながら叫んだ。
「……がぁっ!!」
直後転倒してしまった。
見れば杭の様なものが自分の足に深々と突き刺さっていた。
「…っ!ホントついてねぇ…なんでよりにもよっててめえと出くわしちまうのかねぇ…
……なぁ?……『マンイーター』」
後ろを振り向けば暗がりの中に人影が見えた。
人かどうかも分からなくするような異形の鎧を見に纏った者が。
その後ろにも蛇の様な、芋虫にも見えなくはない、そんな異形の怪物か佇んでいる。
「…お前の言う通り、運がなかっただけだ。安心しろ、命までは取らない…喰らえ、『タイラント』」
『マンイーター』と呼ばれた鎧の男がそう言うと後ろに佇んでいた怪物が動き出し、倒れた男の方へ近付いて行った。
「ハッ、ハハッ…そうは言ってもコレ、噂以上のトラウマになりそうだな…」
四つに裂けた大きな口を開きながら迫り来る怪物を見て男はそう言った。
その直後、怪物は男を一呑みにしてしまった。
その翌日、一人の男が昏睡状態で路地裏から見つかった。
魔力を限界まで消耗した状態で。