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三話

少し短めだと思います。

次の投稿も一週間後を予定していますが、早くなるかもですね。

妄想の世界からだんだん現実に戻っていく。


視界が戻ってくる、音も綺麗に聞こえるようになる。


目を開ける。



すると此方へ走ってくる四人の男女が見える。


なんだ?俺のリーフレットに憧れて作って欲しくて走ってくるのか?


いや、違う。この四人は武器を持って、陣形を整えながら俺の方へ向かってくる。

なんというか殺気だっている。

これはまずい。非常にまずい。

俺はまだ完全には妄想の世界から帰ってきてはいない。

視覚と聴覚と触覚くらいは戻っているが、体はまだ動かせない。

それに喋れない。さぁ、どうする。選択肢は二つ。


もう一度妄想の世界へ戻り、必殺のアイテムをすぐ作り戻る。


もうひとつは、攻撃を耐えて体が動かせるようになったら反撃する。


一つ目の案は色々難しい。

この自分が殺されるかもしれない状況で集中するなんて神の所業だ。

さらに集中出来たとしても、殺すためのアイテムのイメージが沸かない。

なんせ、人を殺すなんて遠い国の話だと今まで思っていたからな。

だからこの案は難しいだろう。



二つ目の案は出来るけど、やりたくない。

だって痛いじゃん。防具のお陰で、切られてすぐ天国に逝くことはないと思うが、恐いしきっと痛い。

俺は喧嘩は弱い。不良を見たらまず方向転換して違う道からというのが基本の行動の仕方だったし。

体力だって無い。だから走って逃げるなんて無理な話だ。走りながら戦うのも無理だよ。

しかし最善の策は耐えてカウンターという選択肢しかない。


ここでヒーロー登場とかあったら格好いいのに。

そんなことは無いだろうが。


よし、男なら腹をくくるか。

四人との間はもう五メートル程しかない。

四メートル。

三メートル。

二メートル。

一メートル。


体を出来るだけ固くなるように!!

四人の攻撃が俺に向かって一斉に放たれる。

一番太った奴は巨大な棍棒をフルスイングする。

細々とした男はなにやらぶつぶつと呟きながら近付いて来たと思ったら、巨大な火の玉が出現し俺に向かってくる。どうやら呟いていたのは魔法詠唱のためだったようだ。

四人で唯一の女は手に持った短剣で斬りかかる。

バランスよく筋肉がついた細マッチョの男はロングソードに火を纏わせた、いわゆる魔法剣で斬りかかってくる。


その攻撃はコンマ一秒も狂わず同時に俺の体に·······直撃していない!?


俺は何が起きたかと四人の方向を向く。

すると一人の男が立っていた。

















優がこの世界に来た時まで時間は遡る。

この世で唯一人間以外が王を務める国。魔国パラリンク。

名前の通り、魔物達がすむ国で、他の国々からは敵視されていてどこの国とも同盟を結んでいない。

そしてこの国の王は魔の国の王。だから人々から魔王と呼ばれる。

実際にはこの国の王以外にも魔王はいるのだが、一番強い魔王が他の魔王を従え自分の家臣にしているため、一人しか魔王はいないと思われている。


他の魔王を従え魔王と呼ばれる男の名はレンハート。

今から五百年前にいきなり現れ、荒れていた魔の世の中を力で纏めた歴史上最強の魔王。

この世界に来て五百年も経っているのに、容姿は変わらない。

赤い髪、赤色の目、そしてどんな女も堕とせるような妖艶な顔。

そんな魔王の家臣がある情報を伝える。


「レンハート様、奇跡の草原辺りにとんでもない魔力を感知しました。今年は前の魔王が現れてから五百年の年。もしかすると次の魔王かもしれません。レンハート様の次の魔王の力を見るのもいいかもしれませんよ。」


魔の国にはある言い伝えがある。

それは五百年に一度魔王が現れるというものだ。

なぜ現れるのかは分からないが、実際に五百年に一度魔王に相応しい人物が現れる。

しかしレンハートが現れた時代は何故か魔王が五人居た。

力が互角で互いに攻められなかったかもしれないし、魔王同士仲良くしていたかは分からない。

レンハートが二人魔王を滅ぼし一人封印し、残りの二人を家臣にしてしまったから。

しかも家臣は記憶を消されている。


だから今確認するあては無いのだ。


話を戻そう。

今年はレンハートが現れてから五百年の年。

そんな年にとんでも無い魔力を持った奴が現れたのだ。

魔王以外何でもない。

そう思った家臣はレンハートに伝えた。



「おい、レビ。そいつ男か?」

レビと呼ばれた女性は答える。

「男です。しかしレンハート様と同量の魔力を持っていると思われます。」

レンハートは大の女好きで女で気に入ったら人間でも側近にさせる。

家臣にした魔王二人も女で美人だった。

しかし女だけでなく、強い者も好きなので優は魔力が多くて助かった。

もう少し魔力が少なかったら有無を言わさず殺されていただろう。


「そうか。じゃあ気に入ったら俺の右腕にしよう。」


「左様ですか。では殺さずに捕えた方がいいでしょうか?」


「そうだな、殺さずに捕らえろ。キズくらいはつけてもいいが。」


「分かりました。では無力化に特化したダースに向かわせます。」


「成果を出せ。」



こうして優の元へ刺客が向かうことになった。

















目の前の男は全ての攻撃を放った者に跳ね返した。

自分の羽を使って。


この男、俺の嫌いな虫の特徴を所々に持っている。

羽はハエの羽っぽいし、頭には虫特有の触角。右手はカマキリの鎌のようになっている。

目なんか複眼になっていて、非常に動体視力がよさそうだ。


そんな事はどうでもいい。

なんだこの男は。俺を助けてくれたのか?


こんな奴に助けて欲しくなかったが。


あ、俺に攻撃しようとしたやつらが起き上がってこの虫人間と戦い始めた。

状況は四対一だが虫人間が圧倒的有利で四人で遊んでいるようにも見える。

俺はこの間に逃げる。


リーフレットに乗って全力でユベル魔法王国のある方向へ向かう。

なに、セコいって?うるせぇ!

俺は死にたくないんだぁぁ!


おっと。乱れてしまった。まぁいい、幸運にもあいつらは気付いていないようだ。

こうして俺は旅を続ける。




戦闘すると思いました?

残念、主人公はビビりなので戦わなくていいならその方法をとります。


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