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姫重装と追跡者(クイーンボルデ)  作者: かずとん。
『堕天使(ダークエルフ )の復讐編』
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第17話「イヴの行方」

俺達はフェルディナを追って町の中央に向かう。何やらボヤ騒ぎも起こっている、いたるとこから煙や火が上がってる。


「盗賊、いくらなんでもやりすぎじゃないか!」

「クロス様っ!診療所からも火が!」


マリアは走りながら叫ぶ、俺は診療所の方向を見ると。木造建築のため、火の周りが早く屋根などが焼け落ちていく。


「イヴが気になる、マリア。お前はここで居て!俺はイヴを」


「危ないです!火の中に飛び込むだなんて!」


確かに入口らへんはもう火の海だ、だけど


「見捨てるなんてできないだろ!多分イヴは中だ、早くしないと。アイツは病弱で、最近になってそれすら感じさせないまでにがんばってる。そんなアイツを見捨てるなんてできるわけない!」


「クロス様ぁっ!?」


俺はマリアの言葉を無視して火の海と化した入口を入っていく。


「くっ!?イヴっ!!居るなら返事をしろぉっ!!」


イヴの声は聞こえない、気を失っているのか。または.....


「ばかやろ!何考えてるんだ俺は!イヴぅ!!返事をしろぉっ!」


俺はイヴに声をかけながら走る。その頃診療所の外では



「クロス様....私も何か!...あの方は」


マリアは騎士団に指示をしているフェルディナを見つけた。


「フェルディナさん!!」

「あ、あんた。なにやってるのよ!!民は町から避難しなさいよ!」


フェルディナはマリアに怒鳴る


「そんな場合ではありません!クロス様が仲間を助けに火事の診療所に入ったのです!」


フェルディナは驚く顔をするが


「ふん、知らないわよ。民には避難しろと指示をしたわ、号令無視は救助対象にならないわよ」


「それが騎士団のすることですか!?」


マリアは負けじと言い返す


「知らないわよっ!私達は盗賊を捕まえるのが仕事よ!たかが旅人を助けるのに命なんてかけられなーー」


マリアは最後まで言葉を聞かずに、パシンッッとフェルディナの頬をビンタする。


「っっ!?な、なにするのよっ!!」


「見損ないました、同じ騎士団としてその程度のことも出来ないなんて。」


「ち、ちょっと待ちなさいよ。同じ騎士団って.....」


マリアはフェルディナを無視して診療所に向かって走り出す


「な、何よ同じ騎士団って.....」


そのころ、火の海になっている診療所の中へ突入したクロスは、酸欠になりながらもイヴが居たはずの病室内を探すが


「なんで居ないんだよ、最初の盗賊の襲撃に気づいて外へ出たのか?!イヴ!居るなら返事をーーー」


その時クロスの頭上にある柱が火に焼かれ落下してくる。


「ッッッ!!?」


反応に遅れたクロスは目をつむる、しかし、痛みなどはない。ゆっくりと目を開けると。


「お、お待たせ致しましたクロス様」

「マリアっ!?何故お前が!」


落ちてくるはずの柱はマリアの魔法によって別の場所に落下していた。


「私達は一度交わっています。危険を感じたので急いで来ました。そんなことよりイヴさんは!?」


マリアは近くにあった水の入った花瓶を手に取り、クロスの頭にかける。


「ぷはっ!ありがとう、イヴはここにはいない。きっと外だ、急ごう」


クロスとマリアは診療所から出ると、耐えられなくなった建物は崩れた


「さ、急ごう。」


クロスが走り出そうとするとマリアがクロスの腕を掴む


「待ってください、きっとイヴさんの居場所を知っている人がいます。」


「誰だ?そんなやつがいるのか?」


マリアは頷くと


「フェルディナさんです、先程盗賊を追うと言って街の中心にいきました」


「でもなんでイヴの居場所がフェルディナにはわかるんだ?」


マリアは真剣な眼差しで


「彼女はエルフです、髪で誤魔化していますが耳を必要以上に隠しているのはエルフしかいませんし、危機に陥ったエルフは同じエルフなどに緊急事態だと心に伝えるのです。イヴさんが近くにいるなら居場所までわかるはずですし、クロス様もわかるはずです」


「わかるって、さっきマリアが俺の危機を感じたのと同じ事が俺にもできる。ということか?」


「はいっ」


マリアの返事を聞くと俺はマリアの腕を掴み走り出す。


「フェルディナがエルフということも気になるが、イヴを助けないとなっ!」


俺はひたすら走る、五分ほど走るとアイリス騎士団がちらほら見かけるようになり。その中心にフェルディナがいた


「フェルディナっ!!」


「あ、あんた達?!ここは非戦闘員以外は立ち入り禁止よ!直ぐに出ていきなさい!」


フェルディナは俺達を睨みながら言い放つ。


「悪いがそんな場合じゃない、あの平屋に盗賊がいるんだろ?」


「っ!そうよっ、人質もいる。だから危ないから下がりなさい!」


人質、ならその中にイヴがいるはずだ。


「俺の仲間も人質にされているかも知れないんだ!黙って下がれるかっ!」


俺は強気に出る。フェルディナは少し怯むが


「あんた達にできることは何も無い!」


「いや、俺達にもできることはある。俺達はお前の嫌うマルドゥ騎士団の人間だ。戦う権利がある、フェルディナ。君もエルフなんだろ?」


騎士団であることをバラしながら彼女の事を言ってみるクロス


「っっ!?ど、どうして、私は一言もエルフだと言ってーーー」

最後まで言うところで、平屋の扉を蹴破り盗賊達が出てくる。肩に担がれた人質2人、内一人は....


「イヴっ!?」


「イヴさんっ!」


俺達はフェルディナや騎士団の間をすり抜け前に出る


「てめぇ、よくも仲間を....」


リーダー格の男が不気味な笑顔で


「なんだ?あ?調子に乗ってるとこのガキをぶち殺すぞ?」


俺はこれまでにない怒りが湧き出ていた。

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