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神モドキの悲劇と共に  作者: 虚構人


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死は唐突に確実に

第1話 死は唐突に確実に

【始めよう】


アラームの音が鳴り響き硬い床と共に振動して伝わってくる。


頭痛がしながらも目が覚める。時刻は午前7時


パッとしない意識と共に部屋の扉を開け階段を降り、洗面所で顔を洗い、ご飯を食べ、部屋に戻り服を着替える。


レストラン 松崎海無まつざきかいな


名札を眺める。最近勤務した所でもらった物だ。


鏡を見て思ってしまう。


「パッとしないな」


つい声に出てしまった。自分の顔を見ながらボソッと。大事な親がつけてくれた名だがそう思ってしまう。


そうこうしている内に8時みたいだ。


家の扉を開けて外に出る。


いつも通りの道を進み、俺は死んだ。


何とも呆気ないしパッとしないと自分で思ってしまう。


そもそも死をこんな軽んじていいんだろうか?


そんな事を考えながら今いる空間を見渡す。死んだ筈の俺は体と意識がちゃんとある。ついでに服もちゃんと着ている。


「ここは?」


疑問を少し大きな声で出す。もし仮に誰か(何か)がいるなら反応してくれる筈だろう。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【神モドキ】


あれから何時間経っただろうか。俺はあのたったの一言に反応してくれるのを待った。


「反応なし、か」


そもそもこの空間は何なんだ?死んだ後は天国か地獄だろう。でもここはその二つとは明らかに違う。


取り敢えずもっと叫んでみようか。


「誰かァァァァァァァァァァァァァァ!!!」


精一杯叫んだ。


「うるさいぞ」


─────────────────────


とても不思議な空間に二人の人影がある。


一人はどうもパッとしなそうな姿の男。それとは段違いに服装はきちんとしている。


もう一人は目の前のパッとしない方を腕を組みながらどこか偉そうな態度で見上げている。不満をもってそうな表情で男に向かって


「おい、もう一度いうぞ?うるさいぞ」


と。


その言葉に男は頭を下げた。深く深く、謝罪の気持ちを加えながら。そして顔を上げ声を出す。


「大変申し訳ございません。この度はこの見知らぬ空間で叫び、多大なご迷惑をお掛けしました」


決して感情が困っているとは言えないが反省の意識を男は表している。それを聞いた偉そうな方はため息をついた。


「もういい。所でお前は海無だな?」


「えっ?何故、僕の名前を?」


男──海無は目を丸くして軽く驚く。


「別に本人確認だ。さて、ここからが本題だ。お前は死んだ。ちょうど数時間前にだ」


「知ってます」


「なら良かった。で?どうする?」


「どうする…とは?……所であなたは?」


「私は……あー、そうだなぁ。かみ…様だけど違う、そんな存在だ」


「まるで分かりませんが、取り敢えず神様という事にします」


その神モドキはうんうんと頷きながら軽く流す。そして


「話を戻すぞ。どうする、というのはアレだよ。よくあるだろう?新たな人生というやつだ」


「なるほど、生まれ変わりですか?……あ!アレですね。転生というやつですね」


「そうそう、それだソレ。転生。で、するの?」


ここで海無は少し悩む。ソレもそうだ。神だからかもしれないが、あまりにも軽い。一人の生命体が死んだのだ。もっと重く考えてもいい筈だ。


「少し…お聞きしても?」


「構わないぞ」


「死因については?」


「私が殺した」


「ん?……どこでーどうやってですか?」


「歩道を歩いている時に体を破裂させた」


「ん?」


海無は頭を傾け

?を表現する事しか出来ない。神モドキが海無を殺した。その一言は海無にとっても衝撃すぎる口実だ。


そんな海無の表情に自称神様はぽんぽんと海無の肩を叩き囁く。


「時間だ……頑張れ」



その神モドキの一言で


海無の視界は真っ暗になった。







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【目と目が合うその瞬間が命取り】



人一人がギリギリ入れるボロボロのタンスがあるとする。


仮に本当にその中に人が入っていたらびっくりするだろうか?ソレとも冷めた目で見られるだろか?


答えは


「理解が出来ない」


だ。


俺はカイナ。今、狭い空間に敷き詰められている状態だ。多分……


視界は真っ暗。分かる事は狭い事とこの中が埃っぽい事だけ。


一体俺が何をしたというのか……。仮にあの空間でのやり取りが幻ではないなら今起きてる事は、きっと神モドキの仕業だろう。勘弁して欲しい。


「どうする……?」


自分に問いかけるが……答えは出なさそうだな。


取り敢えず暴れようとしてみよう。


…………………


「ダメだな…くっ」


痛い……変に動こうとしても痛みと疲れが襲ってくるだけだ。


「はぁ…」


ドラマや映画、アニメなどでスーツケースに閉じ込められるというシーンを見た事がある。正に今がそのシーンだろう。


「眠い」


眠たくなってきた。唐突な事が続くと身体も精神もキツイな。こういう時は睡眠だ。


寝れるかは分からないが…寝るしかない。少しでも、疲れを……


ドンッ!!!!


「!?」


視界は真っ暗で聞こえる音が自分の心臓の音だけの時に他の大きな音がしたら誰でもびっくりする筈だ。俺もその一人。


何の音だ?まぁそんな事はいい。誰か、もしくは何かが近くにいるのは確かだ。


神モドキか?……いや違うな。


バンッ!!!


今度は何の音だ?いや待て、聞いたことがある音だ。実際に聞いた事はないがフィクションでの音なら聞いた事がある。銃声だ。


……声を出した方がいいか悩んでしまう。ここで声を出したとして、助かるのか?今のは銃声、仮に銃声の原因が人だったとして言葉は通じるのか?俺は日本人、他の国の言葉は英語でさえ分からないんだ。


いや待て待て。あの空間の時のことを思い出せ。


神モドキとの事を思い出すならここは


「異世界」


……まずい!?声が出てしまった。どうする?気づかれたか?バレたか?死ぬ?


いや思考が飛びすぎだ。


タン…タン…タン


足音が近づいてくる!この足音は多分だが人間の足音だ!まずいまずい。抵抗できるか?どうする?足掻く?


無理だ。


仮に出れたとしても、動けないのは確実だ。


……思考が不吉の方にしか行かない。


もうダメか……?


………………足音が、止まった?


何となくな感覚だと目の前まで来たとは感じない。何故だ?まさか、気付いていなかった?


なら何で足音か近付いてきてたんだ?


ギギギギッ


あっ開けられてる!?今、今!?何で!?


今いるこの空間が開けられてる!


ていう事はやっぱり俺は閉じ込められていたのか?いや待て待て、考えてる場合じゃないぞ!


あー、なんかこの瞬間がスローモーションの様に感じてきた。何でかは分からない。


この空間に光が入ってきてる。もし開けてるのが人間だったら?ソレとも別の何か?


焦ってろくな事が考えられない。まぁ考える時間なんてないが


ガバッ


その瞬間、眩しさを感じる。


同時にある言葉を思い出した。


『目と目が合うその瞬間が命取り』


正に今、俺はソレと目と目が合った。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【まずは街へ行きましょう】


「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!?」


とてつもない叫び声が聞こえた。俺の声だ。


「あっあっえ〜ギャァァァァァァァァァァァァァァァ」


「その様に驚かないで下さい。安心して下さい、助けに来ました」


俺の視界に映っているのは機械?ロボット?アンドロイド?の三つのどれかなのは確実だろう。


コイツの顔はどこか仮面の様にも感じる。表面は金属で微細な回路が血管の様に走って、脈打っている。そして目もあり、光はあるが、瞳ではない。レンズだ……ソレも四つ。色彩の変わりに歯車が回っているようだ。


そのレンズで俺を除いている。


目線をずらし下の方を見る、服装は青いタキシード?


何なんだ?


「動かないで下さい。ここから出してあげます」


取り敢えずこの機械人間?の言う通りにしよう。それにしても言葉は日本語なのか?ソレともそう聞こえているだけか?


───────


「よし、コレで完了です。身体の状況は大丈夫そうですね」


「どうも」


感謝の言葉は大事だ。たとえソレが人外に対してでも。


「間に合って良かったです。急いできた甲斐が合ったみたいです。とても興味深い」


目の前の機械人間は俺のことをレンズで覗いている。四つのレンズが素早く回転してる。拡大してるのか?


少し恥ずかしいぞ。


「おっと、申し訳ございません。自己紹介がまだでしたね」


機械人間はそう言うと軽くお辞儀をして


「私の名前はローフィルス。グランデルという街から"貴方"を助けるよう依頼されて参りました」


おいおいおいおいおい。なんだその街。聞いた事ないな。てことはやっぱりここは異世界か。


てか俺を助けるって!?なんでだ?異世界なら俺の事なんて知らないだろ。


「あの!誰に依頼を?」


「ふむ。特に名前は聞いてませんが…一言で言うならとても偉そうな人でしたね。ですが外見はとても綺麗なローブを羽織った美しい人でしたよ」


あの時の神モドキだ!!


「おや?………ふむ」


おや、ふむ。コイツ…ローフィルスの口癖か?


ローフィルスは周りを見渡し首を傾げてる。なんでだ?


「どうやらとても訳ありみたいですね」


ローフィルスがもう一度コチラを向いて

ふっと笑いそう言った。


どう言う意味だ。


「先程銃声が鳴ったと思いませんでしたか?」


そういえば!そうだ。


「ここにもう一人貴方を閉じ込めていた人がいたのですが、最初は言葉で説得しようと思いましたが、私を見るなり襲いかかってきまして…やむを得ず……ですがその人がいません。消えているのです」


なるほどな。ソレはおかしいが……心当たりがあるとすれば神モドキの仕業か。


「宜しければお話もまだまだ聞きたい事がありますので、依頼者がいる街グランデルへ向かいませんか?カイナさん」


「なんで名前を!?って依頼者から聞いてるのか。やべ!聞いてるんですね」


「ふふっ、普通にして下さい。敬語など不要ですよ。そちらの方がカイナさんも楽でしょう」


お言葉に甘えようじゃないか。一人称が僕とかレストランで働いてた時言ってたけど、あれ普通に面倒だったからな。


「向かいながら話を聞かせて下さい。カイナさんも是非聞きたい事があれば、答えられる範囲でお答えします」


「あぁ、よろしく頼むよ。ローフィルスさん」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【そんなこんなで異世界へ】


異世界転生したらしい。まさかこんな形で異世界転生するとは思わなかったが……


取り敢えずこのローフィルスさんと共に街に行って神モドキに会おう。そこからだ。


異世界転生───想像とは違った異世界転生だが……いや待て待て異世界転生か?異世界召喚なんじゃないか?ソレとも異世界転移?ソレとも


はぁ……そんなことはどうでもいい。取り敢えずはグランデルへ向かう事に集中しよう。いやダメだ。ローフィルスさんに色々聞かないといけないからそっちの方も質問を考えないとな

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