EP7必中の魔弾
スレッスーレーの樹林-そこではあるハンター達が依頼対象を討伐しに来ていた。
「うぉぉぉ〜!!!行けぇぇマークスさん!」
「脳天撃抜!」
「ブヒャァァァ!」
バタン、依頼書の妖鳥町に出没した迅雷ボアを一撃で仕留める。
「やっぱりゴールドはちげぇや!」
「俺ら足手纏いすぎんだろ!」
「いや、君たちは僕の弾丸を持ってくれる重要な役割が在る、故に意味と価値がある」
「な、なんと器が広いんだ」
「一生ついていきますマークスさん!」
スナイパーを構えていた彼の名前は、マークス・デクスター、ゴールド帯のハンターの中でも熟練度の高い狙撃術を持っていた。
「ははは、そんなに褒められるほどの器は無いさ」
「またまたご謙遜を〜」
彼は射撃/移動速度、そして射撃技術に秀でている,今までに当ててきた敵は数知れず、唯一知られていること、それは的中率100%だと言うこと。
「マークスさんに狙われたら誰も逃れられませんね!」
彼には欠点が極端に少なかった、彼の欠点を唯一挙げるとしたら、自身の得意な魔法を使わないことである。
マークスは、いつも自身の腕前を信じていた、それ故に魔法は基本的に使わなかった、彼は魔法においても銃に関連する魔法を使える。
それは弾丸に特別な性質を宿す魔法、それは、必中軌道弾無限の推進力と自動追尾と言うのが物理的・必然的に《必中》する、と言う特徴に対する判断の内容となっている-だがしかし、彼は生まれてこの方、1度しか使って無かったのだ。
彼のプライドは銃撃に在る、それは彼が有する称号を見れば歴然だろう。
《銃弾の魔術師》そして《魔弾の狙撃者》だ、ならば言わなくと理解るだろう、彼にとっては、弾丸の必中補助など、全くもって不要なのだと-後彼は自身の背の低さを少し気にしていた。
ちなみに身長162cm、体重48kgである。
「お?あいつらの仲間がこちらに向かって来ています!」
「数が多いな」
雷速の軌道が幾つも歪曲し、数秒でマークスを囲み、今にも殺そうとブルブル顔を振るわせていた。
「スキル発動、速射、スキル発動、連射、スキル発動、跳弾」
同時に3つのスキルを発動する、跳弾は彼が魔術師と言われる所以だ、彼の跳弾は-びゅんびゅんびゅん、特注の形状の弾丸により跳ね返るのだ。
「ブヒャ!?」
「ブ!」
百発百中、外すことはなく、軌道上のすべての迅雷ボアの脳天を打ち抜き即死させる、だがしかし、それを野生の直感で見据えていたのか、撃ち抜いた迅雷ボアの一体の背後に一回り小さな迅雷ボアが飛び出す。
「ブッヒィィィ!」
ブチギレた迅雷ボアがマークスに猪突猛進する!!!-グサ、ぼたぼたぼた、なんとマークスは銃剣により、一撃で刺し仕留める。
「まさか銃撃だけだと思ったか?敵に近付かれた際の保険は持っておくもんだぜ」
「すげぇぇぇ!あの迅雷ボアの群れを一人で倒し切った!」
「やっぱりすげぇや!」
「迅雷ボア討伐の証拠は我々が運びます!」
「おー!」
「おー!」
「おー!」
彼のバトルスタイルは、称号からも分かるように、速射により指を素早く動かし、完璧な射撃精度による跳弾、直撃の連射による-まるで悪夢やタチの悪い幻覚や魔法と見紛うような銃撃の戦い方であり、また自身が低身長で在ると言う事実を利点として捉え-それを武器とした。
その素早い動きと射撃が得意なのは、その証拠だろう、だが更に至近距離においては、ショットガンや迅雷ボアを刺した銃剣、それに加えて指鉄砲と余念が無く隙が少ない-故にして欠点が少ないのだ。
ヘイワーの国の冒険者ギルド-ヒロはシルバー帯で適当に選んだ依頼書を手に取り、サインをして貰い、早速冒険に出掛けていた。
「依頼対象は、マーダー・アンゼーン大陸の北方面、ヘイワーの国から10万km離れた場所だったか」※この地球は、元来の地球より遥かに広大です。
こうして早速、アンゼーン大陸の北方面の北ヘイワーの国へと歩みを進めていく-少し早歩きで約10分程の時間で着くのだった。
「ふぅ〜着いた、なんか歩く速度が速いな、筋肉の持久性や敏捷性の部分が増強しているな、これは経験集積が関係していそうだな」
「お、あんたが依頼を受注してくれたって言う」
「貴方が依頼者のニャメターさん?」
「あぁ、初めまして、私はニャメターと言う」
「あ、どうも、私はヒロと申します、ところで何故私が依頼を受注したと?」
「あぁ、受注された際に冒険者ギルドから、どこのギルドで依頼が受注されましたと報告があるんだよ、そして雰囲気だよ-確かにヘイワーから移住やらでこっちに移る人達も居るが、シルバー帯でヘイワーの冒険者となればある程度識別が出来る、あとは数うちゃ当たれだ」
「それで依頼は、ゴーレムの退治でしたよね?近年発生した地震により、滅びた魔王の古城から、誤作動した旧戦争用人型兵器が国に向かってるんだとか」
「はい、なので一刻も早く、出来るだけ沢山の人手が欲しいのです」
「なるほどです、それで依頼書で見たんですが、確かソロ専用、難易度は最高で、報酬に関して、ゴーレムを先に討伐した人にだけ物品で報酬と書いてあったので-無機物の敵と戦闘してみたかったのと、単純な興味本位でクエストを受けました」
「ほほう、物好きな方も居たものだ、ささ、あっちです」
ニャメターが指を刺した方向を見る-ドスン、ドスン、ドスン、一歩一歩が地震を引き起こすほどに大きく、直径は約700km、高さにして約25km、その質量は642垓kgと測定されて居る。
「あんなのが来たら国は壊滅だな」
「頼みます、あのゴーレムを倒してください」
「まぁ、大船に乗った気持ちで居て下さい」
「ありがとうございます」
こうしてヒロは、巨大なゴーレム、旧戦争用人型兵器とタイマンするのだった。