EP6次なるクエスト
「、、、あ、あの〜小鬼の大森林が壊滅したと聞いたのだけれど、ヒロ君が討伐に向かって討伐が終わったらへんだったわよね?」
「すいません、ホブゴブリンとその群勢を倒してる時にやり過ぎちゃいました」
「え!?あれ本来はボス核を潰せばすぐに終わるのに群ごとソロで壊滅させたの!?本来ならシルバー帯のクラスが100人単位でパーティを編成してやっと互角だと言うのに」
「あ、そうだったんですか?」
「ステータス測定しても良い?」
「はい」
「、、、凄い、この数日で格段にレベルが上昇してる、剣技、合間縫い、乱撃、穿貫、それに称号にゴブリンスレイヤー、凄いわ!シルバー、いや下手をしたらゴールドに一気に!所長!」
受付嬢が掛け合うのだが。
「ダメだった、なんか他のギルドの所長が許さないって」
「は、はぁ(この冒険の目的は魔王の討伐だし、まぁ〜冒険者のランクは上がっても下がってもだし、お金稼ぎと経験を積むためな訳だし一応ランクは上がった方が良いのかな)」
「あの、ですがシルバーには上がれましたよ、失敗もなく比較的に早く高難易度の依頼を達成致しましたので」
「なるほどです、ならシルバー帯でクエストを探してみます」
こうしてヒロは、シルバー帯のクエストを見てみる。
「ホブゴブリン及び群れの討伐報酬に銀河300枚かぁ〜、、、まぁまぁだな、もっと高難易度のクエストを受注していこう」
ヒロがシルバー帯の掲示板を見ていると、何やらギルド備え付けの酒場から、荒々しい声が聞こえる。
「おい!お前ムカつくんだよ!いつもいつもクエストを横取りしやがって!」
「うるせぇよメタボ!鈍重なお前には不向きなクエスト代わりにやって貰って感謝しろ!」
「おいおいあいつら酒に酔いすぎだぜ朝っぱらから」
「マスター!樽を一杯追加だ!」
「俺もだマスター!」
そこにガチャ、ガチャ、ガチャと漆黒の装いを纏う男が近づく-ガタ、その男はカウンターに腰を置いた。
「マスター、ワインとチーズ、あとクラッカーを」
「承知いたしました」
「あぁ?何をワイルドなハンターが、お上品にもワインやチーズだ、、なんてってえぇぇ!?な、なんで貴方様がぁ!?」
「やぁ、僕は少し野生に欠けるかな?」
その称号、《舞踏の黒騎士》彼の名前は。
「かの、プラチナム帯のノヴァ・アンドロスさんがなんでこの場所に?」
「機密事項だから詳しくは話さないが、まぁ簡単に言うと勇者について調べにきたのさ」
「勇者ってあの?」
「冒険譚の主人公さ」
「(うわ〜なんか面倒そ〜関わらんと)」
ガシ-ヒロは、不意に肩を掴まれる。
「やぁ、初めまして」
背後には、ノヴァが居た-ノヴァは、耳に向けてコソッと呟く。
「今代の勇者くん」
「な、なんですか?何か用事ですか?」
「悪いことしようってんじゃないよ、君の実力が勇者足り得るのか調べてこいと不滅の魔術師クレハに任を受けてね」
「クレハ、確か先代勇者のパーティメンバーの一人だったか」
「正解だよ、こんな目立つ場所じゃ双方都合が悪いよね?場所を移そうか」
「あ、はい」
こうしてヒロは流されるままにノヴァと共に場所を変えるのだった-ヘイワーの平原、この場所はヘイワーの国の外にいる魔物が殆ど居ない安全地帯であり、広大な面積を持っている。
「さ〜てと、じゃあ開始の合図はこの金貨を指で弾き地面についた瞬間がスタートな」
「わかりました」
「じゃあ行くぞ?よ〜い」
瞬間、ノヴァが指で高く上げるのではなく、地面に叩きつける。
「どん!」
「まさか、不意を付けたと思ったか?」
「ふん、やるなぁ」
瞬間、二人の剣が弾き合う。
「シャラァ!」
ノヴァの身長192cm体重107kgと、ヒロより一回り大きなスタイルを持ちながらも高いスピードを誇っていた。
「(パワーとスピードに秀でている、技術に関しては広く浅いから特定分野では俺に分が有るな)」
だがノヴァの脅威は単純なフィジカルではないのだ、それは。
「シャラララ!穿貫!逆袈裟斬りぃ!」
と見せかけての左袈裟斬りを放つ-そう、ノヴァの戦闘方法は、複合スタイルで足りない部分をカバーする、弱点、欠点を補いあまり有るパワフルな戦い方なのだ。
計算高く熟練度は十分、一般的なハンター相手なら武器種一種類でも余裕で圧勝しただろう、だがしかしヒロは違った。
「素晴らしいぞ今代の勇者!」
「勇者勇者ってうるせぇよ、俺の名前はヒロだ!」
バゴーン!宣言した瞬間、武器ごとノヴァを天高くぶち上げる。
「ガハ!(なんて良い子だ、力を抑え我の予備武器を破壊するとは、、、)」
瞬間空中で体勢を変え、空間から適当にシュバっと二つの刀を出す。
「スキル発動、二天一流」
瞬間、思いっきり地に突撃してヒロと撃ち合う-様々な剣術を一個に一気に複合する、その舞うようにして敵を切り崩す姿はまさに舞踏の様だ。
「しゅ」
バックステップでヒロが避けた瞬間。
「逃げないでよ!斬波!」
発動したスキル、斬波により、筋肉に力を込めて、超音速で空を斬ることで斬撃の波を発生させ、離れた距離にも対応する、だがその斬撃も。
「しゅ」
ヒロにより軽々と避けられてしまう。
「いい、いいぞヒロ!もっとだ!もっと俺に実力を魅せてくれ!」
「ならまずお前の加減を辞めることだなぁ」
バゴーン!ビッガゴーン!ズダダダダ!!!
刹那を飛翔する、戦闘のスピードステージは、六徳に駆け上がる。
「(完全に想定外だった、もしかしたら、勇者爆誕の歴史史上最も優れた戦闘能力かも知れない、ただそれは魔王との相対的に強大と言う訳だな)」
「風烈乱刃しゃあ!」
風系統属性で切り刻みながら視界を塞ぎつつ双剣で息をつかせぬまま連撃を叩き込む、だが。
「どんだけ隙が無いんだぁ!」
一撃足りと当たることなく、ヒロは攻撃を片腕で余裕綽々に防ぎ切ってしまう、ただ防ぐだけではない。
「どこに行った!(違和感、腹の辺りが)-ガハァ!な、何ぃ!?(嘘だろ、今の一瞬で殺さないよう手加減しつつ、筋肉は切らない様に、皮膚レベルで腹を切ったと言うのか、それも目視するまで違和感はあれど痛みもなく)」
「素晴らしい、素晴らしいよ今代くん、このまま本気でやり合いたいところなのだが、残念、今はまだ味見いや、今代の実力の体験と状況報告だけなんだ、それにやり合いのレベルが上がればヘイワー平原やヘイワーの国もその影響を受けかねない」
「確かにな、ならどうする?」
ジャキンと鋼の剣をノヴァに向けた。
「負けを認めるか?」
「は?」
プチ、ノヴァの顔に血管が浮き上がるが、なんとか耐える。
「引き分けだ」
「何を言ってるんだ?両者手抜きとは言え一撃当てられてるじゃ無いか」
「ぐっぬぬぬならば6対4で君の勝ちとしておこう」
「プライドが高いと自分を守るために必死だな」
ニヤリと煽りでヒロが笑う。
「すーっはー、すーっはー、、、ううん、ま、まぁ、そうだな」
「(まぁ、煽りすぎるのは良くないな、腹式呼吸してて笑えるなんて言ったらこいつ全力で首斬りに来そうだし)」
「ふぅ、実力を試せたから私はこれで」
するとジャンプをする姿勢をすると、バゴーン!ノヴァはとんでもない脚力で飛躍して一気に消えていくのだった。
「さてさて、シルバー帯のクエスト早速受注したりましょか〜」
っと、さっきの戦いが無かったが如く軽やかなステップを踏みながら、ヘイワーの国のギルドに戻っていくのだった。