EP10狙撃者対勇者
北ヘイワーの冒険者ギルド-依頼を手に取ろうとしたら、たまたま被ってしまった-その相手はさっきまで仲間と話していたスナイパーを持ってるちびっ子の仲間だった。
「あんた、今ゴールド帯になったばかりだろ?なら先輩に譲るべきだ」
「年功序列じゃなく実力至上主義だろ?」
「ならバトルをして決めよう!ジャンケンや運ゲーは嫌いでな(俺もマークスさんの仲間、一応シルバー帯に上がったんだ、負けるわけには行かない!)」
こうして、相手と1対1で勝負することとなるのだった-二人は外に出る。
「何が良い?格闘式か?魔法式か?」
「なんでもいいよ、貴方の持ち得るすべてを行使して下さいよ、何をしてもいい」
「な!?舐めてるのか?」
「いいえ、ただ圧倒的に実力に差があり過ぎるから、普通に戦っても俺になんの徳も経験も存在しないので、ハンデです」
「か!そうかいそうかい、なら泣くまでやってやる!」
瞬間、相手は全力で地を蹴り、思い切りパンチを放つ-当然そんなノロマなパンチがヒロに当たるわけも無かった。
「おららららららら!魔拳闘士舐めるな!」
相手は火系統属性を両手に纏い連撃を繰り出す、一分の火の粉すらヒロに掠ることはなく、また影を踏むことすら出来なかった-ヒロもヒロで自分に枷を課していた。
「な!?お前まさか、うごてないのか?」
相手がヒロの足元を見て驚愕する、足元の土にヒロが動いた形成が一つも無いのだ-それに加えて。
「な!?なんで目ぇ瞑ってんだ!それに耳栓!?いつしやがった!」
一歩すら動いてないで目や耳に頼らない、空間の物理的な微細な変動、皮膚を伝う感覚、空間認識能力だけで相手からの攻撃を避け切ったのだ。
「な、、、(なん、なんだこの化け物)」
相手は絶望していた、そこに彼、マークスが来たのだ。
「仲間を絶望させたお礼参り、じゃだめかな?」
「いいですよ、掛かって来て下さい」
マークス・デクスター、彼は基本的に非常に冷静沈着な戦術家気質であり、戦場を盤面のように観る節がある-ボロを出すことはほぼ無く、その実は、内面は常に敵を即座に射殺することだけを考えている冷酷な戦闘マシーン-だがただの戦闘マシーンじゃない、それは。
「(こいつに弾丸を当てたい!)」
回避に優れた存在に弾丸をぶち当てることが性的快感に変わる正真正銘の変態スナイパーなのだ!!!彼は人生で初めて感じることになるだろう、自身のエゴをぶち破る人外を。
「ははははは!はぁ〜っはっはっは!」
一瞬にして無数の弾丸が飛ぶ、弾く、軌道が曲がるぅ!まさに魔法!だがスキル!
「あはははは!あーっはは、は?」
だがその弾丸のダンスは皆最終的に一点にぶち当たる、空で弾丸同士が弾けたのだ。
「は?」
目的地には、百発百中の100%を99.999%と化す異常な光景があったのだ。
「今の全方位、全角度、全方向からの弾丸を」
「避け切ったのか!?あのマークスさんの弾丸を!?」
「(嘘だろ、、、そんなことあってはならない、あってはならない!)」
マークスのプライドをズタズタに切り裂いてしまった、ヒロはマークスに全力を出させたのだ。
「いいだろう、こんなことで、こんな如きで使うことと成るとは、使ってやる、、、」
血涙を流しながら舌を噛み切り、マークスは魔法を行使した。
「必中軌道弾!!!!!」
射出されし弾丸は真なる魔弾へと昇華する、本質的に微妙にだが抽象性を含んでいる、弾丸は、必ず対象に弾丸が当たると言う特徴を持つ-それは、我々では認識することの出来ない方向の、所謂は物質に秩序を与える形相の世を媒介して、その必中の事象は、初めてこの現実にて事象として完結する。
光を超えて逆転した因果の中から対象にぶつかる、そんなものではない、弾丸が当たるという事象を概念の域で定義するのだ。
その弾丸の弾道に迷いは、はなっから存在しない、介入してくる奇跡や偶然を貫く推進力は、対象の点に必ず接触の事実を植え付けて魅せるのだ。
「へぇ〜良い魔法だね」
反事実的介入にも耐える弾丸だった、だがしかしそれは、非物理的な性質にも飛翔戦とする、肉体による回避行動により、ヒロに命中することは、無かった。
「な!?」
「強きは、比較して弱小の法に縛られない、故に回避と言う動作を一方的に成立させられるのだ、そこに矛盾は存在せず、双方の真贋を飛翔した行為があった、ただそれだけのことだ」
「う、、、嘘、だろ、、、」
バタン、あまりの短期間に巻き起こる弾丸を回避されたと言う光景に、マークスは脳の血管がブッツリ逝かれてしまったのだ。
「マークスさーん!」
「ほら」
シュッと6個中1個の普通のポーションを投げる。
「あ、あれ?俺は確か、、、何してたんだっけ?」
「マークスさーん!(あの戦いは、伝えないでおこう、記憶が混濁してるんだきっと)」
こうして模擬の戦闘を終了させた後に、ギルドに戻って行く。
「さぁ〜てと、依頼を受けるぞ〜!」
こうしてヒロは、ゴールド帯高難易度依頼を受けるのだった。